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ホーボー・ホーボー魔導具を巡る冒険  作者: アトアン・グリューゼン


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第九十五話 地底湖へ

「どうぞ、この先の地底湖へいらっしゃい……とても面白いものが見られるわ……信用できないかもしれないけど、わたくしは貴方達に危害を加えるつもりはないわ、貴方達とっても面白そうだもの」


 魔女エシャールはそう告げると坑道の深い闇の中に消えていく。


「……うっ……」


 気を失っていたゴブリンの女ヴィルジニーが目を覚まし起き上がる。


「大丈夫か、ヴィルジニー?」


 アンリが声をかける。


「……もう平気よ……まだ戦える、ハイディさんありがとう」


 ヴィルジニーが服の汚れを払い、髪を整える。


「この先で何が起こるかわからん……くれぐれも無茶はしないでくれ」


 ハイディが応える。


「ねぇ、アンリ、これからどうするの?奥へ進んで魔術師協会から頼まれた坑道の調査を続ける?わたしはまだまだ暴れたりないけど」


 ルーネがアンリに問いかける。


「ああ、もちろん、結構な報酬を約束してもらったしな」


「この額の報酬は見逃せないわね!」


 ヴィルジニーが応える。


「わかったわ、レダさんは?」


「問題ないわ……行きましょう」


 アルラウネの騎士レダが闇の先をじっと見つめる。


 ……アンリ達がを奥へと進むと坑道の雰囲気が変わり、無数の納骨堂が広がってる地下墓地にたどり着いた。


「ここはエルフの古代帝国の時代に中央教会の信徒が隠れ住んで修行していた場所だった、そこを古マリエスブール王国の時代に墓所に作り替えたのものらしい」


 ハイディが魔術で強い光源を放ち周囲の様子をうかがう。


「へぇ……相当古いんだな」 


 アンリ達が地下墓所をさまよっていると石棺のある部屋にたどり着いた。


「なんだかここは様子が違うな……この部屋、妙な気配を感じる」


 ハイディが部屋を見渡す。複数の蓋のない棺の中に朽ちた人骨が収められていた。


「オレにはよくわからん」


 アンリはルーネとレダとヴィルジニーに目を向けるが彼女達も特別な気配を感じてはいないようだった。


「うーん、妙に引っかかるが……アンリ、罠が設置されている様子はなさそうだぞ」


「わかった……気脈がある地底湖はこの先か……」


 アンリ達は地下墓地を通過し、気脈の集う地底湖にたどり着いた。


「光が見える……」


 縦穴洞窟になった地底湖に太陽光のカーテンが降り注いでいる。地上から地底湖へはかなりの高さがあるようだ。


「!誰かいる……」


 清浄な地底湖の中心に古びた祭壇が建てられ、蓋の閉じた白い石棺が安置されていた。その石棺に見覚えのない長身の美女が腰掛けている……祭壇の傍らには衣服の乱れた黒髪の女魔術師が倒れている。


「遅かったね……アンリ君」


 美女がアンリに語り掛ける。


「オレの名前を知ってるのか?アンタの顔に見覚えはないな」


「当然さ……」

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