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13 研究所

とりあえず、ここまで投稿します!


ここまでくれば後はラストまでなだれ込みなはずです!!


最後までお付き合いいただけたらうれしいです。

よろしくお願いします。

 結局、あの後礼に泣きついて部屋は普通のツインの部屋に代えてもらった。


「あら、別々でなくてもいいのね」と礼にはからかわれたが……。


 部屋を移動してほっとした。


「あーこれぐらいが安心する」

「宇宙船暮らしが長いとそうなるよな……」


 それでもさすがリゾートホテル。

 クローゼットやバスルームは今まで泊ったことのあるホテルの中で一番大きめで豪華だ。


 ヴェスがアキラを抱きしめるとアキラが顔をしかめた。


「私たち、オイルと煤けたにおいがする。まず風呂に入って着替えようよ」

「……一緒に入ろ」

「それは! まだ各自で、ね! 着替えたら、まず食事に行こうよ! もう空腹だよ」

「わかった。俺、先に入っていい? 出てきてから荷物整理するから。

 アキラは先に荷物整理して風呂の準備のほうがいいだろ?」

「うん、ありがとう!」


  


   ◇ ◇ ◇




 シリウスは活動中の姿であるスパロウをやめ、S教団を追求するシリウス自身として動くことにした。

 拘束された雇われた者たちからはS教団の名前は出てきたが、キドニーの名前は出なかった。

 そして、キドニーとS教団のつながりを確認するため、教団幹部とキドニーは連合本部で取り調べを受けることになり、シリウスも同行することになった。


 シリウスはアスランとマリウスにキドニーの研究所を探すことを依頼し、火星を出て行った。


 アスランはクルトを残し、他の搭乗員には母船1で地球へ返すことにした。

 シップ2は連合が管理してくれることになり、無人でも心配なくなったからだ。


「クルト、すまないがもう少し付き合ってくれ」

「ここまで関わったのだから最後までお付き合いさせてください」


 アスランの部屋に集められたのは、礼、クルト、ヴェス、アキラ、マリウス。


「さて、シリウスがキドニーと教団幹部からつながりを聞き出しているので、オレたちは火星で証拠と例の研究所探しをする。

 マリウス、キドニーの書類やタブレットの中身を礼とチェックしてくれ。

 オレとクルトとヴェスとアキラは研究所探しだ。

 マリウスの4年前見た動画、すぐ削除されたと考えるとたぶんリアルタイムに近かったと予想できる。

 6年から4年前ぐらいにキドニーに新築、または再開発された建物にまず目星をつけて探していこう。

 リストアップしたのがこれだ。Aリストをヴェス、アキラ担当してくれ。Bリストをオレとクルトが担当する」


「このAとBの違いは?」とヴェス。

「Aは比較的治安のいいところ。Bは反対」とアスランが即答する。



 それから各自で仕事を続けて3日間。特に何も見つからず過ぎていった。


 3日目の夜、リストと地図を見比べながら「うーん、対象を広げるか……」とアスランが唸る。

 

 毎晩、アスランの部屋に集まり報告し合うのだが、特に進展はなかった。


 部屋の電話が鳴り、礼が対応する。


「社長、ビクトリアとアレクが来たそうです。部屋に通してよいでしょうか?」

「気分転換だな。いいよ。通してくれ!」


「ヴェス~!」


 すっかりヴェスのことが大好きになったアレクが真っ先に走ってくる。

 アスランがそれを見てちょっと拗ねている。


「ヴェス、最近モテモテじゃないか。いいな……」


「俺は親父を反面教師にしてるんでね。性格いいんだよ」とヴェスがどや顔している。


「仕事の方はどう?」


 ビクトリアがゆっくりと入ってきた。


「ちょっと手づまり」とアスランが答えてさらに言う。

「ビクトリア、5~6年前、キドニーが熱心に開発、建築に関わっていた建物って何か記憶あるか?」

「さあ……、アレクが生まれたころよね。何か思い出したら伝えるわ。

 今日はこれを持ってきたの。招待するわ、ぜひ来てちょうだい!」


 チケットパスを7枚アスランに手渡す。


「おー、ライブするのか! しかも関係者パス、なんか面白そうなものを……。ん、なんでマリウスとアレクのもあるんだ?」

「シッターを頼もうと思って」

「は、お前が舞台の間、アレクを? それって招待って言うのか??」

「ライブは明日の夜だから、今夜からアレクをお願いね!」


 言いながらビクトリアが部屋を出て行くのをみんな呆然と見送った

 礼が気づいてあわてて追いかけていくが、悔しそうに戻ってきた。


「逃げられました」

「まあ、いいけどね……」

「そんな、なあなあな態度取ってるからいつまでも我儘言われるんですよ!!」


 礼がアスランを叱っている。


 叱られ終わったアスランが何かを決めたように手を叩いて、みんなに言った。


「しゃーない、明日は休みにしよう。

 アキラ、礼と買い物にでも行って来たら? ヴェスとマリウスにアレクは任せる」




   ◇ ◇ ◇




「アキラ?!」


 ヴェスがびっくりした顔でアキラを見る。


「アキラ、かわいい! きれーい!」


 アレクが喜んでいる。


 ライブに行くための服がなかったので、礼に見立ててもらって用意したのだ。


「着慣れないから、ちょっと恥ずかしいんだけど……」


 ノースリーブの白いワンピースを着たアキラが恥ずかしそうに言う。

 

