第四十二話「文化祭Ⅶ」
「何か御用ですか?」
「剣と文化祭を過ごすために誘いに来たのよ」
にらみ合う二人。剣もベンチから立ち上がり二人の間に割って入る。
「落ちつけ二人とも」
「ねぇ、剣。十分七塚さんと回ったんでしょ?だったらこれから私と回らない?」
「駄目ですわ。剣君は、今日私と回るので」
「いいじゃない」
「駄目ですわ」
言い合う二人に剣は。
「あぁ~もう!だったらこれから三人で回ればいいんじゃね!」
明音と愛は、剣の顔を見たのち再びお互いを見て。
「仕方ないわ。それでいいわ」
「剣君をあまり悩ませたくないので仕方なく三人でいいですわ」
深いため息をしてうなだれる剣。
「なんで、こんなに仲悪くなったんだ……」
それから午後は、三人で回ることにした剣たちは、校内を散策。あるところでは、私がいえ私ですっと言って剣を取り合ったり。あそこに行こういえあそこに行きましょうなどと次行く場所に右往左往。二人の行動に疲れ果てる剣だった。
文化祭終了の時間になってお客がいなくなり、軽くあと片付けをし始める生徒たち三人も各自の教室で作業をする。担任の先生が二日間の売り上げを発表するとクラスメートが驚いた。二日目で20万のこと、特に午前中だけで15万だったらしくその成果は、剣のお陰と言う。
「剣今日は、もう帰っていいぞ」
「お前は、頑張った。服も作ってくれたし」
剣の働きに感謝する全員が剣の帰宅を認める。
「え、いいの?先生」
「いいぞ~」
「やった!じゃ、お言葉に甘えてお先に~」
剣がそう言うと全員がじゃあね~っと言って剣を見送った。
アパートの入り口に愛が壁にもたれて立っていた。剣に気が付いてこちらを向く。
「剣君お帰り」
「ただいま七塚さん。もしかして俺を待ってたの?」
「はい」
「学校で話せばよかったのに」
「二人っきりで話がしたかったので」
両手を握りこぶしにしている。
「どうしたの?」
近づく剣。
「あの!剣君は、クリスマスの予定とかありますか?」
「クリスマス?まだ先の事で考えてないけど何で?」
「私とクリスマスデートしてください」
「えぇ!クリスマスにデート!」
「駄目でしょうか?」
上目遣いで見つめてくる愛に考え込む剣。
「どうしよう……イヴとかでもいい?」
すると、今度は、愛が考え込んで。
「分かりました。イヴでいいですよ」
嬉しいのか笑顔になる。
「それじゃ、私はこれで、今日はとても楽しかったです。ありがとうございました」
手を振って自分の部屋に戻って行った愛。その場に残った剣は、空を見上げて。
「クリスマスは……あいつとかな」




