13話 帰って来てからアレクがおかしい。
ドラゴンの背に乗っていた私はアポロノーゼス帝国の街並みが見えて、嬉しさのあまり身を乗り出して指差す。
「見て! アレク。街が見えて来たわ! やっと帰って来れたのね!」
私はもう一生帰れることはないと思っていたからか、街が見えた途端に瞳から無意識のうちに涙が溢れ出していた。
「……泣いてるのか? アリシア」
「ええ、もう帰って来れないかと思っていたから……帰って来れたことが嬉しくて……」
アレクはそんな私の背中から優しく抱きしめながら耳元でささやくように言った。
「……バカだな。俺がアリシアを助けに行かないはずがないだろう? 毎日、君の事だけを考えていた……アリシア」
「アレク……んっ!」
私はアレクに抱きしめられながら唇と唇を重ね合わせた。
城の庭園に降りると私は屋敷に帰る。
久しぶりに帰ってきた屋敷は懐かしいような初めて来たみたいな、変な感覚を覚えた。
「アリシア!」
「お母様!」
私と同じ金髪に紫色の女性が走って来て、私もお母様と抱き合った。
そこに茶色い髪に青い瞳の男性が側にやってきた。
「アリシア。心配したぞ、体は大丈夫か?」
「はい! お父様もお元気そうでなによりですわ!」
私はお父様に嬉しそうに飛びついた。
「あははっ! アリシア。私の大切な娘……本当に無事で良かった」
お父様は私を抱きしめながら噛み締めるように言った。
その後、私は皇帝とお義母様とフランに会って無事な姿を見せた。
謁見の間の金色の玉座にこのアポロノーゼスの皇帝であるグラン・ノーゼスが座っている前で私が畏まって頭を下げる。
「皇帝陛下。只今帰りました……この度はご迷惑をお掛けしてしまって申し訳ありません……」
「いや、アリシア。こちらこそ警護が不十分で危険な目に合わせた……すまなかったな」
「陛下……私如きに勿体ないお言葉でございます」
私は優しく声を掛けてくれた皇帝陛下に深々と頭を下げた。
そんな私に今度は妃であるお義母様が声を掛けた。
「アリシアちゃん。これからはこんな事がないように最善を尽くすわ。でも、無事に帰って来てくれてよかった……アレクの婚約者である貴女はもう私の娘でもあるのですから……」
「……お義母様」
私はその言葉に思わず目頭が熱くなる。
すると、フランが泣きながら走って来てそのまま私に抱きついた。




