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25-④ 首輪

 イーネが呟いたその瞬間だった。

 

「あぁ!!!アンカ!リン!イーネ!ベリー!!」

 

 小さな女の子の声が響いた。


 仲間の視線が声の方に向く。


 そこには、黄色い瞳に、黄色い髪を編み込みながら二つ括りのおさげにした女の子。


 その女の子は走り出したかと思えば、イーネの足元に抱きついた。


 女の子が言う。

 

「もぉ!イーネ!ベリー!どこ行ってたの?!すっごく心配したんだよ?!イーネとベリーがいなくなっちゃったから、アンカとリンも居なくなって!ルア1人ですっごく寂しかったんだよ?!!」

 

 するとイーネはしゃがんでルアの視線が合う高さになると、そのままルアを抱きしめた。


 ベリーも近くに寄ってくる。


 イーネが言う。

 

「ごめんな。」

 

「ゆるさなーい!!!」

 

 イーネがルアから離れると、ルアは今度はベリーに抱きついて、ベリーはルアを強く抱きしめている。


 イーネが言う。

 

「よぉ。裏切り者。」

 

 視線の先には、ルアと一緒に姿をあらわし、直前までルアの手を握っていた、団服を着たマリの姿があった。

 

 マリが言う。

 

「あぁ……。うん……。えっと……。」

 

「ええ?!イーネ!あなた達!5人?!5人きょうだいですの?!」ポッツォ

 

『5人"姉妹"なんじゃないの?』ニコ

 

「そういえば、イーネあなたっ!小さい女の子と上手に遊んでましたわね!そーゆーことですの!」ポッツォ

 

「そんなことあったんですか。」ユウト

 

「だからなんだよ……。」イーネ

 

「凄いなマリ!!よくノコノコと顔だせるよね!!!」トラヴィス

 

「マリさんってそーゆー所あると思いますよ。僕もどちらかと言えば、5人きょうだいに先に突っ込みたくなるポッツォさん派です。」ユウト

 

「何なんだよ。その派閥……。」イーネ

 

「じゃあ!俺はノコノコ顔だしたマリ派ってことだ!!」トラヴィス

 

「そーゆーことですね。」ユウト

 

「マリ。あんた、そっち側についたってほんと?」ポッツォ

 

「いや……。こっち側……というか……。」マリ

 

『スパイなんじゃないの?』ニコ

 

「あら。そういえば団服着てるわね。」ポッツォ

 

「目立たないようにって思って着てきたんですが。統一された団服になったんですね。」マリ

 

「もぉ時代遅れだねぇ。」ユウト

 

『目立たないように。なんだ。』ニコ

 

「ナユタに心読んでもらおーぜ!!」トラヴィス

 

「体調悪いとか言って、イージスいなくなった途端に逃げましたよ。あの野郎。」ユウト

 

「マリとね!人生ゲームしたの!」ルア

 

「俺の妹に何かしたのかよ。」イーネ

 

「え?いやぁ……。お風呂入ったり……。ご飯食べたり……。人生ゲームと……。あ。タトラスとお医者さんごっことかしてたよ……?」マリ

 

「めっちゃ平和じゃん!楽しそー!!!」トラヴィス

 

「ルアお医者さんしたのー!アンカー!リンー!」ルア

 

 ルアはベリーの元を離れて、今度はアンカとリンの側に寄っている。

 

「待っててって言ったじゃない。」リン

 

「嫌ぁ。暇なんだもん。」ルア

 

「あ……。あの……。ほんとに……。一緒に待ってただけです……。多分。」マリ

 

「裏切り者にいわれてもねぇ。」ユウト

 

「やめなさいよユウト!まだ決まった訳じゃないんでしょ?!」ポッツォ

 

「んじゃ、敵のアジトでも教えて貰えますかね。マリが言ってたアトランティアのアジトは、まるっぽ無くなってるみたいなんで。」イーネ

 

「いや……。それが……。私も知らない……。いつも、どこからでも帰れる感じだから……。」マリ

 

「帰れるっていっちゃってんじゃん!!!」トラヴィス

 

「あ……。」マリ

 

