第三十五話「文化祭前日」
「それじゃ、今日で文化祭の準備終わらせるぞ」
「ハーイ」
「よし、取り掛かれ」
結局熱を出して4日間家で寝ていた。麗子さんがずっと看病してくれてとても嬉しかった。時々七塚さんが様子を見に来ていたらしいが、寝ていたため知らなかった。携帯には、明音からの心配してくれているメールも何通もきていた。色々な人に心配をかけてしまった。何かお礼が出来たらと思っている。
日にちが過ぎていき今日は、文化祭の前日。最後の仕上げとすべての学年が準備を進める。自分のクラスも後は、教室の飾りつけと明日作る料理の材料の買い出しなどだ。それと、文化祭は二日間行われるためクラスメートたちで一日目と二日目の役割分担も決める。
「山口は、二日目の11時から12時半の接客お願いね」
クラスの文化祭実行委員が役割を告げた。
「分かった」
「おっとそうだ。山口明日の洋服出来た?」
クラスの全員が剣を見てくる。
「今日持ってきてるけど」
「「「「えぇーーー」」」」
全員が驚いた。まるで作れていないだろうと思っていたらしい。剣は、一旦教室を出てすぐの所にある自分のロッカーに行き、中から洋服が入った鞄を5つ取り出して教室に戻る。一人づつ手渡しで渡す。
「一人一人のサイズ分かんなかったからフリーサイズなんだけど」
全員に渡し終えるとあっちこっちで嬉しそうな声が聞こえてくる。全員からありがとうと言われた。
「まぁ、ほとんど麗子さんが作ったんだけど」
小さな声で呟いた。剣は、明音の隣に移動する。
「剣凄いね。こんなこと出来たんだ」
「ま、まぁな」
すごく嬉しそうな顔で渡されたメイド服を見ている。そんな明音の耳元で剣は言った。
「明音のやつだけ特別にいい素材で作ってるから」
「え?どうして?」
剣は、何も言わずにそこから離れた。
「私のだけ特別……」
一週間前。
「麗子さん。頼みがあるんだど」
「何でしょうか?」
「もう、女子のメイド服全部終わってると思うんだけど、一つだけ麗子さんの自信作作ってほしんだけど」
「なるほど。誰かのためにですか?」
「まぁ、そんな感じ」
「分かりました。それでは、私の着ているのと同じ素材ので作りましょう」
「麗子さんが着ているメイド服っていくら位のやつで自分で作ってるの?」
「10万以上ですね」
「……おぉ。何の素材なのかすごく気になる」
「フフフッ。お教えできません。秘密です」
ウィンクして可愛らしく言った麗子だった。




