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幻想リスタート

原作と少々違うところもありますが、別の世界線(?)としてお楽しみください!

目を覚ました。

白い天井。

消毒液の匂い。

病院。


……そうだ。


俺は階段から落ちた。

あいつの手伝いをしていて。


「……なんでだ?」


口から言葉が漏れる。

なんで俺は、あいつを手伝った?

幼馴染。

昔から一緒だった。

よく喧嘩した。

すぐ怒る。

すぐ文句を言う。

正直、面倒なやつだ。

なのに。

あの時。

あいつのために動いた。


そのせいで階段で転んだ。


---


「起きた?」


声が聞こえる。

横を見る。

幼馴染がいた。


「……」


安心した。

その瞬間。

涙が出た。


「え?」


自分でも分からなかった。

悲しいわけじゃない。

嬉しいわけでもない。

ただ。

会えたことが。

当たり前じゃない気がした。


「何泣いてんの?」


「……分からない。」

本当に分からなかった。


「変なの。」

そう言って笑う。

その笑顔を見ると、胸が苦しくなる。


---


退院してから。

俺は少し変わった。

いや。


何かを思い出せない。

そんな感覚がずっと残っていた。

夢を見る。

知らないはずの光景。

泣いている自分。

何度も伸ばす手。

何度も届かない手。

目が覚めると、内容は消えている。

でも。

一つだけ残る。


絶対に守らなければならない。


その感覚だけ。


---


一年後。


君はいなくなった。

原因不明の病気。

医者も分からなかった。

周りは言った。


「仕方なかった。」


「誰にもどうしようもなかった。」


そんな言葉。

聞きたくなかった。


「なんでだよ……」


まただ。

また失った。

でも。

今回は違う。

何を失ったのか。

分かる。

名前も。

声も。

笑顔も。

全部覚えている。

なのに。


理由だけが分からない。

なんで俺は。

こんなにも苦しいんだ。


---


「忘れたい。」

気づけば呟いていた。


「もう嫌だ。」

何度も失うくらいなら。

全部なくなればいい。

その方が楽だ。


「神様。」


「もう……」


「大切なものを失う記憶なんて、いらない。」


---


『ガコンッ』

お楽しみいただけたでしょうか?

正直、改稿版作るの大変でした…

なので次の話も、どうぞお楽しみください!

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