「向こうがホームってことですね。」ユウト

 

「……寝てる所が向こうだから。つい……。」マリ

 

「裏切り…………なんて瞬間に立ち会えると思ってませんでした……。人生何があるか分かんないですね……!」ケイト

 

「裏切ったつもりは……。」マリ

 

「マリも豚汁美味い定食食いに行く?!」トラヴィス

 

「あ。先に頂いちゃったんで……。」マリ

 

「付き合いわるぅ!!」トラヴィス

 

「距離感バカか?」イーネ

 

 マリに敵意は無く、マリに対する敵意も、誰も持ち合わせていなかった。


 イーネが聞く。


「マリ。そっちで何してんだ。」

 

 マリが答える。

 

「………………分からない。…………ほんと。見てるだけって感じで……。」

 

「あら。なに。ちゃんとスパイ活動してるわけ?」ポッツォ

 

 ポッツォの言葉に返したのイーネだった。

 

「……あいつからしちゃ。そんなことさえどーでもいいんだよ。………………マリ……。お前が何に興味を持とうが勝手だが。お前の見てるそれは……。」

 

「…………。」

 

「虚無を抱えた殺人鬼だぞ。」イーネ

 

「…………。」

 

 マリが答える。

 

「…………でも。それでも。今は見てみたい……かな……。」

 

「……死ぬぞ。」イーネ

 

「………………知らない?死んでいいんだよ。私。」マリ

 

「…………。」

 

 マリが振り返る。


 その先の空間に、マリと等身大の亀裂が走った。


 ルアが言う。

 

「ええ?!マリ、帰っちゃうのー?!もっと遊びたかったぁ!!」

 

「……ごめんね。またあそぼ。」

 

「絶対だよ?!」

 

「うん。……………………みんなも。またね。」

 

 マリが亀裂に足を踏み入れると、そのまま黒い歪みにのまれるようにしてマリの姿は消えた。


 仲間達は、しばらくはマリが消えた空間を眺めていた。

 

「あれ?マリさん。結局何も教えてくれなかったね。」ユウト

 

「まだ教えるような情報をもってないんじゃなくて?」ポッツォ

 

『ってか。敵って、この会社出入りでキルの?いつデも?』ニコ

 

「…………。」

 

 ルアはアンカに抱き抱えられている。


 その後、新たにルアという存在が現れたことに、最も頭を抱えていたのはジーベルだった。


 ―――――――――――

 ユウトがアルバラを抱き抱えていた。アルバラは、何とも嫌そうな顔をしてユウトに言う。

 

『何故貴様なんかと。リンはどうした。』

 

 ユウトは顔色を一つも変えずに答える。

 

「リンはレオラフさんの所のチームでしょ。とっくにトラヴィス先輩の実家に向けて出立してるってさ。僕らはユニット毎にジャンクの調査。調査が済んだ所から第1ユニットが根こそぎ討伐していくんだから、いつかは会えるんじゃない。」

 

『討伐する気なんて無いやつがよく言うな。』

 

「最低でも最初の1、2体は討伐しないと、イージスに顔向けできないでしょ。後はノラリクラリやるんだろうけど。」

 

『人間とは。何とも滑稽だな。』

 

「アルバラも討伐対象なんだから、第1ユニットなんかにいたら討伐されるよ。」

 

『クハハハッ!笑わせる。首輪のついたペット如きに私がやられるとでも?片腹痛いわ。』

 

「ペットのように抱きかかえられてるのはそっちだけどね。」

 

 そんな話しをながら、ユウトは所属ユニットのリーダーであるダリオのもとに来ていた。


 ユウトの姿を確認したダリオが、ユウトに声をかける。

 

「おぉ。Mr.ユウト。僕の念波が届いて駆けつけてくれたようだね。」

 

 それにユウトが返す。

 

「違いますよ。出立する為にリーダーの所に来ただけですね。」

 

 それにダリオは、大根役者ばりの困った顔と身振りをつけて言葉を返す。

 

「それが。だ。どうやら第2ユニットがのっぴきならない事態らしく、君の手を借りたいんだよ。ユウト。」

 

「第2ユニットが?」

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