第十話「視線と」
明音との買い物した土曜日から一週間が過ぎた月曜日いつものように学校へ登校。今日の授業を知らせるチャイムが校内に響き渡る。一時間目の授業を聞いてノートに書く。窓の外を見るとグラウンドで、A組の女子が体育の授業で50メートル走や100メートル走などしている。そこには、愛の姿もあった。意外と足が速く先頭を走っている。友達がちゃんとできているみたいで愛の周りには、数人の女子たちが集まってしゃべったりしている。
「……あ」
愛は、剣に気付いたらしく手を振ってきた。小さく手を振り応えた。
「愛ちゃん誰に手振ってるの?」
「うん?あれB組の山口じゃない」
「ホントだ」
「何々どういう関係?」
愛の周りにいた女子たちも剣に気が付き何やら話している。
昼。剣は、男子仲間数人と学食で昼食をとることに。ロースカツ定食。
「なぁ、剣は、どっちにするんだ?」
「何が?」
「学年一可愛い系女子野々村明音!」
「転校してきたお嬢様系七塚愛!」
向かい側に座っていた男子たちが前のめりにして聞いてきて、両側にいた男子も興味津々っていうのが伝わってくる。
「お前たちな~」
「どっちと付き合うんだ!」
「二人とも友達だ」
言い放ち食事を進める。周りの男子たち目を細め冷たい視線を送り続ける。
「剣よ……周りの男子たちは、あの二人はお前の事が好きなんじゃないかと噂してるぞ」
「はぁ?ないない」
苦笑いをして手を横に振る。
「だって、野々村に関しては、一年の頃からお前の事常に見てたし、帰るのも途中までとはいえ、毎日お前と居ると嬉しそうだし」
「「「そうそう」」」腕組みをして同じようにして同意する男子。
「七塚といえば、休み時間になれば教室の入口に隠れるようにしてお前見てるし、移動教室の時なんかあとからこっそりついて来てるのお前知らないだろ?あれは、ストーキング気味だな」
「「「そうそう」」」
いつの間にか食事の手を止めていた。
「それいつから?」
「七塚は……たしか、先週水曜日からじゃなかったかな?」
少し考えてから。
「明音いつも通りにしか感じないし、七塚さんは、もしかして俺に用があるんだけど聞けないとかじゃないか?」
再び手を進めて食べ始めるが、隣の男子が肩を掴みハンカチを渡してきて。
「……剣。手が震えて汗が尋常じゃないぞ」
昼食を済ませて教室に戻る。席についてしばらくすると予鈴が鳴り響いた。
放課後。久々に一人で下校した。なんとなく帰り道辺りを気にした。それは、もしかして近くに愛が居るのではないかと。同じアパートで帰りの道も一緒の可能性があるからだ。だけど、愛のの姿は、どこにもなかった。
「さすがに、気にしすぎか……あの二人が俺の事をね。ないと思うけど」
アパートに到着。最近開けていなかったポストの中開けてみる。何通か入っていた中の一通にエアメールがあった。送り主は。
「……母さんからだ」




