第12話 ハロウィン・フロントサイド
ピッ
”出勤 十六時四十五分”
ピッ。
通用口の端末が二枚のカードに続けて鳴る。
十六時四十六分、更衣室。
真田 皐月はロッカーの前でスマホを開いてチャットアプリで友達のグループをもう一度見返している。
カラオケに誘う『皐月来れないの~?』の吹き出しが三つ、その下に昼に自分で打った一行がある。
『今夜ぜったいヤバい』
すぐ下に返事が一つ。
『どこでも一緒だって』
樋口 六花である。同じクラスの親友で今夜は川向こうのメイプル雨宮店のシフトに入っている。
――一緒じゃないって。こっちは研修中だっての
皐月はスマホをロッカーの棚に伏せてカエルの腕時計を外す。高校二年でレストラン・メイプル霞ヶ丘店に入ってひと月、今夜で十五回目の出勤である。
制服のボタンを一番上まで留めてリボンを結ぶ。脱いだ服のポケットの四つ折りの紙を制服のポケットへ移す前に一度だけ開く。
”一人で呼ばれたら→人を呼ぶ。注文×”
”顔より先に見るとこ→手元”
一行目は研修の動画を見ながら書いた字で、二行目はゆうべ書き足した字である。呼ばれた時に言う決まりの言葉はどこにも書いていないが覚えたつもりでいる。
ロッカーの扉の内側の小さな鏡が目に入る。ゆうべ皐月はここで口の端を指で持ち上げていた。
金曜の常連で元は教習所の教官の角田が、皐月の接客に「本免の検定」をしてくれている。ゆうべも仮免のままだった。
本免に届かないのは自分の顔のせいだと皐月は思っていて、店長に言われた一言が今日も頭の片隅に残っている。
『言う前に顔を見ろ』
今夜は指を持ち上げずに代わりに水曜の夜の事を思い出す。帰り支度をする男の背中を見ていながら、誰かがレジに出ると思って皐月は黙っていた。
――もう黙らない。見たら、動く
隣のロッカーの前で甘利 七海がもう着替え終わっている。同じ十月に入った同期の高二で、小さなメモ帳を一枚ずつめくっていて唇が少しだけ動いている。
甘利は顔を上げてきっちり斜め三十度頭を下げる。
「今夜、よろしくお願いします」
皐月は同じ角度で下げ返そうとして十五度くらいで止まる。
*
十七時、事務所。
ドアの向こうのレジの横で、かぼちゃのランタンが三つ笑っている。
ホワイトボードに今夜の配置が黒い字で書いてある。
”研修 真田・甘利 バッシングとバスボックス交換のみ”
”曽根 欠勤”
皐月は腕を組んでボードを睨む様に読む。
――曽根さん、欠勤?
客席Bの眠そうな目の大学生が今夜はいない。
二人の前に白いシャツにネクタイの男が立つ。店長の高坂である。
「今夜は研修は無い。曽根が熱で休みだ。駒井がBに回る。センターが空くから喫茶は俺に言え。皐月はB、甘利はA。お客様が帰った卓を下げて、拭いて、セットして下げ口で仕分ける。それだけだ」
高坂は二人の顔を順に見る。
「お客様に呼ばれたら『係の者を呼んでまいりますので少々お待ちくださいませ』。注文は取らない。料理は運ばない」
「……もう一度お願いします」
甘利が言うと高坂は一字も変えずにもう一度言って、甘利のペンがそれを追いかけて最後の「ませ」まで書き取る。
皐月は口の中で転がす。係の者を呼んで、なんとか? で、少々お待ちくださいませ。二回聞いて二回とも真ん中がつるりと抜けていく。
「店長。なんで注文取っちゃダメなんですか? タブレットなら押し方は教えられますけど」
「商品知識がまだだ。月曜にやる。今夜は取るな」
――月曜って今夜の方が先に来るんですけど
後ろでドアが開いて白いコックコートが三人入って来ると、高坂は二人に背中を向けてデシャップ台のほうへ出ていく。
手洗いのシンクの前で二人は並んで一分三十秒、指の股と爪の間と手首までこすってアルコールを吹く。
皐月は一分がたったあたりで手を止めかけて、隣の甘利がまだ手首をこすっているのを見てもう一度指の股に戻る。
*
十七時十分、客席Bルーム。
中央通路の天井にオレンジと黒の紙の旗が渡してあって、人が通るたびに揺れる。自動ドアのガラスには白いおばけのシール、卓の上の三角のPOPではおばけかぼちゃのサンデーが笑っている。
”十一月一日まで ハロウィン限定”
客席はいつもの土曜の顔ぶれで仮装したお客様は一人もいない。
皐月は帰ったお客様の二十一卓で皿を重ね、ダスターで拭いて紙ナプキンを揃える。中央通路の向こうの客席Aで甘利が同じ事をしていて、甘利の揃えた紙ナプキンの角は定規で引いた様にまっすぐに並んでいる。
隣の二十二卓の横に皐月の肩くらいの背丈の白い胴が来て止まる。ニゴーである。画面でネコの目が弓なりに笑っていて「お待たせ致しました。一段目のお料理を、お取りください」と言う。二十二卓のお客様が自分でミートドリアを取ると、ニゴーはくるりと向きを変えて戻っていく。
