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機械仕掛けの白昼夢  作者: 乃月
【一章】霧の伽藍
12/36

3:気の乗らない執行官

最近忙しすぎて投稿が遅れました!m(_ _)m

初任務。 

仕事は仕事だ、しかしなんでも"初"をつければ心躍るものになる。

これは俺の持論だ。

が、そんな俺の持論も覆される時が来たようだ。


「さっきも言ったけど……顔色悪いよ…?大丈夫……?」


と、いつぞやのように俺の顔を覗き込むようにして尋ねる茉李。


「顔色が悪いって……そりゃあ、初任務の場所が場所だからさ」


という自分の言葉を聞くと同時に、茉李がかなり気まずそうな顔をしてこの話題を切り出した事を思い出し、そういう事か……、と納得する。


「ねぇ、そういえば逢った時から思ってたんだけどね……」


と、茉李。

もちろん俺はドキッとする。当たり前だろ、そんなの。

というか、これはアレなのだろうか。期待しちゃってもいいんだろうか。

このままゴールインしても良いのだろうか。と、期待に胸を膨らます。


「女の子にモテそうよね彗って。なんか整ってる感じだし」

「え、あ、そう…?」


おれ?普通に褒められた、と拍子抜けする。

確かに、中高と俺に告白する女子もかなりの数居た。

が、なんだか中高で告白してきた女子達の言葉を全部ひっくるめて天秤にかけても、今の言葉のほうが嬉しい。


「結構告白とかされたんじゃない?もしかして付き合ってたりとかした?」


と、何やら楽しそうに尋ねてくる。

やっぱり女の子は皆、その手の話が好きなんだろうか。と、考えに耽る。


「何度か。全部断ったけど」

「え!?なんで!!」


と、驚きを隠せない茉李。そんなに驚く事だろうか。


「おしまい!この話は終わり!ちゃちゃっと任務を終わらせて、その後は…………」

「どうするの?」

「…………」


言葉が詰まる。

その後何をするのだろうか俺は。

下心とその他の感情ーー凡そ全て下心だがーーが頭の中で渦巻き始める。


「ねぇ、ねぇってば。もしもーし。だめね、聞こえてないみたい」

「あ、いや。聞こえてるよ!?ちょっと考え事をさ…」


と、苦し紛れの言い訳。

本当は考え事なんて何もしていなかった。というより頭の中が期待で詰まっていた。ただそれだけなのだ。


「とにかく!行こう!その……」

「霧の伽藍!」

「それに!!」


と、無理に話を切り上げ、初任務の地ーー霧の伽藍へと、気の乗らない足を向ける。

差し込む太陽は何時の間にか俺の真上に鎮座していた。





ガタンゴトンと音を立てる電車はいつ無くなったのか。

そんな事をふと、考えさせる車内。進行方向を向いた幾つもの席が無機質に、それでいてどこか気怠そうにしている。

窓から差し込む西日。その西日を受けた少女まりの寝顔は何とも言えない魅力、ある種の魔力のようなものを持っていた。

その魔力に魅せられた少年おれはただじっと少女まりの横顔を凝視し続けていた。




「…………ぃ。………すぃ………。ねぇ、彗ってば!彗ってば起きて!」

「ん………?あ、あぁ……起きる……ちょっと待って……」


そう言って季節外れの毛布を押しのける。

毛布を相手にするにしては随分と込めすぎた力は、どこへ逃げるでもなく、全て毛布に注がれ、勢い良く俺の足方向に吹き飛ぶ。

半開きの目には朝の新鮮な日差し。漂うのは鼻腔をくすぐる甘い香り。


「ふぁ………あっと…。……………………俺は何を…?」


欠伸をし終わらないうちにふっ、と湧いて出た疑問をそのまま口にする。

すると、その問いに答えるように茉李がわざとらしく咳き込む。

それに反応して、俺は音の発生源ーー茉李の方を見る。


「もう、全然起きないんだから。びっくりしちゃったよ」


と、不満げに頬を膨らます。


