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red. -能力者が神様に挑む話し-  作者: テオネオ
第二十三話 やっと主人公と敵が揃った編
118/137

23-⑥ 世界を滅ぼせますか

 ブワァッッ

 

 ユキハルの結界は弾けて消えていった。


 ベリーとナズナ。2人の姿を樹木と蔦が覆い、大きな丸い球体となって、畳の床に根を張るようにして固定される。


 更には、その樹木の球体の周囲を、木の根や蔓が茂り、広範囲に渡ってジャングルのように、床や壁、天井までが草木にまみれた。


 中庭からの太陽の光を反射して、葉がキラキラと光っている。


 突然のことに、イーネを除く全員が警戒態勢で、その球体から咄嗟に距離を取った。

 

「な…………何ですか……。これは……。」

 

 そう言い放ったのはレンだった。


 イーネはゆっくりと立ち上がって言う。

 

「あー。やっぱな。これになったか。」

 

「……どういう意味?」ユウト

 

「"生命の繭"。ベリーの技の中でも破茶滅茶なくらい治癒効果のある力だよ。何を治療するのかにもよるが、ベリーの見立てじゃ1日か2日はかかる。こいつの欠点は、防御能力が皆無な所だ。治療が終わるまで動かすこともできねぇ。万が一にも、敵から何かしらの攻撃を受けたら、中の2人は確実に死ぬ。」

 

「攻撃、防御、回避すらも捨てた治癒特化技って感じ?」ユウト

 

「ま。そうだな。だから一応、見張りを立てる。アンカやユキハルのレベルの奴なら1人。それ以外の奴なら2人体制だ。……ま。前もって軽くは説明してたろ。……プラン通りってことだよ。」

 

 全員が警戒態勢を解いて、樹木の球体に目をやる。


 口を開いたのはユキハルだった。

 

「では。最初の見張りは私だ。レン。そいつらを案内してやれ。」

 

「……かしこまりました。」

 

 レンについて、イーネとユウトはユキハルを残して部屋を後にした。


 ――――――――

 テンジョウ家の長い廊下をレンを先頭にしてイーネとユウトが続く。


 ユウトがレンに聞く。

 

「他の家の人に、ナズナさんのこと。話さないの?」

 

 レンは廊下を進みながら、振り返らずに答えた。

 

「ユキハル様はお話しする気があるようですが、ナズナ母さんが……。まだ、踏ん切りがつかないようで。でも……。いつかは話すと思いますよ。」

 

「そっか。」ユウト

 

 今度はレンの方から、イーネとユウトに声をかけた。

 

「みなさん、一つの部屋に集まって貰ってますよ。それと、テンジョウ家の核師にも、イーネから聞いたことは通達して、こちらはこちらで"修行"に入ります。…………僕達も"ハーネス"と"ホープ"の対象者ですからね……。」

 

「そーかよ。」イーネ

 

 まだ廊下は続いている。


 ユウトが口を開く。

 

「疑問なんだけどさ。ナズナさんのことをユキハルパパに頼んだのはタイヨウでしょ?なんで、ユキハルパパが立場弱いみたいな話しになってたの?」

 

「…………パパって……。面白がってますよね……。ユウトさん。」レン

 

「ま。そこは惚れた弱みだろ。タイヨウからしたら、ラッキーだったろうなぁ。」イーネ

 

「パパがママのことを?」ユウト

 

「………………パパとママって……やめてもらえません……?」レン

 

 レンの言葉は無視されてイーネが言う。

 

「お前。気づかねぇのかよ。」

 

「なにが?」ユウト

 

「ユウト。お前がアルバラを逃してから、ユキハルの術はマシロの協力のもと完成したんだ。」イーネ

 

「うん。」ユウト

 

「目の前の、お前の弟は何なんだよ。」イーネ

 

「…………………………あ。マリアで出来た子じゃない。純粋な性交渉。あ。ごめん。間違えた。愛か。」ユウト

 

「わざとですよね?!!」レン

 

 そんな事を話していたら、目的としていた部屋の前についたようだった。「つきましたよ?!」なんてレンが半分怒りながら襖を開ける。


 中はテンジョウ家にしては珍しい、洋風の要素もある大きな客間。長いローテーブルの周りを高級そうなソファが並んでいる。

 

「お。来たな。」

 

 アンカが言ったのをかわきりに、それぞれが喋りだす。

 

「い、いいいイーネさんっ!ちちちちちわっす!!」ケイト

「イーネ!貴方も女の子なの?!ちょっと訳わかんない話し聞いたんだけ……。」ポッツォ

『遅いよー。まちくたビれた。』ニコ

 

 来客用のソファに、アンカ、ニコ、ポッツォ、ケイトが座っていた。


 レンは案内が済めば退席するようで、イーネとユウトが合流してソファに腰掛ける。


 一旦落ち着いた所で、ユウトがイーネに言う。

 

「でさ。女の子のイーネ見てみたいんだけど。」

 

 そう言った瞬間に、また部屋の中が賑やかになる。

 

『見てみたーイ。マリだけずるーい。』ニコ

「それ!その話し!何度聞いても分かんないですわ!!それよりちょっと!私も見たいんだけどっ!!」ポッツォ

「ままままま!まって下さいっす!!ちょちょちょ!まだ!!まだ心の準備がっ!!!」ケイト

「ほらー。早くぅ。」ユウト


 「ふざっっっけんなっ。見せもんじゃねーんだよ!!…………っつか!馬鹿話ししてねぇで!時間ねぇっつってんだろ!!」イーネ

 

 イーネはキレながら、勢いよくテーブルに無色で六角形の石を叩きつけた。


 イーネが言う。


「俺らに首輪がつく2日後。それまでに確実に。お前らにはクリアしてもらうからな。」

 

 全員が、少し真剣な顔をして静かになった。


 イーネが続ける。

 

色色灯(しきしょくとう)を点けろ。ハーネスへの対抗策は、それしかねぇ。」

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