入れ違いに駒井が鉄板を持って来て紙を一枚卓の端の筒に差していく。料理がそろった印の伝票で、お客様は帰りにこれを持ってレジへ行く。
通路の向こうから高坂がトレーを持って来る。トレーには背の低い脚つきのグラスが一つ。紫のソースの垂れたかぼちゃのアイスの上に白いホイップのおばけが高く立っていて、チョコソースの目が二つと口が一つ。横にかぼちゃのクッキー。
仏頂面の店長の手の上でおばけがにっこり笑っている。
高坂がそれを三十二卓の小学生の女の子の前に置くと、女の子はグラスを両手で囲んで高坂の顔を見上げる。
「おばけ、なんで笑ってるの?」
高坂はほんの少しだけ考える。
「……ハロウィンなので」
女の子は納得してスプーンを握る。
すれ違いざまに駒井が皐月の横で小さく言う。前髪を黒いピン二本で留めた高三で、夕方の高校生では一番の古株である。
「ネチ坂がおばけ運んでる」
皐月の肩が一回揺れる。
高坂は空のトレーを持ってパントリーの出入り口へ戻っていく。
十七時二十五分、下げ口の作業台。
下げた皿を持ってパントリーに入ると、下げ口の作業台は皐月一人の場所になる。デシャップ台のすぐ横で台越しの読み上げも呼ぶ声も届くが、皐月の仕事は皿とグラスとカトラリーを箱に分ける所までである。
キンコン♪と鳴って、客席に向いた”B”のランプが点く。
「三十三卓、和風ハンバーグ、上り伝票です!」
駒井が入って来て「はい、了解」と返し、消灯ボタンを押して鉄板を持って出ていく。
皐月はボックスの縁を持ったままそれを目で追う。今夜は触らせてもらえない仕事である。
駒井が空のトレーで戻って来て皐月のほうに首だけ向ける。
「真田さん、曽根さんの熱、いつ知った?」
「さっきボードで」
「うっそ。夕方組のグループ、昼前から大騒ぎだったよ。真田さん入ってなかったっけ。後で招待するね」
秋山が客席Aで下げた皿のトレーを持って入って来る。大学二年である。
「秋山さん、今夜A一人でしょ。死ぬよ」
「時給分は働きます」
秋山はそう言って下げた皿を作業台に置き、ついでに紙ナプキンの束を脇に挟んでダスターを二枚替え、上がって来たAの料理をトレーに取って出ていく。
駒井が言う。
「去年さ、十月の終わりに一回だけやたら混んだ土曜あったよね。いつだか忘れたけど。先週はなんにもなかったし、今年はもう無いのかな?」
駒井は上がって来た料理をトレーに載せて軽く肩をすくめて出ていく。
白いシャツが戻って来て台の前に立つ。
皐月は仕分けた箱を下げ口の窓に押しこんで出入り口へ向かう。足が勝手に速くなる。
「走るな」
台の前から声が飛ぶ。
「走ってません。早歩きの、速いやつです」
「それを走るという。大体これを注意するのは何回……おい、皐月!」
皐月はネチネチを背中で軽く受け流して客席に早歩きで出ていく。
十七時四十分、入口のほうで自動ドアのチャイムが鳴る。
「いらっしゃいませ。何名様でいらっしゃいますか?」
主任の仁科の声はお客様の前では店で一番きれいな決まり文句になる。二人連れを窓際へ案内した戻りに二十一卓を拭いている皐月の横を通る。
「皐月ちゃ~ん、二十一卓、次に入れるから~よろしく~」
声はお客様に届かない高さで、語尾だけがふわりと伸びていく。
*
十八時五分。
皐月は三十一卓で皿を重ねている。入口からの通路に面した壁ぎわの二人席で、入口の自動ドアと待合のベンチとレジの台が斜めに全部見える。
二十二卓に恐竜の着ぐるみの男の子の家族が座っている。十八時を少し過ぎてから入って来た家族で、しっぽが椅子の横からはみ出している。
ピンポ~ン♪
黒いとんがり帽子をかぶった魔女の母親が入って来て、その後ろから頭まですっぽりオレンジ色の布をかぶって顔の所だけ丸く穴の開いた小さなかぼちゃが二つ、転がる様に続く。包帯をぐるぐる巻いた父親がその二つの襟首を両手でつまんでいる。
「いらっしゃいませ」
仁科が腰を落としてかぼちゃの高さに目を合わせる。
「かぼちゃ様も、ようこそお越しくださいました」
かぼちゃの片方がくすくす笑う。仁科は四人を連れて皐月の横を通り、パントリーの出入り口の前で中央通路へ折れて窓際の十八卓のほうへ案内していく。
ピンポ~ン♪
猫の耳の女の子と黒いマントの男の子と、その両親。戻って来た仁科がまた中央通路のほうへ連れていく。
ピンポ~ン♪
顔を白く塗ったゾンビの小学生が三人と、目の下に黒い線を引いた母親。仁科はまだ窓際から戻っていないので四人は待合のベンチに座る。
ピンポ~ン♪
もう一組、頭にコウモリの付いたカチューシャの母親と小さな男の子が同じベンチに座る。
「パレードすごい人だったね」
「終わったらみんなここ来るって言ったでしょ」
ベンチで母親どうしが話している。仁科は窓際で、声の届く所にいない。
――パレード?