「髪もだいぶ伸びたよね。そのペンダントとのバランスもいいし。大丈夫! とってもきれいよ!」と礼が褒めてくれる。


 アスランが「かわいいよ! ヴェス、ちゃんと褒めてやれよ」とアレクを抱っこした。


「アキラ~、助けて~」とアレクが暴れるが、アスランが「たまにはふたりにしてやれ!」と言いながら高い高いしてやっている。


 ヴェスはアキラに近づいて手を取る。


「よく似合ってる。きれいだよ」

「ありがとう、ヴェス」


  

 ライブ会場はビクトリアの名前が付いた大きなホールだった。


「ここ、父がビクトリアにプレゼントしたホールなんです」とマリウスが言う。

「すげーな!」とクルトがびっくりしている。


 関係者パスで楽屋に入り、用意されていた親族関係者室に入る。


 その時、シリウスからアスランに連絡が入った。

 アスランがマリウスを手招きする。

 

 ヴェスとクルト、礼がその様子を見守る。


 アレクが外に行きたがり、アキラが「アレクとちょっと歩いてきます!」と言って一緒に部屋を出る。


 アキラとアレクは手をつないで歩きまわり、非常階段の方まで来てしまった。


「アキラ、あそこなんだろう?」


 アレクが指差す。

 非常階段脇の壁に壁パネル1枚分開いているところがあり、大人でも身体をかがめれば入れそうな、何かの入り口のように見えた。


「なんだろう? こんなところに部屋があるのかな?」

 

 アキラが良く調べようとアレクから離れてパネルを確認しようとすると、その横を「探検しよう!」とアレクが走って入って行ってしまう。


「アレク! 止まって!」

「アキラ! 早く! 階段がある!」


 電気設備かな?

 早く連れ戻さないと。


「アレク、行くから動かないでね!」


 アキラが身体をかがめて入ると1メートル先で広い空間になり、淡いライトもついている。

 その先に階段が見えた、アレクが階段を下り始めている音がする。

 

 アキラもあわてて追いかける。


 階段をかなり下ると最初と同じような出入口が壁にあり、くぐって出ようとすると、目の前にアレクの背中があった。

 立ち止まり何かを見上げているようだ。


「アレク、勝手に行っちゃだめだよ!」


 出入り口に屈んだままアレクの視線を先を見ると、大きめの円筒形のガラスの容器が機械に嵌っているのが見えた。

 3本あるが2本は中身が空で、1本だけ液体が充填され青白い淡い光を放っている。


 その液体の中に子どもがいた。


 アキラと同じ髪色の子どもが。

 



   ◇ ◇ ◇




 シリウスからの連絡によると教団幹部がキドニーとの取引の内容を明かしたそうだ。

 キドニーからセレスシャルの幼体を買わないかと持ちかけられたのだそうだ。


 しかも、3年前と1年前。

 準備ができそうだと言われ、金を振り込んだが、結局、用意できなかったと違約金を払ってきただけだったと。


 実際に売買は行われていない。


 幹部によると話だけではなく幼体の動画も見たという。そのため金を振り込んだのだと。


「となると、マリウスの見た動画のセレスシャルは生きていたということか。

 3人ということはまだ1人残っている?」


 礼が何かに気づきマリウスに聞いた。


「ねえ、このホール、何のプレゼントなの? 結婚? そして完成したのは?」

「建設が始まったのはビクトリアが妊娠した時です。だから7年前ですね。

 少し工期が伸びて、完成したのはしたのはアレクが生まれてからになったので完成はだいたい5年前ですね」

「ここは人が多く出入りする施設で大きな空間だからと、調査対象から外してたわね……。

 そういえばアキラとアレクは?」


「さっきふたりでちょっと歩いてくると言って、まだ戻ってこないな」とクルトが言った。




   ◇ ◇ ◇




 アキラはアレクを捕まえ出入り口に引きずり込んだ。

 小さな声で囁く。


「アレク、大丈夫?」


 アレクも今見たものに動揺しているのか、小さな声で囁き返した。


「アキラ、あの子、どうしたの?」

「あのね、アレク。ここから戻るよ。ヴェス達に知らせないと!」

「あの子は?」

「一度戻ってみんなで来ないと助けられないよ」


 その時、研究室の方から男性の声が聞こえた。


「<アキラ>、今日もかわいいね……」


 その声を聞いたとたん、アキラの全身が一気に冷え、鳥肌が立った。


「あの子もアキラって言うんだね」


 アレクがひそひそ言った。


「アレク、階段を上って。できるだけ静かに」


 アレクが頷いて上りだすが、音がどうしても響いてしまう。


「おや、何の音かな?」


 声の後に出入り口の方へ近づいてくる気配がした。


 アキラはアレクが階段を上っていく音を聞きながら、ここで男を引き止める作戦に切り替えた。

 男が出入り口を覗きこんで、アキラを見ると笑った。


「出入り口のスイッチが入ったままになってたみたいだ。今、戻したから、もう出られないよ。

 久しぶりだね……、アキラ。今日はヴェスと一緒じゃないのかい?」

読んで下さりありがとうございます。

次も頑張ります!

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