石像
「というか、この遺跡はどうなってんだ? なんというか一貫性がねぇな」
ジェスタさんの言う通り、食堂があったと思ったら、すぐ近くに寝室と思われる場所があったりで、とても生活していたとは思えない間取りなのだ。
(時代が違えば文化も違うのかなぁ?)
通常、私たちの感覚では食べる場所と寝る場所は違う場所に分ける。
特に食堂というのは、近くに倉庫などを配置するのが基本だ。
「誰もいない、というのも妙ではあるが。こういう場所は、大体が魔物の住処となっていることが多い」
今のところ何に出くわすでもなく、探索している。
安全なのはいいことだが、セローさんは安全過ぎるのも気になるようだ。
「まあアンデッドはいそうだけどよ。でも、なんの痕跡もねぇんだよな。新しい生活痕もあんまねぇっていうか」
ジェスタさんは特に何もないような部屋を調べていく。
等身大なのだろうか? 見たことのないような魔物と思われる石像も飾られている。
迫真の表情は、まるで生きているような感じもする。
そして次の部屋へと歩を進める。
「お、ここからは誰かいるみてぇだ」
床を調べたジェスタさんが言う。
確かにそこかしこに積もっている埃が無い。
広々とした廊下の先を、ジェスタさんが手鏡で確認してから、私たちを手招きして呼ぶ。
数個の角を曲がったとき、ジェスタさんが手招きをやめ、無言で後ろに戻るよう合図を出してきた。
先からは人の足音のようなものがした気がする。
「どうした?」
安全を確保した場所へと戻って、セローさんが聞く。
「髪の毛がヘビの女がいた、料理でもしてたみてぇだけどよ」
「ああ、道理で。この石像は元は生きていたのか」
セローさんは納得がいったらしいが、ジェスタさんと私はまるで理解できていない。
「その魔物はメデューサという。やつの目を直接見るとこうなる」
トントンと石像を叩きながら言う。
「現状、俺たちは石化を押さえる薬などを持ち合わせていない。もう少し入口付近を探索して出るとしよう」
「無茶はしねぇってことだな。そんで外のやつらは?」
「ここが危険なのを知っているようで入ってくる気はないらしい。外で待ち伏せしているだろうな」
セローさんは札を見ながら答える。なにも変化はないようだ。
「じゃあどうやって外に出るんです? 戦うんですか?」
「もちろん無用な戦闘をする気はない。今回は壁を突破して脱出する」
(壁を突破する?? これレンガの壁だけど?)
私の頭には?が浮かぶ。まさか派手に壊したりしたら、すぐさま魔物が集まってくるだろう。
「とりあえずだな、金目の物を探すとしよう」
再探索すること1時間くらい。
この遺跡の持ち主の紋章だろうか? ジェスタさんがサイドチェストの隠し板の下から、斧と盾の描かれた、手のひら大のプレートを見つけた。
あとは人型の石像の着ていた兜を1つ頂いて計3つ。
絵、プレート、兜の3つを持ち帰る。