皐月は知らない。奥から入口のほうへ高坂が早足で来る。
皐月の横を抜けていく高坂の顔を見ると、いつもの小言の時の少しだけ面倒くさそうな目では無い。入口のガラスの向こうの暗くなった駐車場を見ていて、口が一本の線になっている。
戻って来た仁科がベンチのお客様に頭を下げると、高坂はレジの台の内側に入りベンチに背を向けて仁科の横に立つ。
二人の声は低くて、皐月の所まで届くのは「先週」という一語だけである。
仁科はベンチのほうを向いたまま何か返していて、軽く揺れていたその肩が途中で止まる。
「主任。パレードは先週じゃなかったのか?」
「毎年ハロウィンの前の土曜なんですよ~。だから今年も先週……」
仁科の目がレジの横のかぼちゃのランタンの上で止まる。
「……今年はハロウィンが土曜です」
*
事務所の机の引き出しに、着任した週に作った表が入っている。去年の十月と十一月の夕方の客数を一日一行ずつ並べた表で、土曜はどれも百二十名に届かない中に一行だけ二百名を超えた土曜があった。
何の日かと聞くと、仁科はパレードだと答えた。ハロウィンの前の土曜は毎年、と。高坂はその横に今年の日付を書いた。十月二十四日、先週の土曜である。
先週の土曜は入口に待ちの列が一度も出来ず、台の上の皿は一分とたまらず、キッチンのセンターが「余裕っす」と言っていた。
二十二時に高坂は表に何も書き足さずに引き出しを閉めた。
二百を超えた一行の日付は、十月二十五日だった。去年の十月の最後の土曜で、ハロウィンの前の土曜でもあった。今年の十月の最後の土曜は、今夜である。
今夜はパレードは先週済んだものとして段取りを立てた。十七時から二十二時までで百四十人。曽根の欠けた所には研修の二人を入れ、喫茶は自分で持つ。それで今夜の修正は済んだはずであった。
ガラスの向こうを次のかぼちゃが歩いて来て、その後ろに手を引かれた小さなゾンビが、その後ろにまだ車から降りて来る家族が見える。どこか近くでパレードが終わって歩いて来ている。
百四十という数は夜が始まる前から外れていた。曽根が熱を出すずっと前から。
――なんで今夜やねん
足せる人はもういない。
「持ち帰りと宅配は今から止める。待ちのお客様には先に待ち時間を伝えろ。二十分。延びたら言い直せ」
仁科は「承知しました」と返す。お客様に向けるのと同じきれいな声で、高坂に向けているのに語尾がどこにも伸びていない。
高坂はレジの台の内側から出る。
三十一卓で顔を上げた皐月の横を白いシャツが戻って来る。止まらずに言う。
「皐月。立った卓から全部下げろ。溜めるな」
声が小さい。言い終わる前にもう次のほうを向いている。十七時の「走るな」と同じ人の声とは思えない。
皐月の「はい!」に白いシャツは振り向かない。
下げた皿を持ってパントリーに戻ると、高坂が黙ってBの鉄板を駒井のトレーに載せている。駒井はトレーを持ったまま一度だけ高坂の顔を見て、高坂が喫茶作業台へ向いた一瞬に皐月にだけ聞こえる声で言う。
「……ネチ坂、声違くない?」
皐月は頷く事しか出来ない。
秋山が入って来て台の上を一目見て何も言わずに出ていく。
出入り口の上で客席から見えるBのランプが点いては消え、点いては消える。
*
十八時二十分。
皐月は隣の三十二卓を拭いている。待合のベンチの六人分はとっくに埋まっていて、立って待つ家族が風除室の中まで並び、仮装の子どもが父親の脚にしがみついたり母親の手を引っぱったりしている。
中央通路の向こうの奥の卓では、十七時から座っていたいつもの土曜のお客様が一組、また一組と立ち上がりはじめている。二十五卓から二十八卓、壁ぎわの三十五卓と三十六卓。
パントリーの出入り口から高坂が出て来て奥の卓を見る。それからランプの下へ早足で戻っていく駒井を見る。
――奥まで駒井さん一人?
