愛しい人との再会。6
アレクはエイリッヒと簡易的ではあるが、貿易に関する締結書を交わす。
「……これでいいか?」
「ああ、交渉成立だ。それと彼女も置いていってくれると完璧なんだが」
「あっ……」
肩をぐっと掴んでエイリッヒの視線からアリシアを庇うと、アレクは眉間にしわを寄せてエイリッヒを睨む。
「絶対にダメだ! アリシアは俺の婚約者だ。誰にも渡さない! 奪い取ると言うなら戦争をしても構わない!」
エイリッヒから私を奪い取ると優しく肩を抱いた。
私が顔を赤らめながらアレクの顔を見上げると、アレクも優しい瞳で私を見下ろしている。
「今回は引くとしよう。だが、僕は諦めませんよ? アリシア嬢。また、会う時にはしっかりとエスコートして見せますから楽しみにしていて下さいね」
エイリッヒは立ち上がると私の手を掴み手の甲にキスをした。
「なっ! 貴様!」
「アレク……落ち着いて」
アレクがエイリッヒに怒りを露わにしているが、私はそれを手で制した。
「それでは、またいつでも遊びに来てください。今度はちゃんと観光案内しますので」
そう言ってエイリッヒは部屋から出て行った。
私は少し寂しそうに去っていくエイリッヒの背中を静かに見送った。
私達は街を出て近くの森に待機させていたドラゴンの背に乗ると、そのままアイスディア王国を後にした。
夜空を飛んでいると星が降ってきそうで私は無意識に両手を伸ばす。
「星に手が届きそう……まるで夢見たいねアレク……」
「アリシア……俺には星なんかよりも君が最も美しい。俺の瞳には君しか見えない……君が俺の隣にいるのが嬉しい」
アレクはそう言うと、後ろから私を強く抱きしめる。
その温もりを感じて私も嬉しくなる。
「アレク……私もよ……ずっと会いたかったわ……アレク」
「俺もだ……もう二度と君を離さない」
互いに愛を確かめ合うように抱き合う。
私達はドラゴンの背中で体を抱き合いながら唇を重ね合わせる。
「はぁ~、アニキも姉ちゃんも、ここにオレも居るって事忘れてるだろ……お熱いことで何よりですね……」
それをライルは呆れながらため息を漏らしていた。




