誘拐された先は雪国。5
エイリッヒが去った後、しばらくして使用人が食事を運んできた。
長い金髪に紫色の綺麗な瞳を持ったメイド服を着た私と同じくらいの年齢の少女だった。
「エイリッヒ様からアリシア様のお世話をするように言われて参りました。ソフィアです。何かありましたら、なんなりとご命令下さい」
「ええ、よろしくお願いしますわ! ソフィア」
「はい。アリシア様……」
私はソフィアに向かってにっこりと微笑む。
ソフィアは微かに微笑み深く頷いた。
どことなく、雰囲気はフランに近いかもしれない。フランもソフィアも感情をあまり表すタイプではない。
私はソフィアが持ってきてくれた食事を取ると、小さなため息を漏らす。
「はぁ~」
(……フランちゃんやアレクと食事をしてた時から、一人で食事するのはなんだか味気ないわね……)
目の前の食事を口に運びながら、私がそんなことを考えていると、隣にいたソフィアが話しかけてきた。
「……アリシア様。どうかなさいましたか?」
「いえ、ただ……なんだか、一人で食事するのが味気ないと思っただけですわ……」
私はそう言って食事を残すと、席を立った。
窓際の椅子に腰を下ろして雪の降る外を見つめる。
(アレク……あなたは今、なにをしているの? 会いたい……アレク。私はあなたに会いたい……)
アレクの顔を胸の奥で思い出しながら目尻から一筋の涙が溢れた。
窓の外では相変わらず雪が静かに降り続いていて、城の庭園の木々や草花を白く染め上げている。
「アリシア様。窓の近くは冷えます……暖炉の前にいらして下さい」
「いえ、私はこちらでいいですわ……外を見たい気分なの……」
私は外を眺めながらソフィアに言った。
そこに紅茶を用意して私の所に歩いてきた。
「ならせめて、紅茶をお飲み下さい。体が温まりますから……」
「ええ、いただきますわ」
私はソフィアから紅茶を注がれたカップを受け取ってゆっくりと紅茶を飲む。
私はソフィアが淹れた紅茶を一口飲むと、ほのかに香る茶葉の香りに少しだけ気持ちが和らいだ。
私は紅茶を飲み終えると私は布団に入って眠りに就く。