ボードでは奥の卓もBで、Bは駒井一人である。
高坂は入口の仁科に向かって手のひらで奥を示す。声は届かないが、仁科が頷くのは見える。空いたら通せという手である。
高坂は壁ぎわの通路を入口のほうへ下りて来て皐月と甘利の前で止まる。
「皐月、甘利。今から奥だ。下げとセット。立った卓から入れ」
それだけ言ってパントリーへ戻っていく。
甘利がメモ帳を開いて皐月を見上げる。
「……奥の卓番を知りません。Aしか教わっていないので」
「あ、そっか。二十五卓から二十八卓。壁のほうが三十五卓と三十六卓」
甘利のペンが動いて、書き終わると小さく頭を下げる。
「ありがとうございます」
皐月はちょっとだけ得意になる。甘利に何かを教えたのはこれが初めてである。
得意は三十秒ももたない。
皐月と甘利がお客様の立った卓を下げて拭くそばから四人席の二十五卓から二十八卓が埋まる。ペンギンの着ぐるみの兄弟が二十五卓に、海賊の家族が二十六卓に、骸骨の父親の家族が二十七卓に、ベンチで待っていたゾンビの小学生が二十八卓に座り、壁ぎわの三十五卓にもコウモリのカチューシャの親子が座る。
残った列は三人、四人の家族ばかりで、二人席の三十六卓だけがぽつんと空いている。
皐月が下げ口に皿を置いて奥へ戻る頃にはさっき拭いた卓はもう全部埋まっていて、見えるのは卓の上のタブレットを覗きこむ仮装の頭ばかりである。
中央通路でニゴーがペンギンの弟に前をふさがれて止まる。
「恐れ入ります。お通しください」
ペンギンは面白がってどかない。
ピロン♪
出入り口の奥で呼び出しのモニターの音がする。
ピロン♪
ピロン♪
*
十八時半過ぎ、下げ口の作業台。
皐月がトレーの皿を箱に分けていると、すぐ横のデシャップ台の前で低い声がする。
「持ち場に戻れ」
秋山が台に並んだBの料理へ手を伸ばしかけて止まっている。
「Aを空けるな。窓際の十六卓立つぞ」
秋山はまっすぐに頷いてトレーだけ持って出ていく。
入れ違いに駒井が手にハンディを握って飛びこんで来る。
「店長、二十五卓タブレットが反応しなくて代わりに――」
「料理が先だ」
高坂は二十六卓の鉄板を駒井のトレーに載せる。
「二十六卓に持って行って戻りに二十五卓へ伺え」
駒井は何か言いかけたが、鉄板を持って出ていく。ランプを消す指が一瞬遅れる。
皐月は箱の縁を握ったままそれを見ている。指示は一回で二人とも持ち場へ戻っていき、店長の声一つで店がまっすぐに立ち直る。
出入り口の上のランプは、さっき駒井が消したBがもうまた点いていて今はAも点いている。
十八時三十五分、奥の壁ぎわの三十六卓に二人連れが座る。灰色のカーディガンの男の人と臙脂色のセーターの女の人で、五十代くらい。十八時を過ぎてから皐月が初めて見る、仮装をしていないお客様である。二人は自分達でタブレットを押して何か頼んでいて画面はちゃんと動いている。
――よかった。あそこは平気
*
十八時四十分、二十七卓。
「ねえちょっと。すいません」
その声にトレーを持って通りかかった皐月は足を止める。
二十七卓は四人家族である。魔女の帽子をかぶった小さな女の子が光る星の杖を握っていて、その向かいで父親の膝の上にかぼちゃの男の子が乗っている。オレンジ色の丸い頭の上に小さな緑のへたが立っていて、男の子はそのへたを両手で握りしめている。口がへの字で、目の縁が赤い。
父親は全身が骸骨で、黒い布に白い骨が描いてあって手袋まで骨で袖と一続きになっている。
「これ全然反応しないの」
母親がタブレットを指で叩く。長い黒い付け爪の先が画面の上でこつこつ滑って、画面は何も言わない。
「パパの手袋もダメで。脱げばいいんだけど背中のファスナー下ろさないと脱げないのよ」
「脱いだら中、下着なんだよね」
骸骨が真顔で言う。
かぼちゃの男の子がひくっと一回しゃくり上げる。
「かぼちゃ、泣き虫」
「泣いてない!」
魔女の女の子が杖で指して、かぼちゃが大きな声を出してそれで涙がもう一段せり上がる。
皐月の口が先に動く。
「か、係の者を……えっと……少々お待ちくださいませ!」
