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第三話「中庭」

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

教室に到着し自分の席に着いたら明音が訪ねてきた。少し怒ってるように見えた。

「昨日転校してきた七塚さんと仲良く登校していたように見えたんですけど」

腰に手を当てて聞いてきた。

「えっと、実は……」

剣は、昨日明音と別れた後の出来事を離した。道に迷い男たちに囲まれていたこと、住んでいるところが自分と同じアパートだということを。

「そう、なるほど。それで、あんなに仲良くなったと?」

「いやぁ、まだ、そんなに仲良くなったかっていうと」

「分らないと?」

「うん」

分かったっと明音は、それ以上聞いてこなかった。そのあと、チャイムが鳴り午前の授業始まった。特に変わったことなく授業が進む。1、2時間目は、連続で国語の授業。3時間目は、理科。4時間目は、美術。なんともハードなスケジュールをこなし午前中が終わった。


「あぁー終わった」

両手を上にあげて伸びをする。クラスの連中は、席を立ち購買に行くもの、鞄から弁当を出すもの、仲間同士で教室を出ていくものと人それぞれ。

「さて、俺も購買にパン買いに行こうかな」

席を立とうとした時だった。

「や、山口君!」

一瞬にして教室が静かになった。顔を教室の前のドアに向けると、手に弁当を二つ持って愛がいた。教室に残っていたクラスの連中が興味津々で二人を交互に見る。剣の隣に座っていた明音も突然の事に戸惑いを隠せない様子。

「えっと……そうだった」

剣は、愛が自分に弁当を作って来てくれたことを思い出した。愛の方へ歩き出す。すると、愛も歩き始め二人は、黒板の前で対峙する。二人と少し距離をあけてクラスの連中が集まる。その先頭には、明音が陣取る。

「や、山口君。朝言ってたお弁当持ってきました。それで、中庭で食べませんか?」

一斉に剣を見るクラス一同。

「あ、うん。分かった」

「じゃ、行きましょ」

嬉しそうに剣の手を取り教室から連れて行ってしまった。少しした後に教室がうるさくなる。

「何、何あの二人」「あれ、昨日転校して来た子でしょ」「付き合ったのか?」「どうする追うか!」などと飛び交う。明音は、下を向いて歯をくいしばっていた。


場所。中庭。

あちこちにあるベンチに剣と愛が座っている。愛から渡された弁当を貰い中を開ける。色々な具材が敷き詰められていた。卵焼き、タコウィンナー、アスパラガスのベーコン巻など見た瞬間に空腹が倍増した。手を合わせいただきますと言い、口に頬張る。

「う、ウマッ!美味すぎる」

「本当ですか!?よかった」

お世辞とかじゃなくて本当に美味しかった。愛は、目を細め嬉しそうな顔をしている。すると、愛が自分の弁当から卵焼きを一つ取り剣の方へ。

「山口君。はい、あ~ん」

「えっえっとあ~ん、うん、美味しいよ」

恥ずかしかったが食べた。愛は、顔を赤くして照れていた。二人の雰囲気は、周りから見るとどう見ても付き合ってるように見えた。


「剣のバカ」

三階の校舎の窓から明音が呟いた。

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