「ご、ごめん……、えっと、何してた俺?」


そんな俺の問いの意味が分からなかったのか、一瞬茉李の動きが止まる。が、すぐに元に戻り、そしてやはりまた不満げに口を尖らせる。


「本当に覚えてないの……?」

「あぁ、全く。断片すらもない」

「はぁ………」


と、全力の嘆息をすると同時に頭を抱えるようにして悩む茉李。

そして、それに見合うだけの何かをしでかしたらしい俺。

部屋にいる二人の事を第三者が見たら一体どのような事を思うのだろう。

そんなことをとりとめもなく考えていると、悩みから脱したらしく事の顛末を話し始める態度になっていた。


「どこまで覚えてる?執行機関を出たところとかは?」

「あぁ、その辺までかな……」


と、殆ど残っていない記憶の断片を無理矢理捻り出しながら答える。


「あの後ねーーーーーー」


柔らかに話し始めた茉李の声を聞く。

話が進むごとに段々とピンぼけした写真が鮮明になっていったーーーーー




ーーーー真上に鎮座した太陽は燦燦と任務に向かう俺と茉李に日光を浴びせ続ける。


「よっしゃ!行こう!霧の伽藍とやらに!!」


大きな動きをすることで恐怖を紛らわそうとしている俺の後ろから美しい声が飛んでくる。


「あ、待って。まだ魔術について全然説明してないでしょ…?」

「え?あぁ、そうだけど……歩きながらじゃ……」

「だめ!!!」


まだ提案が出される前にそれを即却下する茉李。その瞳はーーーーーーーーー本気だ。


「あ、えっとね……。話が長くなるから……」


と言って近くにあるレストランを指差す。

そうか、もうそんな時間か……。と空を見上げながら思う。


「立ち話もなんだし、あそこに行く?」

「そうね!そうしましょう!!!!!!」


いつになく元気に返ってきた答えだった。



レストランは2階建ての広びろとしたものだった。

昼食時というのもあってそれなりに混んでいたが、それでもまだ容量不足になる程ではなく、二人ということもあって二分と待たずに入ることができた。


「こちらのお席へどうぞ」

「あ、どうも」


と、軽く社交辞令を交わした後、持ち場へと戻っていくメイドのような服をした女性従業員。

そんな、現代の人間事情を縮図にしたような対応をされて苦笑いをしていると、


「ねぇ、見てこれ!すごく美味しそうじゃない?」


そう言ってくる茉李はまるで初めてレストランに来た子供のようなはしゃぎようだ。


「普通なら俺が奢るとこなんだけど、よくよく考えたら今無一文だわ」


さらりと、おごりは無理であるのと同時にできれば奢っていただきたい。と言う要求を言葉にのせる。


「今回は私の奢り!半ば強制的に連れて来たみたいな感じだしね」

「あざす。この恩は一生忘れません………。さてメニューメニューっと…」


そう言って俺はメニュー………正確には液晶パネルに映し出されたメニュー……に目を通す。

まぁ、そんなに腹が減っているわけでもないし、元々たくさん食べる方でもないので、無難にハンバーグ定食に決める。

目の前にいる茉李はーーーーーー目を回していた。


「ね、ねぇ……これとこれとこれとこれとこれとこれ………どれがいいと思う……?」


幾つかの品物を指差して、俺に同意を求めてくる。


「んじゃ、これ」


と選んだのは、当店一番人気!!!と大きな文字と目立つフォントで装飾されているペスカトーレ。その選択に茉李も満足げに頷く。

二人の食べ物が決まったところでメニューにある品物のボタンを押す。

すると、ご注文ありがとうございました。という黄色の文字が浮かび上がってくる。なんとも目に優しくない仕様だ。と愚痴っていると、


「あ、本題に入るのを忘れちゃうところだった。色々と話す事があるんだよね…」

「例えば魔術についてとか?」

「それが殆どだけどね」


メニューの電源を落とす。話が始まる合図だ。