皐月は頭を下げてパントリーへ向かい、出入り口をくぐった所で立ち止まる。
デシャップ台の前に高坂がいない。喫茶作業台の上にサンデーが一つ置いたままになっていて、おばけの目が一つだけ描いてある。もう一つの目と口は無く、おばけは片目でパントリーの出入り口のほうを見ている。
ピロン♪
呼び出しのモニターには、駒井を待つ卓番が四つ並んでいる。
台の向こうのキッチンでは、真ん中のコックコートの男の人が紙を読み上げ、一番奥のグリルでは、いつも「サツキ」と呼んでくれるルーカスさんが向こうを向いてハンバーグを返している。キッチンの人は客席には出て来られない。
台の向こうに係の者はいない。
出入り口から客席を見ると、中央通路の先、二十六卓の横で駒井が片膝をついている。高坂も出入り口から見える所にはいなくて秋山は窓際で見えない。
入口はここからは見えないが、仁科が待ちの列の前から動けない事は皐月も知っている。遠くでチャイムがまた鳴る。
誰もつかまらない。
皐月はポケットの上から四つ折りの紙を押さえる。
”一人で呼ばれたら→人を呼ぶ。注文×”
人を呼べない時にどうするのかは書いていない。
皐月は二十七卓に戻る。タブレットが反応しないのだから、呼ぶボタンも押せない。
かぼちゃの男の子が父親の骨の胸に顔を押しつけている。
皐月は紙の二行目を思い出す。
手元。
母親の付け爪がテーブルの上で画面の縁をこつこつ叩いている。父親の骨の手袋が男の子の背中をゆっくり撫でている。男の子の手はへたを握って白くなっている。
水曜の夜、皐月は見ていて黙っていた。
皐月はトレーを卓の端に置いて腰を落とす。お客様の目の高さまで。
「失礼致します。ご注文を、お伺い致します」
母親の顔がぱっと明るくなる。
「え、いいの? 助かる。子どもの先にお願い。お子様プレート二つ」
皐月が指の腹で画面に触れると、先週角田に教えた触り方で画面がすっと動く。キッズ、お子様プレート、数は二つ。お子様プレートはライスもゼリーも付いていて、選ぶところは何も無い。
――先に送れば先に作ってくれる
皐月は”注文を送る”を押す。
「かぼちゃさんのが、一番先に来ますからね」
男の子が骨の胸から片目だけ出す。
「大人は和風ハンバーグ。鉄板で二つ。あと、ライスとスープ、二つずつね」
ハンバーグ・グリル、和風ハンバーグ。”鉄板・皿”で鉄板、数は二つ。次の画面に”ライスの量”と出る。
皐月の指が止まる。お母さんはライスとスープを「あと」とひとまとめに頼んだ。ここでライスだけ付けたら、スープが一人ぼっちになる。
――ライスとスープはあとで二つずつ一緒に入れればいい
つけない。
次の画面に”セットにしますか”と出る。
卓のセットなら皐月は今夜何十回もしている。けれど画面の言うセットが何なのか皐月は知らない。セットにして頼まれていない物まで付いて来たら、それこそ怒られる。
しない。送る。
それからライスを探す。サラダ・サイドの一番下に”ライス(並)”と”本日のスープ かぼちゃのポタージュ”がある。
二つずつ。送る。
皐月は立ち上がらずに母親の目を見る。
「お子様プレートが二つ、和風ハンバーグの鉄板が二つ、ライスの並と本日のスープが二つずつ。以上でよろしいでしょうか?」
「完璧。ありがと」
母親が笑って、骸骨の父親が骨の手袋で親指を立てる。
皐月は「完璧」を心の中でもう一度繰り返す。甘利の為の言葉だと思っていた。
皐月はトレーを持って立ち上がり客席の奥へ戻る。
*
十八時五十五分、下げ口の作業台。
皐月は下げた皿を持って下げ口に戻って来る。
すぐ横のデシャップ台の上、保温のライトの下にお子様プレートが二つ並んでいる。型で丸めたライスに楓の葉の小さな旗が立っている。
台の向こうのキッチンから声が飛ぶ。
「二十七卓、お子様プレートお願いします!」
皐月の手が止まる。
駒井は来ないし、高坂もいない。喫茶作業台の上で片目のおばけがこっちを見ている。楓の旗の立った丸いライスがライトの下で少しずつ乾いていく。
あの子の手はへたを握って白くなっていた。
皐月は台の前に出る。
