第四十六話「並木道」
時間は、5時半を過ぎた。遊園地で色んなアトラクションや食べ物を食べて楽しんだ剣と愛は、イルミネェーションを見に遊園地を後にした。
駅のホームで電車を待つ二人。
「今日は、凄く楽しいですわ」
「俺も凄く楽しいよ」
「剣君ジェットコースターで叫びすぎですよ」
「だって怖えんだもん」
「でも、隣にいて面白かったです」
「人が怖がってるのを面白かったとは……てか、七塚さんもお化け屋敷で叫んでたじゃん」
「そ、それは……」
「人の事言えないじゃん」
電車が到着する。扉が開いて入って愛を席の端に座らせその前に吊革に掴まって立つ剣。
「剣君は、怖がってる私を見て面白いとか思ってたりしてたんですか?」
剣は、自分の腕が愛の胸に当たってた事を思い出して耳が赤くなる。
「い、いや。そんな事思ってないけど」
「本当ですか?」
座っている愛が上目遣い聞いてくる。目を逸らす剣。
「ほ、本当だって」
じーっと見てくる愛に横を向き続ける。
「信じます」
軽く息を吐く剣。電車は、目的地の駅に到着する。電車が完全に止まる少し前に剣は、愛に手を差し出して。
「はい」
剣の行動に愛は、ドキッとして剣の手を掴んで席を立った。
電車を降り駅を出た二人。時計を見ると6時を過ぎたほど。
「やっぱり地元は、いいな~。どっち行けばいいのかな?」
「こっちです」
愛の誘導でイルミネェーションがある通り目指す。しばらく、二人の間で会話がなく無言で歩く。
「えっと……ここを左に曲がると」
歩いている道を左に曲がると前方にイルミネェーションにグルグル巻きにされた木が現れた。それに近づくと両側にも同じような木が現れ左右見ると先まで、イルミネェーションの木が一直線に並木道のように続いている。
「スゴッ!先が見えない!」
「思ってたより綺麗」
「どっちに行こうか」
「じゃあ、左に行きましょ」
剣と愛は、右にイルミネェーションを見ながら歩く。左側には、いくつも建物が並ぶ。二人のほかに多くのカップルがこの通りを歩いてる。まさにカップルには、嬉しいだろう特に女性には。
「このままずっとこうしていたいです」
「ん?何か言った?」
「い、い、い、いえ何も!」
剣と愛がゆっくりとしたペースで歩いていると、前から歩いてくるよく知っている人物が剣の視界に入った。明音だ。
「あれ、明音じゃん!明音!」
剣は、明音と呼ぶと前から歩いてくる明音は、辺りをキョロキョロしている。
「こっちだ明音!」
手を振ると明音は、気が付いた。剣は、明音の元へ歩く。お互いの距離が縮まる。30、20メートルと。
しかし。明音の目の前から剣の姿が突然大きな音とともに消え、視界の先に愛が立ちつくしている。
「剣?」
明音が視線を下に向けると大きな看板に下敷きになっている剣がいた。
「……え?」




