何かの間違いでは・・・
「勇者殿。貴方を逮捕します。」
魔王を破り、王国に平和をもたらした勇者が逮捕された。
「何故?俺が逮捕されるのか?罪状を教えてくれ!」
俺は、牢内から王に届けと叫び続けた。
魔王を倒した勇者は、近代日本に大きく遅れをとる異世界を、自分が暮らしやすい様に、記憶を元に、多くの便利品を生み出してきた。
それは、【調味料】に始まり、【米】【軟らかいパン】~【冷蔵庫】【テレビ】と魔石利用の電化製品まで、幅広い分野に渡り続けた。
数日後、王の面前に引き出された勇者は、愕然たる事実を突き付けられた。
「そなたの作った【砂糖】なるものは、麻薬と認定された。」・・・麻薬?
「砂糖は、色々な品に利用され、王国中に広く広まっている。しかし、元々生産量が低く、価格も高く設定されているが、一度口にした下々の者どもは、その味を忘れる事が出来ず、手に入れる為に犯罪に手を染める者が多数出てきておる。・・・そこで、【砂糖】専売制として、品質を落とし、価格を下げる事とする。よって犯罪を誘発した【砂糖】を開発した、そなたを逮捕する事のなった。」
勇者は、罪状に唖然とするしか無かった。
罪状に続き、判決が言い渡された。
「本来なら、死刑となるが、魔王を倒した功績を加味して、辺境での禁固と王都からの追放を言い渡す。」
判決に伴い、直ちに勇者は辺境へと護送された。
勇者の、その後については、どの記録書に記載されていない。
ただ、【砂糖】を専売制にした王国は、財政を大きく潤して栄えたと記録されていた。




