第四十三話「無謀な逃げ」
ある日の休日。剣の自宅。
「麗子さんって休日と何してるの?」
「そうですね……基本的に自分の部屋から出ませんね」
「引きこもり?」
「違います!剣様から何か言われてもすぐに行動できるようにです」
「あぁ~じゃ、今度から特に何もない時は、教えるよ」
「そ、それはそれで……寂しんですけど」
「ん?何か言った?」
「い、いえ何でもないです!」
慌てて反論する麗子。
「にしても今日は、どうしようかな……」
「今日は、いい天気ですから外出でどうでしょう」
今日の天気は、晴天でまさに外出日和である。
「あ、でも」
「でも何?」
「この前みたいなことがあったら大変ですし」
「いやいや、そんなにハプニング起きないから」
麗子にないないって手を横に振ってアピールする。
「いえ、分かりません!駄目です!今日は、出てはいけません!」
「そう言われると出たくなっちゃうよ」
剣は、椅子から立ち上がり着替えの支度する。その間麗子は、必死で剣の外出をしないように説得し続けたが剣は、聞く耳を持たない。
「剣様!剣様!今日は、雨降りますよ!」
「天気予報じゃそんな事言ってなかったぞ」
「そうです!嘘ですもん!」
「嘘かよ!てか認めるの早ッ!」
そうしてるうちに剣は、支度を終えた。
「じゃ行ってくるね」
「私も同行します!」
「いや、一人でいいよ。麗子さんは、ゆっくり休んでていいよ」
「しかし!」
剣は、麗子を置いて家を出た。残された麗子は、どうしようどうしようっと部屋中を早歩きでグルグル何週も回ったのち。
「やっぱり私も行こう!」
そう言って剣の家から出るとアパートの入り口で自転車に跨ろうとしている剣がいた。
「剣様その自転車は!?」
「これ?買ったんだ」
自慢げに言う剣。
「い、いつの間に……」
「じゃ行ってきます」
自転車に乗って剣は、行ってしまった。
「えっとえっと」
剣の家の扉を鍵を閉めて麗子は、自分の家に急いで戻って一本の鍵を持ち出した。
アパート出てしばらくのんびり自転車をこいでいる剣。
「今日は、外に出て正解だな~サイクリングには、ピッタリだな。そういえば近くにサイクリングコースがあったな」
剣は、現在地から少し離れたサイクリングコースを目指すことにした。
サイクリングコースの入り口剣は、迷っていた。コースは、二つ。自転車のみの狭いコースと車も通れそうな幅が広いコース。
「こっちかな……」
剣は、幅が広いコースを選んだ。休日の割には、利用している人は、少なくのんびり走っていた剣。
「風が気持ちいな~」
すると、剣の後方からバイクが向かって来る音が聞こえる。剣は、後ろを振り返ると。まだ距離があるが黄色いオートバイだった。剣は、まさかっと思った。
「剣様~!やっと見つけましたよ~!」
乗っていたのは、麗子だった。しかもメイド服で拡声器を使って呼びかけていた。
「私もご一緒します」
剣は、慌ててギアを6に切り替えて立ちこぎで振り切ろうとする。その行動に麗子は、心を打たれたのかアクセルを全開で速度を上げて応えた。
この日サイクリングコースでオートバイに乗ったメイド服を着ている女性から、何とか自転車で振り切ろうとしている男の子の話が話題になった。




