第二十一話「友達」
剣は、ボサボサになってしまった明音の髪を整えるように撫でる。その後ろで岡田は、剣に指を差して何か言っている。それを完全に無視。
「……麗子さん」
「はい」
剣が麗子を呼ぶと、どこからともなく現れた麗子。
「俺は、明音を家に送る」
剣は、明音を支えて立ち上がり。
「後ろにいる意味不明の奴、殺さない程度に任せていいかな?」
剣の表情は怒りに満ちていた。
「かしこまりました」
「頼んだ。……明音行こうか」
「……うん」
剣に身を任せて歩き出す。頭を下げて見送る麗子。怒鳴っているような大声出しながら迫ってくる岡田を。
「フンッ!」
岡田の右腕を掴んでそのまま一本背負い。からの腕を十字固めし手首をねじる麗子。
「これから貴様に地獄を見せる」
公園を出た後、しばらく何も話さずに歩いていた二人。その沈黙を破ったのは、明音の方だった。
「……ねぇ。どうして私が公園にいるって分ったの?」
「明音の席の下に手紙が落ちててそれを読んで」
「……そう」
ピタッと明音が止まりつられて剣も止まる。
「しばらくこうさせて」
明音は、剣に抱き着いた。強めに締め付ける。
「……ごめんな。怖かっただろう」
頭を撫でる剣。
「怖かった……髪切られるかと思った」
「こんなに綺麗な髪なのにな」
撫で続ける剣。すると、一瞬ビクッとした明音。
「う~あんまり撫でないでくすぐったいよぉ」
「あ、ゴメン」
手を止めてやめた。
「今日は……本当にありがとう」
「ううん」
剣から離れる明音。目の周りが赤くなっていた。
「あらお二人さん」
いつの間にか愛がすぐ隣にいた。
「うわっ七塚さん」
今の顔を見られないように急いで後ろを向く明音。
「どうしたのですか?何かあったのですか?」
明音が後ろを向いた行動に気になった愛。
「えっと……」
言おうか言わないか後ろを向いてる明音を見て迷った剣。
「剣……私が言うからいいよ」
「いいのか?」
「……うん」
剣は、明音が話しやすいように二人から離れて待つ。二人を見ていると愛が驚いる様で、口に手を当てている。その様子を10分ほど見ていると話が終わったのか、二人が剣のもとへ。
「全部聞きましたわ。大変だったようですね」
「うん」
「剣君。今日明音さんは、私の家に泊めますわなんだか一緒にいてあげたくて」
「明音は、それでいいの?」
「うん。一人より七塚さがいてくれる方が安心する。あとで、家に電話する」
「そうか。……じゃ三人で帰ろうか」
三人で並んでアパートへ向かった。




