第四話「誘い」
昼休みが終わり教室に戻ると、クラスの連中が駆け寄って来て質問攻めにあう。付き合ってるとかいつの間にあんな仲にとか聞いてくるのは、ほとんどが女子で教室の後ろには、剣の席の周りに集まりこっちに来いと手招きをしている。その顔は、殺気に満ちていた。
「ま、まいったな」
隣に座る明音は、機嫌が悪そうだった。
午後の授業中。先生の話を聞いていると。隣の明音から紙の切れを渡された。中を開いてみると。
「今日も一緒に帰ってくれる?」
「いいけど」
メッセージの下に返事を書いて素早く明音の机に置く。横目で確認すると一瞬だったが嬉しそうな顔をしたように見えた。
放課後のホームルーム終えて席を立つ。
「帰るか」
「うん」
明音も立ち上がり剣と一緒に教室を出る。一階まで階段で降りて下駄箱で靴に履きかえる。学校から出る。すると、学校の門のところに愛が立っていた。二人にゆっくり近づいて来る。明音は、剣の隣で拳をギュッと握る。対面する三人。
「山口君隣の方は?」
「あ、知らなかった?こいつは、一年の時から同じクラスで席が隣の野々村明音」
「剣から話は、聞いてるわ。昨日の夜の事も、同じアパートって事も」
「あら、そうですか」
愛の口元がニヤリしたように見えた。空気が重い。
「えっと、七塚さんは、誰か待ってたのかな?」
「はい。山口君と一緒に帰りたく待っていました」
「そうだったの?ごめんね。明音と一緒に帰るんだ」
その言葉に嬉しくなり顔が赤くなる明音。
「残念。分かりました。じゃ今日は、帰ります」
「道分かる?」
「大丈夫ですよ。私は、子供ではありませんよ」っと笑顔で行ってしまった。
残った二人。気が付けば剣の左手の袖を明音が掴んでいた。
「どうした?」
「あ、ありがとう。私と一緒に帰るって言ってくれて」
「お、おう。さぁ、行くぞ」
しばらく歩いていると隣で歩く明音が聞いてきた。
「ねぇ、明日さ。時間空いてる?」
「あぁ、空いてるけど。土日は基本的」
「じゃぁ、明日買いものに付き合ってほしいんだけど?」
「いいよ」
簡単に了承したからなんだか不満そうな顔をしたがすぐに笑顔に変わる。そのあとは、ご機嫌で話を進める。明日が待ち遠しい感じが伝わってきた。
「じゃ明日。詳しいことは、メールするね」
明音と別れ自宅があるアパートの方へ歩き出す。途中コンビニに立ち寄り飲み物一本とコロッケを買い食べながら向かう。明日の服装を何着て行くか考えているとアパートに着いた。階段を上り鍵を開け自宅に入る。
「ふぅ、疲れた」
テレビを付けて制服から私服に着替えさっき買った飲み物を飲む。
ピンポーン。
インターホンがなったあまり人が来たことがないので、誰だと思いながらドアを開ける。
「どうも、山口君」
「あれ、七塚さん。どうした?」
「えっとね。山口君って夜ご飯とかどうするの?」
「夜飯?今のところ考えてないんだけど」
右手の人差し指と左手の人差し指をコツンコツンし始める。
「そ、その。今日私の部屋で食べませんか?」
「ど、どうした急に!」
予想外の事に大声を出してしまった。




