夕食と眠れぬ夜
「一応、店の見様見真似で捌いてはみるが・・・・・・あまり期待しないでくれ」
「まだ釣りします?」
「そうだな。もう一匹釣れたら終わりにしよう」
私はもう一回仕掛けに餌の虫をつけて川へと放りこむ。
セローさんは離れていてもわかるほど、ウナギに悪戦苦闘しているのがわかった。
結局、もう一匹20㎝くらいの魚を釣って、セローさんが捌いて終わった。
「今日の夕飯はこれだ」
「おぉ~」
私はパチパチと拍手をする。
普通の川魚が2尾に細かく捌かれたウナギが1尾。
さっきの細長かったウナギは一口大に切ってあるようだ。
それが大きな葉っぱに置かれている。
「火ぃいれればできるぜ」
小屋から少し離れた雑草が生い茂っていた場所。
そこは既にジェスタさんが雑草を刈り、石を組み上げて、薪を組み、料理ができるようにしていた。
「じゃあまた君が火を着けろ」
「はい!」
火をつけてから1時間ほど色々料理をして完成した。
今日の献立は、塩をふった焼き魚が2尾、ウナギの香草スープ、焼いた干し肉、そして焼きウナギだ。あと乾パン。
「うん。うまくできたんじゃないか?」
「そうだな。料理屋と大差ねぇと思う」
スープに調味料を入れて、味見をしながらセローさんはいう。
今日の夕食は良い出来らしい。
「じゃあいただきま~す」
焼き魚を一口、ふっくらとした身でとても美味しい。
まさか森の奥地でこんなおいしいご飯を食べるとは思ってもみなかった。
スープも一口、さらにウナギの身も一口。
「柔らかくて美味しいですね!」
「思ったより良くできた。骨を叩いてよかったようだな」
セローさんもウナギを食べてそう言っている。
「こりゃ前に店で食ったの真似したんか?」
「ああ、ヤプン地方では一般的らしいからな。食べたときに調理法を聞いておいた」
「ほー、やっぱお前すげぇわ」
ジェスタさんは常人の私から見てもありえないくらい器用だ。
そんな人が料理を褒めるというのはどれほどいい腕なのだろう。
あの2人の奥さんになる人は大変だ。毎日彼らを満足させる料理を振舞えないとなれないだろう。
(あつい~)
夜の10時、小屋の中は蒸し暑い。
セローさんもジェスタさんも着替えて、薄いシャツに短パン姿になっていた。
私はというと、2人の前で薄着になるのは抵抗があって、じっとりと汗をかいたまま、ベッドに座っていた。
「流石に着替えたらどうだ? できるだけ見ないようにはするから」
「・・・・・・まだ大丈夫です」
「そうか。・・・・・・ほら、これで足でも冷やしておけ」
セローさんはバケツの水を半分くらいを魔法で凍らせて、そのまま私のベッドの横に置いてくれた。
(ここまでしてもらったらしょうがないかな・・・・・・)




