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ヒトデ

 蜜柑と別れてから私は明日のことを考えていた。

「もう卒業式かー、早かったなー。」

 そんなことを思っているといつの間にか家についていた。


 2011年3月11日13時10分頃、私は昼ご飯をたべた。今日の昼ご飯は豚骨ラーメンだった。

 昼ご飯を食べた私は眠くなったので昼寝をすることにした。

 何か忘れている気がするけど、睡魔には勝てずそのまま寝てしまった。


 2011年3月11日13時50分頃、ピーンポーンという音で目が覚めた。

(そうだった、忘れてた。今日蜜柑と遊ぶ約束をしてたんだった。)

 慌てて起き上がり、身支度を整える。

 ドアを開けると蜜柑が腕を組んで立っていた。

アマ、遅いよ!」

「ごめんごめん、で、どこ行くの?」

「うーん、海岸かな?」

「また海岸?蜜柑好きだねー。」

「えー、いいじゃん。行こうよ!」

「いいよ」

 またこの流れだ。蜜柑と遊ぶときはこうやって、ほぼ毎回海岸に行く。


 2011年3月11日14時05分頃、海岸に着いた蜜柑と私はザーっという海の音を聴きながらいつもと同じように他愛のない話で盛り上がっていた。

 ザーっザーっと聴こえる海の音は、まるで明日終わりをつげる中学生活の悲しさを感じさせないように私達に安らぎを与えている気がした。

「なんか寂しいね」

 蜜柑が急にそんなことを言い出した。それと同時に海風が私の髪をなびかせた。

「確かにね」

 海の音が鮮明に聴こえてきた。


「あ、アマ、あれ見て」

 突然何かと思い蜜柑の指差した方を見るとそこには綺麗な海星ヒトデがいた。

「ねぇ蜜柑、これ何ていうヒトデ?」

「これはニッポンヒトデかな。」

「へぇー、やっぱり蜜柑は生物博士だね。」

「違うよー」

「えー?嘘だー。じゃああの鳥は?」

「ウミネコだよ。この前教えてたじゃん」

「そうだっけ?」

「えー!覚えてないの?仕方ないなー。いい?ウミネコっていうのはチドリ目カモメ科カモメ属に分類される鳥類で……。」

(やってしまった。蜜柑の生物スイッチを押してしまった。こうなると1時間以上止まることはないだろう。)


 30分経っただろうか、そんなとき後ろから「アマ、蜜柑」と呼ぶ声がした。振り返るとそこにはクラスメイトのタダシがいた。

「やっぱりアマと蜜柑じゃん」

「あれ?道、なんでこんな所に?」

「散歩だよ」

「ねえねえ、道も聞いてよ、ウミネコの話」

「いや、俺はいいよ」

「えー、じゃあ強制的に聞いて」

「じゃあ私はこれで失礼し……」

アマもだよ」

「えー」


 2011年3月11日14時46分18秒、突然大きな揺れが起きた。

 揺れた瞬間に頭を低くして身を守ろうとしたが揺れが大きすぎる。

 立つことすら難しいぐらい大きな揺れに私は初めて死ぬかもしれないと思った。

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