24-④ 猶予
いつものオープンキッチのカウンターに、ガドを真ん中にして、ララン、タトラス、マリが座っていた。
ライナックスが作る美味しい昼食をとりながら雑談をする。
ライナックスはオープンキッチンの中で、片付けやらの作業をしていた。
ガドはカウンターに項垂れるようにしながら、だらしなく食事をとっている。
話題は、ガドがこれから何をしたいのか。に移っていた。
それにガドが答える。
「宇宙に行きたいんだよぉー……。ちょっと違うか……。違う星に行きたいのぉ……。」
「……。」「……。」
「分かりました。ガド様。ではまず、ロケットを作りましょう。」
ガドの発言にラランは真剣な表情で答える。
(ラランさん。普段結構まともな人なのに、ガドさんが絡むとポンコツなんだよね……。)マリ
ラランの言葉にガドが答える。
「ロケットじゃ行けないんだよねぇ。200億光年くらい離れてるし……。」
「……200億光年……。」マリ
スケールが大きすぎてマリには理解ができなかった。
タトラスが言う。
「何でその星に行きたいんっすか。」
「その星ぶっこわしに行くんだよぉ……。」ガド
今度はマリが聞く。
「何でぶっこわすんですか?」
「ええ?だって、俺、その星に命狙われてるしぃ。怖いじゃん。」ガド
「…………何で命狙われてるんですか……。」マリ
「知らないよぉ。俺が聞きたいー。」ガド
「マリ!ガド様困らせないで!!」ララン
「………………あぁ。うん。ごめん。」マリ
ガドは姿勢を戻して座り直し、行儀良く食べることにしたようだ。
マリがガドに聞く。
「あの時、空から来た目玉の化け物。あれのこと、宇宙人って言ってましたよね?もしかして、その星から来た……。地球外生命体ってことですか?」
それにガドは、何でも無いように答える。
「そーそー。」
「…………………………。」
ガド以外の3人は、一旦考えるのを放棄して、それぞれ昼食を食べ進める。
(……ガドさんって……。冗談とか言うタイプなのかな……。でも……。タトとかラランの様子を見る限り……。……全部の言葉を、そのまま信じたらいいの…………?)マリ
するとガドが話す。
「向こうからこっちに繋げた"道"を何回か利用してやったら、向こうからこっちに渡してくんなくなっちゃって……。こっちから道をつくんないといけないんだけど、それが俺1人じゃ、どーにもなんないんだよねぇ……。」
「え?じゃあガド、その星ってのに行ったことあんの?」
タトラスはガドに対して、敬語とタメ口が混ざって話していた。ガドは何も気止めてないようで話す。
「うんー。まぁ。」
「……………………。」
「……その星ってどんなの何ですか?」マリ
「あ。やっぱりマリ。聞いてくると思った。説明めんどいから、また今度でいいー?」ガド
「え?あ。はい。」マリ
「あんた!ガド様に色々聞きすぎなのよ!!」ララン
「…………ごめん。」マリ
「いやぁ。俺が面倒くさがってるだけだから。また今度話すよ。」ガド
「ガド様が気ーつかってんじゃない!」ララン
「そーゆーのは言わない方がいいんじゃない?」タトラス
「あははっ。」ガド
「…………。」
緊張感なく会話が進む。
ガドが言う。
「そんで、道を繋げるのにアンカ達に協力して欲しいんだだけど……。俺。嫌われてるからなぁ……。」
(……何で呪いなんかかけたんですか。って聞きたいけど……。今はやめとこ……。)マリ
「何で呪いなんかかけたんっすか?」
聞いたのはタトラスだった。
ガドが言葉を返す。
「ええ?俺の過去の過ち掘り起こすのぉ?嫌だぁ。それなら、タトラスは、一回寝た女性はヤった後に殺してたってことも言うよぉー?」
「ゆってんじゃん!!!!!」タトラス
「え。そうなんですか……?」マリ
マリはドン引きしていた。
タトラスが弁明する。
「違う!昔!昔の話しだから!!あの頃は若かったの!!」
「…………ってことは……。本当じゃないですか……。」マリ
「あの晩寝た女の子、どーしたの?って聞かれた後、殺した。って答えるのがカッコいいと思ってたんでしょ?」ガド
マリは更にドン引きする。
「昔ね!!!ってか!!言わなくていいじゃん!!そんなことまで!!何?!とばっちりなんだけど!!もぅ歳くってそーゆーの無いから!!ガチだから!!!マリさん!!」
「いや……。ちょっと……。暫く距離とってもらっていいですか?……。」マリ
「マリさーーん!!!」タトラス
「うるさ。」ララン
話しは逸れてしまったが、マリは思っていた。
(…………ガドさんの中では……。過去の"過ち"って認識…………?)
すると、ガドが話しを戻す。
「嫌われてる人に、どーやったら協力して貰えると思うー?マリー。」
「…………………………え?私ですか?」
何故指名されたか分からないまま、マリは思考を巡らす。
(…………イーネのあの感じ……。絶対に協力なんかしてくれない感じよね……。友好的な関係は築けない……。だとしたら…………。)
マリは少し考えてから答える。
「えぇっと…………。仲間を人質にとる……。とか?……。…………故郷のマーリアスを襲撃する。と、脅しをかける…………とか?…………。」
その回答に対して、ガドとタトラスとラランがドン引いた表情をして、マリから距離をとっていた。
「…………あんた……。ひっどいこと考えるわね……。」ララン
「凄いね。この前まで核師としてタイヨウの所にいたとは思えない卑劣さだ。」ガド
「……そ。そんなマリさんも。……す、素敵だと思います……よ……。」タトラス
「え?……………………。え?!ちょっ!!私が引かれるんですか?!一般的に考えてじゃないですか?…………!」マリ
「「「一般的に考えて…………。」」」
「ええ?!」マリ
「………………仕方ない……。じゃあ、マリの意見を採用して……。」ガド
「仕方ないですね。」ララン
「仕方ない。」タトラス
「待って!!!!ええ?!!!ちがっ!そーゆーのをして欲しいとかじゃないですよ?!!まだイーネ達を裏切るとか!敵になるとか!!そーゆーのじゃないんで!!ただ!!こっち側から考えると!っていうっ?!!」マリ
「"まだ"。だって。」ガド
「"まだ"って言いましたね。」ララン
「マリさん。大丈夫です。俺の隣り。いつでもあけとくんで。」タトラス
「え……。ええ?!!!!」マリ
「はーい。今日はミニミニパンナコッタですよー。」ライナックス
ライナックスが食事が終わる頃を見越して、軽いデザートを皆んなに配る。
雑談はもう少し続いたそうな。