「ねぇ、魔術って何だと思う…?」

「そりゃあなんか非科学的なやつだろ?火が突然出てきたり、周りが凍ったりとかさ…」

「そうね、その認識は間違ってない。けど、けして無から有を創り出してる訳じゃないの」


そう言ってどこから持ってきたのか、小さな手帳のような物をテーブルに広げる。


「まず、人の体の中には魔力回路っていうのがあるの。これは魔術師であるか無いかに関わらずにね。そしてこの魔力回路に通っているのが魔力。普通の人はこの魔力っていうのがとっても微弱なの、だから魔術も使えないの。ここまではわかる?」


そう言いながら何かを手帳に描き込む。

俺は、うん。とだけ返事をしその続きを促す。


「そして、その魔力にも幾つか種類があってね……」


と言い終わると同時に、手帳を見せてくる。そこには絵が描かれていた。


「一つ目は火。全ての根源とも呼ばれる火は、最も多くの人が持っている魔力。二つ目が水。水は派生して氷も使えるの……勿論私も……」


と、申し訳なさそうに話す茉李。そんな事もあったな、と今更思い出す。


「いいよ、全然気にしてないし」


と、軽くフォローを入れる。すると、一気に顔色が良くなる。


「うぅ……。ありがとね。は、話を戻すけど……、三つ目が風。空気の流れを操る……のは言うまでもないよね……。

四つ目は土。防御系統の魔法が多いかな……。これで普通の属性は終わりなんだけど、もう一つあってね。

それが……雷。これに関してはまだ資料が不足していて、どんなのか詳しくは分からないの……。」


と、種類の話が終わったであろう時に、俺のハンバーグ定食を持った先ほどと同じ店員が作り笑顔をくっつけてやってくる。

作りたてのハンバーグの発する独特の香りが脳内にまで達する。


「気にしないで続けていいよ、茉李のが来るまで待ってるから」

「そ、そう…?じゃあ、続けるけど…。

とりあえずこれが魔力の種類。それでこれからする話はちょっと特殊な魔術の話なんだけど…………、血印魔術っていってね。一人一つまでって決まった魔術の事なの」

「なんだか魔術じゃない感じたけど……」

「魔術っていうのは自分の魔力を形にする事を言うの。一人一つって言うのはみんなの魔力がそれぞれ違うからって言う事!!!!………らしい」


なるほどな、どこかでみんなが違うことを詠った詩があった、と思い出す。


「ええっと……後何か話すこと………。無いかな……。うん、多分大丈夫!」


いや一体何が大丈夫なんだよ!?と突っ込もうとした矢先、茉李の注文したペスカトーレがやってくる。それを爛々と輝いた瞳で見つめる茉李。

まぁ、とりあえず話はいいや。と諦め俺もハンバーグ定食を食べ始める。

ほんの少し冷めたハンバーグは熱かった頃の名残があり、猫舌の俺にはちょうどいいおんどだった。


向かいの席でペスカトーレを頬張る茉李を見て、気の乗らない執行官はわずかにニコッと笑った。




「ーーーーどう思いだした…?」

「あぁ、完全に、だけど……なんで俺は寝てたんだ…?」

「その後、急に倒れたの。家の近くだったからすぐに運び込んで回復魔術も幾つか試したけど、効いていない感じで、すごく焦ったんだから!」


頬をぷっくり膨らませ、プンプンと起こる。


「ご、ごめ……」

「でも、」


謝罪に重なるように、きっと敢えてそうしたのであろうが、少女の声が聞こえる。



「無事で良かった……」


静かに、気の乗らない執行官は決意を固めた。

進路とか進路とかゲームとかで投稿が遅れてしまいすいません!

そろそろテスト期間なので、今月中は投稿が遅めになると思います。。。。。



ごめんなさいm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m

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