第39話 特訓編②
リリスがそう言って部屋を出る
葵と梓紗も後を追って外へ出た
庭は思っていたより広く、端には木が並んでいて、地面には細かい石が散っている
「葵、今の自分の状態分かる?」
「……無意識で反応してる、ですか」
「半分正解」
リリスが地面の石を一つ拾う
「今のあんたは、妖気が漏れてる」
軽く上へ放る
石が落ちてくる
その途中で、不自然に止まった。
葵は動いていない。
けれど石は空中で揺れたまま静止している
梓紗が少し引く
「いやほんとに無意識なんだ……」
「感情に反応して勝手に言霊になってるのよ」
リリスが石を掴み直す。
「だからまずは、漏れてる妖気を自分で抑えなさい」
葵が少し眉を寄せる。
「……そんなこと言われても、何をすればいいか……」
言い切る前に、近くの小石がカタッと揺れる
リリスがそれを見る
「今みたいなの」
「反応した瞬間に、自分で気づけるようになりなさい」
揺れはもう止まっていた。
「今のあんたは、力を使ってる自覚すら曖昧なのよ」
「無意識で漏れる、感情で反応する、だから周りまで巻き込む」
梓紗が少し不安そうに葵を見る
リリスはそのまま地面に石を落とす
「まずは、自分が“いつ反応したか”を理解しなさい」
葵は地面の小石を見る、さっき揺れたはずなのに今はもう何も起きていない、
自分では動かしたつもりもなかったのに気づけば勝手に反応している
「……分かりにくいです」
素直にそう返すと、リリスが軽く肩をすくめる
「最初はそんなものよ」
そのまま庭の端の木へ視線を向ける
「例えば今、あんた緊張してるでしょ」
「……まあ、人としゃべるの慣れてませんから」
返した瞬間枝先がわずかに揺れる、風じゃない。
周りは動いていないのにその枝だけが不自然に震えていた
葵の視線がそっちへ向く
リリスが横から見る
「今のがそうよ」
「感情に妖気が引っ張られて、そのまま言霊になりかけてる状態ね」
梓紗が枝を見る
「え、じゃあ緊張しただけで反応してるんですか?」
「してるわね」
リリスは普通に頷く
「だから無意識って言ってるのよ」
葵はまだ揺れていた枝を見る
少しすると震えが止まる
その代わり、今度は足元の砂がわずかに動いた
「あ……」
葵が視線を落とす
リリスが小さく息を吐く
「一個止めても別に流れる、今のあんたはそういう状態」
梓紗が苦笑いする
「なんか制御っていうより漏電ですね……」
「近いわよ」
リリスはそのまま返す
「妖気の流れが安定してないの」
そのまま葵を見る
「だからまず、感情が動いた瞬間を自分で掴みなさい」
葵は足元の砂を見る、動きはもう止まっていたけれど、自分が何に反応したのかまではまだよく分からない
「……え?」
少しだけ困ったように眉を寄せる
「つまり、何があっても感情に揺さぶられるなってことですか?」
リリスはそれを聞いて小さく笑う
「そんなのできるなら誰も苦労しないわよ」
そのまま木にもたれかかる
「感情を消せって話じゃないの、反応した瞬間に気づいて止めるって話」
「怒った、焦った、緊張した、その時に自分で分からないまま漏れるのが一番危ないのよ、まぁ早速やってみましょうか」
多分三日間くらいかな?更新できなくて申し訳ないです、これからまた再開していくので気長にお待ちください!