「二十七卓のお子様プレート、誰か運んでください!!」
パントリーじゅうに声が響いて、台の向こうのキッチンで全部の手が一瞬止まる。
「待ってるんです! ちっちゃい子が二人! 誰も来ないなら私が持って行きます!」
皐月は台の皿に手を伸ばす。
「バッシングだけだ」
出入り口から戻って来た高坂の声である。特に声は大きくないが、皐月の手が皿の手前で止まる。
高坂は皐月のほうを見ずにお子様プレートを二枚トレーに載せ、ランプを消して自分で出ていく。
皐月は暫く台の前に立っている。コックコートの誰かがこっちを見ている気がするが、顔を上げずに唇を噛んで下げ口のほうへ戻り、皿を箱に分ける。
*
十九時、奥の二十六卓。
海賊の家族が帰ったあとの二十六卓で皐月は皿をトレーに重ねている。床に落ちた眼帯のゴムを拾ってテーブルを拭く。もう一度拭く。
パントリーの台の前には今は戻りたくなくて、顔を上げずに手だけを動かす。
目の端で白いシャツがパントリーの出入り口から出て来て、早足で壁ぎわの通路を入口のほうへ下りていく。
窓際の六人席の四十一卓と四十二卓で三家族の団体が立ち上がる。パレード帰りのお客様で、ゾンビのナースと狼男と、魔女が三人。子ども達の手にはお菓子の袋がぶら下がっている。
帰り支度である。
「ありがとうございます!」
皐月は奥の卓から客席じゅうに届く声で言う。帰り支度を見た人がこう言えば、誰かがレジに出る。水曜の夜のあとで決まった声である。狼男の父親が振り向いて手を上げる。
店の人は誰もその声で動かない。団体は入口のほうへ流れていく。
通路の先に入口のレジが小さく見える。並んだ三家族の母親達の背中の向こうで、レジの画面に向かっているのは仁科では無く高坂である。
――じゃあ今料理は誰が持って行ってるんだろう
店長がレジにいるのは決まりどおりなのに、皐月の首の裏が少しだけざわざわする。
出入り口の上でさっき店長が消したBのランプがもうまた点いていて、見ているあいだ誰も消しに来ない。
十九時五分、皐月は二十六卓に紙ナプキンを足して揃えながら目の端で甘利を見る。
甘利はトレーを持って三十六卓の横で止まっている。臙脂色のセーターの女の人が甘利に何か言っているが、声は皐月の所までは届かない。甘利がきっちり斜め三十度頭を下げる。
甘利は早足で中央通路を戻っていき、二十三卓の前にしゃがみこんでいる駒井の横で止まって何か言い、駒井はハンディから目を上げずに何か短く返す。甘利は歩きながらメモ帳に何か書いてパントリーの出入り口へ入っていく。
ちゃんと呼びに行っている。
皐月はダスターを握りしめる。
甘利は完璧で自分は違う。
皐月は二十六卓のタブレットの画面をいつもより強く拭く。紙ナプキンの角を揃え直すが、甘利の様にまっすぐにはならない。
*
十九時十五分、二十八卓の横。
皐月は二十六卓で下げた皿のトレーを持ってパントリーへ戻る途中である。中央通路は案内される家族とニゴーでふさがっていて、一列奥を回る。二十八卓ではゾンビの小学生達がまだハンバーグを食べていて、白く塗った顔にデミグラスソースが付いている。
反対から甘利が通路を来る。
三十六卓で臙脂色のセーターの女の人が立ち上がる。
「ちょっと」
女の人は通路の甘利に向き直る。
「あなたさっき呼んで来るって言ったじゃない」
皐月の足が二十八卓の横で止まる。
女の人は眉が上がって口が大きく開いている。卓の上には空になったパスタの皿とフォークが一本で、向かいの灰色のカーディガンの男の人の前には何も無い。
「四十分よ。四十分。うちの人のだけ来ないの」
「おい、いいから。座れよ」
カーディガンの男の人が低い声で言ってセーターの袖を引くが、女の人は座らない。
甘利はトレーを持ったまま通路に立っている。
「……教わったとおりに、しました」
一字ずつ区切ったいつもの甘利の小さな声である。
言い終わった一瞬に甘利の首がすくむ。
肩がきゅっと上がり顎を引いて、頭が体の中に半分埋もれる。叱られるのを待つ時の子どもの首である。
皐月はそれを初めて見る。
――甘利さんでもダメなの?
