見つけたものは・・・
「では・・・・・・この辺りにするとしよう」
入口とメデューサとの中間地点あたりの壁。
おそらく、このレンガの壁の先は少し歩けば森だろう。
セローさんは剣の柄を左手で握り、右手を開いて壁に当てる。
ツーンというような高い音がする。
数瞬ののち、手を当てている場所のレンガが粉末状になって少しずつ削れていく。
「20分くらいで通れそうだ」
セローさんは手から目を離さずに、魔法で壁を粉にしながら言う。
「飯でも食っとくか」
「あ、私もお腹すきました」
背負い袋から乾パンをだして齧る。
食べ終わる頃には、大人が屈めば通れるくらいの穴が壁にできていた。
まだ外は薄暗いようで、明かりを点けなければ、誰にも気づかれずに森へと駆け込めそうだ。
「先に荷物を外へ出せ。ジェスタから森へ入る」
外に出るのも、ジェスタさん、私、セローさんの順。
最後のセローさんは、魔法で土を固めて、見た目だけは元通りにしていた。
ふと入口付近を見ると、煌々と灯りが付いている。どうやっても私たちを逃がさないつもりの様だった。
「ずらかるぞ」
そこからはジェスタさんの道案内で、帰りはスムーズに最寄りの村へとたどり着き帰路へと着いた。
帰って、依頼の品3品を受け渡した数日後、私たちは競売場に招待された。
私たちが持って帰った物が売りに出されるらしい。
ちなみに、この前売りに出した香木は100万ゴールド、まではいかなかったものの90万ゴールドで売れたらしい。
(・・・・・・下の階だったら絶対に私浮いてたじゃん)
今日はセローさんもジェスタさんも普段着ではなく、すこしおしゃれな感じの服と髪型になっていた。
私はというと、普段の麻の服のまま。何も言われてなかったし、特になにも準備していなかった。
今いる2階は私のような服の人も少なくないが、1階は特にお金持ちが集まっているらしく、全員が高級そうな感じだ。
広い競売場は1階が入札客、2階が出品客の席になっていた。
「紳士淑女の皆さん、今宵はお集りいただきありがとうございます。さて、さっそくですが・・・・・・」
司会の人が順番に商品を紹介していく。
古びた剣、金に輝く煙管などなど、新旧さまざま。私はセローさんから借りた双眼鏡で品々を見ていた。
何点かが落札されたあと、私たちの持ってきた1品目。
「次はこちら! 雄大なる森の中に佇む湖を描いた絵画、油絵になります。1万ゴールドから!」
(うわ、いきなり1万ゴールドもするの!?)
買いたい人は手を挙げて、現在の金額よりも高い金額で提示する。
手を挙げた早いもの順で金額が上がっていくため、スピード感が大事だ。
セローさんに聞いた限り、貴重で、かつ欲しいものを安く手に入れるのに競売がもっとも一般的な方法らしい。




