未知の遺跡へ
今回の依頼は競売に出す品をいくつか拾ってきて欲しいというものだった。
競売というのは、その品を欲しい人同士が値段をつけあって、高い値段をつけたほうに売るというものらしい。
やりとりされる品は骨董品などの通常の流通よりも希少価値があるものだとか。
そういう訳で、私たち3人は街から遠く離れた未開拓の遺跡へと向かった。
戦闘地域へかなり近く、人間側が掌握していない地域内。
当然、馬車も遺跡までの道中途中までしか連れて行ってくれない。
「念のため、他のギルドには2週間戻らなかったら捜索に来てくれとは言ってある。が、中の探索は1日までにする」
セローさんが出発前に私たちへとそう言った。
今回の依頼の期限は3週間。それまでに最低3品、希少価値のありそうな物品を探してきて欲しいとのこと。
少し前に香木を売りに出したところ、希少なものを手に入れる腕があると、私たちに依頼が来たのだった。
「3品だろ? 1品はその辺の石ころとか加工してどうにかなんねーの?」
「そんなものは最後の手段だろう。一応、探しに行くアテはある」
「私もジェスタさんの意見に賛成です。そこそこ希少なものでいいんじゃないですか?」
「君もか、レイチェル。まあ本当のところを言うとだな、アテにしている遺跡付近の斥候の依頼もギルドから来ているんだよ」
「それを先に言えよな」
「だから今回のところは全員で遺跡を探索したいと思う」
まず馬車で片道3日の最も近い砦へ、そこから徒歩で1日の計4日の道中だった。
帰りも考えると最低8日かかる計算だ。
馬車で移動し、砦付近へ。そこから遺跡へは徒歩だ。
徒歩の移動はジェスタさんの正確な道案内により、戦闘も一切せずに遺跡の入口へとたどり着いた。
戦闘地域が近いからか周りに人間はおらず、魔物ばかりが蔓延っていた。
「今日は、この入口で1晩過ごす。3交代で休むとしよう。まずは俺が見張りをする」
そう言うとセローさんは焚火の明かりで本を読み始める。
「お前は先と後どっちにすんだ?」
「じゃあ先!」
「だとよセロー、次はこいつ起こしてくれ」
「わかった」
私の見張りは真ん中の番。
いつもの通り、2時間半ずつの見張り時間。
最後の番はすぐ動かなきゃいけないから苦手だ。逆にいえばギリギリまで寝ていられる番が好み。
だから、私はほとんど一番最初の番か2番目にすることにしている。
背負い袋から薄い毛布をだして、体に巻き付けて、袋を枕代わりにして横になる。




