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雪国の王子様の過去。5

 街で遊んだり、街の外の森に小型の魔物を狩に行ったりして剣や弓の技術を磨いた。


 それから数年が過ぎたある日、エイリッヒとロウはいつものように街で会っていると、マントを被った怪しげな男が路地を進んで行く。


 エイリッヒもロウも街にいる人間は全て頭の中に記憶していたが、その男はマントを頭から被っているが、微かに見えた頬に傷のあるその顔には見覚えがない。


「おい。エレン……あいつ、見たことあるか?」

「いや……頬に傷があったけど、この街にあんな人間はいなかったはずだ。ロウどうする?」

「……とりあえず。後をつけよう、他所から来た人間なら良からぬことを企んでないか探らないといけない」


 エイリッヒとロウは互いに顔を見合わせると、怪しい男を尾行し始めた。


 尾行すると男は周囲を気にしながら路地に入って行った。


 だが、そこは行き止まりだ。エイリッヒとロウは急いで男の後を追うが、そこにはもう男の姿はなかった。


「ここは行き止まりだ。どこにも行きようがない!」

「……エレン。俺に任せろ」


 ロウはそう言って親指を立てると白銀の狼の姿へと変わった。


 地面の臭いを嗅ぐとロウは壁のところで止まった。


「ここから風の臭いがする。隠し通路があるのかもしれない」


 ロウがそういうと、エイリッヒは壁を手で叩いてみる。


 すると、確かに空洞があるようで音が反響して返ってきた。


 エイリッヒは両手で壁を押すと壁が動いて地下に繋がる階段が現れた。


「こんな場所に隠し通路があるなんて……」

「臭いはこの先に続いている……行くぞ!」


 そう言ってロウは人間の姿に戻ると、そのまま階段を降りて行った。


 エイリッヒは慌ててロウの後を追う。


 長い階段を降り切ると、そこには石造りの小さな部屋があり、壁にはランプがいくつか備え付けてあり、床には大きな魔法陣があった。


 その奥の扉には錠前が付いていたが、そこから先は風の音が聞こえて来る。


「あの扉の向こうに通じている道があるな……開けてみようエレン!」

「ロウ、これ以上は危険だ……なにか嫌な予感がする」

「なんだ? エレン。ビビってるのか?」


 ロウがエイリッヒの顔を見てニヤリと笑う。


「わ、分かった! 行くよ! 行けばいいんだろ! それじゃあ、一緒に開けるぞ!」


 ロウとエイリッヒは同時に錠前に手をかけて引くとガチャンッと音がして錠前が外れる。

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