中央通路を白いシャツがまっすぐ歩いて来る。
パントリーの出入り口から三十六卓まで、急いでいるのに走らない。旗の下を通るたびに旗が揺れる。
高坂は三十六卓の横で止まって女の人の前で頭を九十度に下げる。
「お待たせして誠に申し訳ございません」
それだけである。キッチンが混んでいるとも、人が足りないとも言わない。
「ただいまお持ち致します」
女の人はまだ何か言いたそうに口を開いて閉じて、それから椅子に座る。
高坂は甘利を見ない。甘利に何も言わない。甘利はもう一度斜め三十度頭を下げてトレーを持ってパントリーのほうへ戻っていく。高坂もいったん出入り口の中へ戻っていく。
皐月は二十八卓の横でトレーを持ったまま動けない。
十九時十八分過ぎ、高坂がトレーを持って出入り口から出て来て、トレーの上で鉄板が鳴っている。
ジュウと大きな音で白い湯気が旗の下に立ち上る。
「失礼致します。大変お待たせ致しました。鉄板がお熱くなっておりますのでお気をつけくださいませ」
高坂は木の台ごと鉄板をカーディガンの男の人の前に置き、ライスを置く。
「お料理はお揃いでしょうか?」
女の人が短く頷くと、高坂は紙を卓の端の筒に差す。
カーディガンの男の人が鉄板を見下ろして小さく「おお」と言い、それから女の人のほうを見て少しだけ困った顔で笑うが、女の人は笑わない。
出来立てのハンバーグが鉄板でジュウジュウ鳴っていた。
*
十九時二十分過ぎ、パントリー。
皐月は下げた皿のトレーを持って出入り口をくぐる。
デシャップ台の前で高坂が駒井に低く言っている。
「料理が先だ」
「下げは、戻りのついでだ」
駒井は鉄板を持って出ていき、三十秒後には客席のどこかでまた片膝をついている。
下げ口の作業台で甘利が顔を下に向けて箱に皿を分けている。皐月の足が勝手に速くなって小走りになる。
「皐月、走るな」
台の前から高坂の声が飛ぶ。皐月は足を緩めて手近な台にトレーを置きかける。喫茶作業台の端である。
「皐月、そこは違う。下げ口だ」
皐月はトレーを持ち上げる。
喫茶作業台の上に片目のおばけはもういなくて、新しいグラスの上で新しいおばけが両目で笑っている。さっきの片目のおばけがどこへ行ったのか、皐月は知らない。
皐月は下げ口の作業台にトレーを置く。甘利の隣である。
甘利がメモ帳を開く。皐月が横からそのページを見てしまうと、一番下の行に新しい字がある。
”係の者に伝えたら→待っていただく(駒井さん)”
その下は白い。
甘利はそのページを暫く見ていて何も書き足さずにメモ帳を閉じる。それからいっぱいの箱を両手で抱えてスイングドアを背中で押すとキイと鳴って、ドアの向こうでシンクの水が流れる音がする。
*
十九時半、客席。
十七時の客席はもうどこにも無い。
出入り口の上のランプはAもBも点いたままである。ピロン♪、ピロン♪とモニターが鳴り続けて、どこかの卓で小さな吸血鬼が眠くて泣いている。駒井は立っている時間より膝をついている時間の方が長い。秋山は窓際とBの境目を行ったり来たりしている。
入口の列の前で仁科が頭を下げている。
「大変お待たせ致しております。ただいま四十分程でご案内の予定でございます」
二十分では無くなっている。
列の後ろのほうから悪魔の角のカチューシャを着けた子ども二人と両親が出て来る。十九時にはもう風除室の中で立って待っていた家族で、下の子は父親の腕の中で眠っている。仁科が列の前で深く頭を下げて見送る。
食べずに帰っていく家族である。
皐月が見ただけで三組目である。
下げた皿を持って入口の近くを通った皐月に仁科が小さく言う。
「皐月ちゃん、二十二卓下げて」
誰も笑っていない。十七時の駒井の「ネチ坂」も、秋山の「時給分」も、仁科の「よろしく~」もどこにも無い。
皐月は走らない様にしてずっと動いている。
*
十九時五十五分ごろ、三十一卓。
皐月は三十一卓を拭いている。壁ぎわの二人席の列を奥へ見通すと、一番奥が三十六卓である。
カーディガンの男の人が鉄板の最後の一切れを食べ終えると、臙脂色のセーターの女の人が筒から伝票を抜いて立ち上がる。
帰り支度である。
「ありがとうございます」
皐月は拭く手を止めて言う。声がさっきより小さい。
女の人は振り向かないが、男の人が振り向いて小さく頭を下げる。
二人は壁ぎわの通路を歩いて来て皐月の横を通り、入口のほうへ曲がっていく。
後ろから高坂が早足で来る。台の前から二人が立つのを見ていた様に、パントリーの出入り口からまっすぐ下りて来て「失礼致します」と二人の横を抜け、先にレジの前に立つ。
皐月はダスターを持ったまま通路の端からそれを見ている。
女の人が伝票を出して、高坂がレジを打つ。おつりとレシートを両手で渡して、それから頭を下げる。
「本日は不手際、誠に申し訳ございません」
声は皐月の所まで届く。低くて、ゆっくりである。
高坂はレジの台の横から出て二人より先に自動ドアの前へ立つ。ドアが開いて、二人が風除室を抜け、高坂も一緒に外へ出ていく。
