第五話「ドキドキカレー」
愛のいきなりの夜ご飯の誘い。何が目的なのか身構える。
「そのただ一緒ご飯食べたいと思って誘ってみたんだけどダメかな?」
その可愛い顔して上目遣い卑怯だ。
「ダメでは、ないけど……分かった。何時ぐらいに行けばいいかな」
「本当ですか!嬉しいです。それじゃ、7時でいいですか?」
「7時ね。分かった」
「じゃあ待ってますので」
嬉しそうにして自分の部屋に戻って行った。一つ息を吐いてドアを閉めた。
時計を見る5時半を少し回ったところ。時間まですることがなかっためベットに横になって目を閉じた。
「う、閉まった寝ちまった!」
目が覚めると夜になってしまっていた。時計を見るとさっきまで5時半だったのが7時半になっていた。慌てて靴を履いて愛の部屋に行きインターホンを押す。すぐにドアが開きエプロン姿の愛が出て来た。剣は、両手を合わして遅れたことを謝った。
「ご、ごめん。ベットに横になってたらいつの間にか寝ちゃって遅れた」
「フフッ。いいですよ。疲れちゃってたんですよね。怒ってないですよ」
「ホント?」
「ええ。むしろ来れなくなってしまったんじゃないかと思ってました。さぁ、どうぞ中へ」
うながされて中へと入る。越してきたばかりと言っていたため何個か段ボールが積まれている。リビングには、三人ぐらいは座れるであろうソファーがあり、その前に黒く四角く低いテーブル。20インチぐらいのテレビがあった。その他には、机があり参考書、文庫本が整えられている本棚がある。カーテンは、黄色い。
「ソファーに座って待ってて下さい」
剣は、ソファーの前で立ちどの辺に座るか考え右端に座った。
「麦茶をどうぞ。準備しますのでもう少し待ってください。」
剣の前のテーブルに麦茶を置いてテレビを付けてキッチンの方へ。一口麦茶を飲み口を潤して部屋を見渡す。しばらくすると、キッチンの方からいい匂いがしてきた。これは、カレーの匂い。愛がカレーを運んできてテーブルに置いた。
「どうぞ、お口に合えばいいのですが」
スプーンを手に取りルーとご飯を半々の割合ですくい口に運んだ。
「うん。美味い!美味しいよ」
「美味しいですか!よかった」
「七塚さんって料理得意?」
「得意かどうか自信は、ないんですけど」
もう一口、口の中へ。
「本当に美味しいよ」
左手の親指を立てる。下を向いて照れている。
「七塚さんも食べようよ」
「あ、はい。それじゃお隣に座ります」
「え、ちょっと」
剣の隣に座ってきた。焦る。二人の距離は、なく体が密着状態になる。
「ダメでしたか?隣に座るの」
再び上目遣い。しかも今度は、覗いて来るように。
「いや、その。ダメじゃないけど、近すぎないか?」
「私は、気にしませんよ」
そう言って食べ始める。
こっちは、かなり気にするんだが。腕と腕がぶつかり感触が伝わってくる。髪からは、シャンプーのいい香りがしてきて胸の谷間に視線がいってしまう。柔らかそうなピンクの唇。やっぱりこの子は、美人過ぎる。
「ん?どうしました山口君」
「いや、なんでもないよ」
焦って一気にカレーを口の中へかきこむ。
「お、おかわり!」
「まぁ、そんなにおいしかったですか?嬉しいです」
そのあと、5杯もおかわりしてしまった……
9時になり自分の部屋に帰ることにした。靴を履きドアを開け振り返る。
「今日は、ありがとうね」
「いえ、また。お誘いしますね」
「じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
ドア閉めて自分の部屋に戻った。
「……や、山口君」




