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夏影メモリーバグ

原作と少々違うところもありますが、別の世界線(?)としてお楽しみください!

こいつを大切にしないと。

そうしなきゃ。

すべて。

すべてが無駄になる。


---


目が覚める。

いつもの朝。

いつもの部屋。

いつもの音。


『ピピピピ』


時計を見る。

2003年7月1日。


……まただ。

いや。


「また?」

今、俺は何を言った?


---


「起きろォォォ!」


「うわぁぁぁ!」

いつものように幼馴染が飛び込んでくる。


「朝からうるさいな……」

そう言いながら笑う。

いつものやり取り。

何度も繰り返した。

……はずだ。


「おはよう。」


「え?」

幼馴染が固まる。


「今、そっちが普通に挨拶した?」


「失礼だな。」

笑う。

でも。


胸の奥では違和感があった。


---


何かがおかしい。

俺はこいつを知っている。

名前も。

声も。

好きな食べ物も。

昔遊んだ場所も。

全部。

全部知っている。

なのに。

どうして。

俺はここにいる?


---


「なぁ。」


「何?」


「俺たちって、いつから友達だったっけ?」


「……何それ。」

幼馴染は笑った。


「小さい頃からでしょ。」


「そうだよな。」

そう。

そうだった。

なのに。

頭の奥から別の声がする。


『違う』


『お前は何度も会っている』


『何度も失っている』


---


夜。


眠れなかった。

夢を見る。


プール。

雨。

病室。

知らない街。

巨大な揺れ。

何度も聞いた声。

何度も聞いた悲鳴。


でも。


目覚めた瞬間。

全部消える。


残るのは一つだけ。


「あいつを守らなきゃ。」

理由は消えている。

でも。

感情だけ残っている。


---


「なんでだよ。」


暗い部屋で呟く。


「なんで俺は……」


「こいつを守りたいんだ?」

答えは出ない。

記憶がない。

いや。

違う。

ある。

ありすぎる。

でも。

どれが本当の記憶なのか分からない。


---


その瞬間。

景色が歪んだ。

気づけば。

知らない場所に立っていた。

空は白い。

地面はない。

でも怖くない。

なぜか。

懐かしい。


「やっと来たね。」

声がした。

振り向く。

そこには。


俺がいた。


「こんにちは。」


「僕は君さ。」


---


「……誰だよ。」


「君。」

そいつは笑った。


「正確には、君の中から分かれた存在。」


「何を言ってる。」


「君は七夕の日に願った。」


「記憶を。」


「僕は願った。」


「知識を。」


---


「……七夕?」


その言葉を聞いた瞬間。

頭の奥で何かが弾けた。

短冊。

鉛筆。

願い事。


『物覚えがよくなりますように』


---


「そうか。」

俺は。

一度。


全部忘れたんだ。


「でも、なんで俺はループしてる?」


もう一人の俺は静かに答えた。

「君が望んだからだよ。」


「もう一度会いたいって。」


---


「……じゃあ。」


「このループを終わらせる方法は?」

そいつは少し黙った。


そして。

小さく笑った。

「鍵は……」

「神様。」


---


「え?」


聞き返した瞬間。

世界が崩れる。


「待て!」


「おい!」


「神様って何だよ!」


---


『ガコンッ』


---


「またね。」

遠くで声が聞こえた。

お楽しみいただけたでしょうか?

正直、改稿版作るの大変でした…

なので次の話も、どうぞお楽しみください!

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