ガラスの向こうは暗い。駐車場の灯りの下で仮装の家族達が次々に車に乗りこんでいて、その中を仮装していない二人が歩いていく。白いシャツが二人の背中に向かって深く頭を下げる。
下げたまま動かない。
夜の風がネクタイの先を持ち上げる。
二人の車のライトが点いて駐車場を出ていって、ライトが見えなくなるまで高坂の頭は上がらない。
皐月はダスターを握ってそれを見ている。
高坂が戻って来るとネクタイが少しだけ曲がっていたが、高坂はそれを直さない。通路で突っ立っている皐月の横を通る。
「皐月、次だ」
それだけ言ってパントリーへ戻っていく。
*
二十時十五分、入口。
皐月は下げた皿のトレーを持って入口からの通路を通りかかる。
レジの前に骸骨が立っている。胸にかぼちゃを抱えていて、かぼちゃは骨の肩に頭を乗せて口を開けて寝ている。魔女の女の子はレジの横のかごの前にしゃがみこんでオレンジ色の袋の小さな駄菓子を真剣に選んでいる。
二十七卓の家族である。
レジの台の向こうで仁科が伝票の卓番を打つ。
「お会計、四千三百五十六円でございます」
「え、高くない?」
母親が画面を覗きこんで、付け爪の先が画面の数字を指している。
「申し訳ございません。確認いたします」
仁科は画面の明細を上から順に指でたどって途中で止まる。ほんの一瞬、仁科の目が細くなる。
それから仁科はレジの「商品訂正」で明細を直す。
「ライスとスープをセットのお値段にお直し致します。大変失礼致しました」
画面の数字が変わる。
「四千七十円でございます」
「あ、やっぱり? なんか多いなと思ったのよ」
二百八十六円、安くなる。
皐月はこの家族を知っている。かぼちゃを知っている。骸骨を知っている。付け爪がタブレットの上でこつこつ滑っていたのを知っている。
あの注文を入れたのが誰かも。
何が間違っていたのかは知らない。
「あの」
皐月の口が先に動く。
「私が入れました」
母親が振り向いて皐月の顔を見て、ぱっと笑う。
「あ、さっきの。いいのいいの、安くなったし。この子、プレートが来たらけろっと泣きやんで全部食べたのよ。ありがとね」
仁科が皐月を見る。
皐月は仁科が何か言うのを待つ。どこを押し間違えたのか。何を押せばよかったのか。
「ありがとうございます。またお越しくださいませ」
仁科に続いて皐月も家族にお辞儀すると自動ドアが開いて、魔女の女の子が駄菓子の袋を振りながら出ていき、骸骨とかぼちゃと付け爪が続く。
それから仁科は皐月のほうを向く。
「皐月ちゃん。奥、お願い」
それだけである。仁科はもう次のお客様に「お待たせ致しました」と頭を下げている。
皐月はトレーを持ち直して奥へ戻る。ライスとスープ、セットのお値段。
――私がどこか押し間違えたんだ
*
二十一時を過ぎると、仮装のお客様は潮が引く様にいなくなる。奥の卓に下げる皿が溜まって、下げても下げても次に座る人がいない。
二十一時四十分過ぎ、皐月が下げ口の作業台にトレーを置くと、スイングドアがキイと鳴る。
甘利が背中でドアを押して空のバスボックスを抱えて出て来て、皐月は顔を上げる。
甘利の口の端がほんの少しだけ上がっている。
ゆうべ皐月が更衣室の鏡の前で指で持ち上げていた所を、甘利は指も使わずに上げている。
「甘利さん?」
甘利はいつもの小さな声で「……はい」と答えて次の皿を分けはじめる。
二十一時四十五分。
「上がっていいぞ。あとは俺がやる。お疲れ様」
デシャップ台の前から高坂が高校生に言う。それから台を離れて下げ口の横のスイングドアを押して洗い場へ入っていく。
キイとドアが閉まる。
下げ口の窓から、キッチンキャップをかぶって白いシャツの袖を折る高坂が見える。
――店長が皿洗うの?
皐月はトレーを置いて更衣室へ向かう。走らない。もう走る力が残っていない。
*
二十一時五十分、更衣室。
皐月はベンチに座りこんで、制服のリボンをほどく手が止まっている。
ロッカーのスマホが光っていて、六花からスタンプが一つ来ている。溶けて床に広がったアイスクリームのスタンプである。
皐月は暫く見てからひっくり返ったカエルのスタンプを一つ返す。
隣で甘利が制服のシャツをきっちり四つに畳んでいる。
奥のロッカーで駒井が前髪の黒いピンを二本抜いている。ピンを抜いた駒井は少しだけ年下に見える。
「駒井さん。一年で一番忙しい日っていつですか?」
聞く前から皐月は答えを知っている。今日に決まっている。これより上なんかあってたまるか。
駒井はピンをポーチにしまいながら振り向きもしないで言う。
「阿良川の花火。今日の倍」
皐月と甘利は白目をむいて天井を見上げた。
本日の売上 計画 573,000円/実績 669,269円(計画比116.8%)
本日の客数 計画 374人/実績 442人(計画比118.2%)
本日の客単価 計画 1,532円/実績 1,514円
今月の累計 売上 前年比126.1%/客数 前年比123.8%




