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19-① 招待状

 ドォンッ

 

 ダンゴムシが長くなったような、巨大な虫型のジャンクとケイトとユウトが戦闘を繰り広げている。


 ユウトはケイトを見て考えていた。

 

(討伐……仕切れないかな……。能力自体は悪くないけど、無駄が多いなぁ。仕方ないけど。討伐自体はあと少しって感じだけど……。……もぉ僕が討伐しちゃおうかな……。)

 

 [グギャギャギャギャ]

 

 ケイトもまた焦っていた。

 

(くっそぉぉ!どの攻撃も自信あったんだけどな!き、効いてない?!いや、そんなことないよな!…………どうすれば……!)

 

 [グギャギャギャギャ]

 

 ジャンクは依然として暴れている。


 その時だった。

 

 バタバタバタ

 

 それはヘリコプターの音。


 とても近い距離から聞こえる。


 全員が上を向いたその時だった。

 

 ババババババッ

 

 ヘリコプターからジャンクに向かっての銃撃。

 

(危ないなぁ……。)ユウト

 

 その銃撃は、ケイトの攻撃によってへしゃげていたジャンクの外骨格を貫き、紫とも緑ともつかないジャンクの体液が飛び散る。

 

 [グギャギャ…………]

 

 ジャンクは倒れ、機能を停止した。


 ヘリコプターは少し離れた地面に着陸する。


 ヘリの側面には天秤のマーク。


 ケイトが呟くように言う。

 

「あれ……。な、何ですか。」

 

 それにユウトが答える。

 

「……バレンシア軍だね。」

 

 ヘリは完全に停止し、中から迷彩柄の軍服を着た人間が3人降りてきてジャンクの倒れている場所。つまりは、ユウトとケイトの方に近づいて来る。

 

「あぁん?!タイヨウカンパニーからの援軍って、こんなヒョロガキかぁ?!こんなジャンク1体に手間取ってる奴なんか、使えやしねぇじゃねぇかぁ!」

 

 大声を出しながら近づいて来るのは、こんがり焼けた肌に、ボディビルダーのような体をした男性。右目がまるで、銃についているスコープのような瞳孔をしているのが特徴的だ。


 隣にいる、細身で、黒髪を七三に纏めた男が、その男性を嗜めている。

 

「ジョーさん。関係性にヒビが入るような事は言わないで下さいね。」

 

 そう言っている男性も、右目がスコープのような瞳孔をしている。


 もう1人は、こんがり焼けた肌に、ミディアムくらいの長さの黒髪を、オールバックで編み込みながら三つ編みのお下げにしている女性だった。

 

 その3人は、ユウトとケイトの前で立ち止まる。


 ボディビルダーのようなガタイのいい男が言う。

 

「ヒョロガキぃ!迎えだ!ヘリに乗りやがれ!」

 

 それを黒髪七三の男が嗜める。

 

「ジョーさん!いい加減にして下さい。……すみません。タイヨウカンパニーからの援軍の方ですね。僕は、リー・タンといいます。横の男性は、ジョー・ベガス、彼女はウー・ミョリといいます。」

 

 リー・タンと名乗った男性の言葉に返すように、ユウトとケイトもそれぞれ名乗って自己紹介を済ます。


 ユウトが彼らに言う。

 

「ヘリでの迎えなんて聞いていませんでしたが、どういうことでしょうか?」

 

 それには、ジョー・ベガスと紹介された男が答える。

 

「あぁ?!テメェら、何の為に来たんだよ?!」

 

「"突如現れた数十体にものぼる大型のジャンクが、バレンシア軍本部に進行。その緊急事態に対する援軍要請"ですよね?」

 

 そう言ったのはマリで、イーネと一緒に車から降りて来て、バレンシア軍3人の背後に立っていた。


 バレンシア軍の3人は、マリとイーネの方を向き、またジョー・ベガスが言う。

 

「あぁ?まーたヒョロガキが増えやがったよ。援軍第一陣なんて、所詮は『僕達盟約関係ですもんねぇ♡勿論仲良くしますよぉ。はい。援軍でぇす♡』って、形だけで、使えねぇ核師の押し付けなんじゃねぇのか?あぁ?!」

 

「…………………………あ?」イーネ

 

 マリとユウトは心底だるそうな顔をしながら、全く同じことを考えていた。

 

((このジョーって人、イーネと相性最悪だ。(ね。))

 

 すると、ジョーの発言をフォローするようにリーが言う。

 

「あああ!もぉ!すみません!!ジョーさん!もぉ……。」

 

 しかし、リーの謝罪も虚しくジョーは畳み掛けるように言う。

 

「それに、そんな古い情報で止まってんのかよ。あぁ?!使えねぇなぁ!」

 

「……古い情報?」

 

 マリの反芻に応えるようにリーが言う。

 

「…………最初に確認したのは確かに数十体でした。ですが今は……。その数は数千にも登っています。」

 

「「「「?!」」」」

 

 リーの言葉に4人の全員が驚く。


 ジョーが言う。

 

「だぁかぁらぁだぁよ!援軍第ニ陣では、そっちの核師、全員引っ張って来て貰わねぇとなぁ!どっちにしろ、全国各地のジャンク出没が止まって暇してんだろーが!」

 

 マリが横目でイーネの表情を確認する。

 

(……うわぁ。能力あったら腕でも切り落としてやんのに。って顔してる……。ベリーが居ないから、耳くらいかな……。)

 

 すると、リーが現状の説明を付け足す。

 

「皆さんも地中からジャンクが出現したのを見ましたかね?そんな風に、この広い荒野の各地でジャンクが地中から出現し、その後はバレンシア軍本部に進行しています。先ほども言いましたが、その数は千にも登り、今なお、数を増やしています。バレンシア軍本部の周囲は高い防護壁で囲まれていて、現在はその壁によって進行を食い止めている状況ですが、いつ決壊してもおかしくありません。また、周囲を無数のジャンクが囲んでいるため、地上から基地に行くのが困難になりました。地下道もあるのですが、なにぶん、そちらは機密情報が多いので、ヘリで迎えにあがったしだいです。」

 

 リーの説明で納得が行く。


 想像以上にバレンシア軍本部は余談を許さない状況らしい。


 リーが、「さっそく、ヘリで本部に向かいましょう。」と言った為、全員が歩き出そうとした時だった。


 マリが自己紹介をしてなかったことに気づいて言葉を出す。

 

「あ。そういえば……名前。」

 

 それに答えたのはジョーだった。

 

「ああ!お前ら2人は知ってるぜ。白髪(はくはつ)に白い眼。ジャンク討伐数100越えのスーパールーキー。幻種のイーネ。……と。ログス殺しの容疑者、マリ・リルベラだぁ。」

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