簡単な1つの解決方法
「なんか金になりそうなもんが家にあるってよ。どうする?」
「まあ逃げたりしないだろう。取ってきてもらおう」
そうしてエルフを自由にして、家へとお金になりそうなものを探してきてもらうことになった。
家から私たちの元へと戻ってきたエルフは、びしょ濡れだったが、片手に布の塊を持っていた。
中からは木の枝が出てきた。どういう訳か、木の枝は水中を通ってきたのにカサカサだ。
「これは?」
私にはとてもじゃないけど、お金になりそうなものには見えない。
どこにでもありそうな、なんの変哲もない木の枝だ。
「・・・・・・すごいのが出てきたな」
「これで30年は暮らせんじゃねーか?」
2人には価値がわかるらしい。
「普通の枝に見えますけども・・・・・・?」
「こりゃあな、香木っつっていい香りがする木だ」
「それだけ・・・・・・?」
「いいや、占いなんかにも使う。これはおそらく100年単位で寝かせた木。通常は20年から30年寝かせるものだが・・・・・・ものすごく高価だ。これならおそらく100万ゴールド、いや、もっとするかもしれん」
「はぃい!?」
木の枝が100万ゴールドするなんて信じられなかった。
でも、2人が冗談をいって、私をからかおうとしている感じでもない。
「これを売る、のはなかなか骨が折れるな。いかんせん値段が高くなりすぎる。すぐに現金化は厳しい」
「ならよ、迷惑料を下の村にちょっと払っとけばいいんじゃね? いまのとこ実害ねぇし、金払って待ってもらえんならよくねえか?」
「・・・・・・悪くない案だな。それでいこう」
私たちは、エルフから香木を受け取り、それを現金化し、家を木の上に上げることを約束して、下流の村へと戻った。
村の偉い人へ事情を説明し、10万ゴールドで30日間猶予を貰うことになった。
もちろん、このお金はセローさんが立て替えていた。
「うっし、うまいもんでも食いにいこうぜ。こんな簡単な依頼で50万も貰えるなんてよ」
「へ? なんで50万ゴールドも貰えるんですか!?」
「エルフが余った金の半分は俺たちにくれるってよ」
「なんで!? そもそも売れる金額はわかんないじゃないですか?」
「人間と交流しなければ、あまり金を使う文化がないのかもしれん。エルフには金が不要なんだろう」
(ドラゴンを倒すよりもお金がもらえるなんて・・・・・・)
世の中にはどこにお金になるものが転がっているかわからない。
冒険者はチャンスを逃さないしたたかさも必要だと思った依頼だった。




