第三十三話「傍にはⅡ」
目を開けるとベットに横になっていた。体が暑く頭は、グラグラする。誰かがいるのか物音がする。上体を起こす視界が定まらない。
「あ!剣様!」
誰かがいると思ったら麗子だった。
「寝てて下さい。もうすぐでお粥出来ますので」
麗子に止められて横にされる。
「俺は、今までどうしていたんだ?」
「熱で倒れてたんですよ」
「熱?そうか、通りで体が思うように動かないのか……麗子さんがずっといてくれたのか?」
「お側にいるのがメイドの私の義務です!いるに決まってるじゃないですか」
「ありがとう。麗子さん」
剣に言われて顔が赤くなる。
「でも、剣様が倒れてからさっきまでは、七塚様がいましたよ」
「え?七塚さんが?」
「はい、倒れた直後薬など買いに行かないと困っていたところに、七塚様が帰宅なさったので事情を話したら任せて下さいと言ってくださったので」
「そうか……迷惑かけたかな?」
「治ったらお礼しに行かないとですね。それじゃ、私はお粥の続きしますね」
麗子は、台所に戻った。しばらく、天井を見詰めていた剣だった。
食事後。薬を飲み体温計で熱を測る。麗子は、食器の片付けしている。しばらくしているとピピピッと体温計が鳴った。脇から取って見ると。
「……39.7℃かぁ」
体温計の音が聞こえたらしく、片付けを中断して麗子がやってきた。体温計を麗子に渡すと。
「高いですね……今日は、もう寝てください。明日下がっているといいのですが」
「大丈夫だよ……明日には治ってるから」
シーっと唇に人差し指を当てる麗子。
「もう、話さないでください」
剣の目の上に手を置いて。
「……眠りましょう。剣様」
その言葉を聞いて一瞬にして眠りについた剣。麗子は、音を立てずにその場から離れる。中断していた片付けを再開する極力音を立てづに。
「お休みなさい剣様」
寝ている剣に頭を下げて電気を消して家を出ようとドアを開けると。
「どうですか剣君は……」
愛が立っていた。外に出て合鍵で鍵を閉めて愛に向かい合う。
「熱が高いですが食欲はあります」
「そうですか……」
麗子は、愛に深々と頭を下げる。それに驚く愛。
「今日は、ありがとございました。七塚様がいらっしゃらなかったら……」
「気にしないでください」
「いえ、私がこうなることを予測していれば……まだまだ、未熟者です」
「あ、あ。頭を上げてください」
愛に促されて頭を上げる麗子。
「剣君が苦しんでるのに無視できなかっただけですよ」
「本当にありがとうございました」
もう一度頭を下げて麗子は、その場を後にした。ドアを前にして立ち尽くす愛。
「剣君……」




