愛しい人との再会。5
互いの話を聞いても食料を輸出すればいいと考えるアレクに対して、エイリッヒは雪に覆われたこの地を変えたいという想いが強いのだろう。
「なら、私がたまにこっちに来て魔法を行使するというのはどうかしら?」
「それなら言うことはないですね」
「それはダメだ! アリシアは俺の婚約者だ。もしもこの男にアリシアが流されたらどうする! 絶対にダメだ!」
アレクは珍しく動揺したように叫ぶ。
私は普段はこちらがドギマギさせられているので、動揺しているアレクを見てクスッと笑ってしまった。
「なっ、なぜ笑うんだ……アリシア」
「ううん……動揺してるアレクの顔を見て……かわいいなって思って」
「なにをっ! 揶揄うな!」
そう言ってムスッとそっぽを向いて不機嫌になるアレクに、私は再びクスッと笑んだ。
「でも、私はエイリッヒ様の国もアレクの国も両方豊かになってほしい……人々が笑顔で暮らせる世界にしたいから」
「フッ……君にガイアの加護が現れた理由が分かった気がする……いいだろう! アリシアの気持ちを尊重する! そんな君だから俺も惚れたんだ」
アレクはそう言って笑うと、私の顔を優しい瞳で愛おしそうに見つめる。
私もそんなアレクを愛おしそうに見つめ返した。
「感謝する……アリシア嬢。君は本当に素敵な女性だ。やはり、僕の花嫁になって欲しい」
エイリッヒがそう言うと、アレクが私を抱き寄せて言い返した。
「ダメに決まっている! これは俺の女だ! 誰にも渡すつもりはない。残念だが諦めろ!」
アレクに抱き寄せられて嬉しそうにしている私の事を見てエイリッヒは残念そうな顔をする。
「それでさっきの話だが、アリシア嬢が定期的に我が国に来てくれる他に……こちらは武器や装飾品を輸出するから、そちらからは食料などを輸入するということでいいんだったね」
「ちょっと待て……なにか要求が増えてるぞ……」
微笑むエイリッヒにアレクはため息を漏らす。
「いいじゃない? ねっ、アレク?」
だが、それに私は微笑んでそう言った。
そんな私にアレクは諦めたように首を縦に振った。




