雪国の王子様の過去。6
ドアを開けて、その先を確認すると中には更に長い廊下が続いていた。
「……行くぞ、エレン」
「ああ、ロウ。気を付けろよ……」
ロウは刀を抜き、エイリッヒは腰の剣の柄を握って警戒しながら廊下を進む。
その先には外に繋がっていて、雪に囲まれた大きな木の周りに数人のローブを羽織った人間が話し合っていた。
「あれはなんだ? 一体何を話している?」
「ここからじゃ分からない。だけど、あれは良くない話をしているのは確かだ……」
ローブの隙間からチラチラと見える剣を見てエイリッヒは、彼等が良からぬことを企んでいると直感的に感じ取っていた。
ロウとエイリッヒがもう少し近づいて林の隅に隠れると、彼等の話が聞こえてきた。
「首尾はどうだ?」
「ああ、あの国はちょろいぜ! すぐに城の中まで入り込めた! 後数時間もすれば……ボンッ! 城も国も木っ端微塵だ。後は城壁を俺達が内部から開いて待機させた軍の兵士を突入させるだけ……だが、驚きだぜ! この国はお前の祖国だろ? 本当にいいのか?」
「いいんだ……こんな雪しかない国。滅んだ方が皆も幸せだろう」
男達はそう話していると、それを聞いていたロウが怒りで拳を握り締めながら我慢できずに茂みから飛び出した。
「ゆるせねぇー!! ゆるせねぇーぞ!! お前らぁぁああああああああああああああああああっ!!」
男達はロウを見るなり、剣を抜いて構える。
ロウも剣を抜いて叫ぶ。
「エレン! 援護してくれ! あいつらを絶対に逃がすな!!」
ロウはそう叫ぶと武器を構えている男達に向かって走り出し、エイリッヒも剣を抜いてロウを追って走り出した。
そしてロウが男に斬りかかると、同時にエイリッヒが他の男達に剣を向けてけん制する。
「くたばれ! 賊共!!」
「ぎゃああああああああっ!!」
ロウに斬られて一人が倒れ込むと、残りの二人の男達が一斉にエイリッヒとロウに斬り掛かる。
二人はそれぞれ攻撃をかわしながら応戦するが、男達の方が人数も多いのもあり奇襲で倒した一人以外は倒せなかった。
敵の技量も高く明らかに正規な訓練を受けているようで、只者ではない雰囲気を醸し出している。
まだ子供のロウとエイリッヒでは明らかに部が悪い相手だ。
「ハハッ! ガキに俺達が負けるわけあるかよ!」
「……な、なんだとっ!? なら、これならどうだ!!」
ロウは剣を地面に突き刺すと、ロウは声を張り上げて叫ぶ。
「はあああああああああああああっ!!」
彼の全身からオーラが湧き上がり彼の姿が白銀の毛並みの狼の姿に変わった。




