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第12話 対象転移

先生が教室を出たあと、窓の戸締まりを確認して図書室のカギも閉めた

「……なんか疲れたな」


「そうだねー、でも結構うまくいってたと思うよ」


「……そっか、とりあえずさっさと帰るか」


そのまま外に出ようとして、ふと教室の方を見る


「ねぇ葵、机そのままでいいの?」


「……あー、さっきのままだな」


「ちゃんと並べといた方がよくない?」


「それもそうだな、よし直すか」


教室に戻って、机を動かそうとする


そのとき、頭の中で勝手に“位置”が合う


「――座標転移」


机が揺れて、そのまま元の位置に収まる


「……今の見た?」

「見た」


「勝手に出たんだけど」


「うん、完全に無意識」


少しだけ間が空く


「さっきより自然だったね」


「それ褒めてるのか?」


「事実」


手を見る


「これ、普通にまずくないか」


「今のところは便利だよ」


「“今のところ”な」


「うん、“今のところ”」






「じゃあここで」


「うん、また明日」


背中越しに手を振って、そのまま歩く


しばらく進んで、見慣れた家が視界に入る


「……ちょっとやってみるか」


玄関の中を思い浮かべる


そのまま一歩踏み出す


「――対象転移」


一瞬だけ視界が揺れる


次の瞬間、玄関の中に立っている


「……やっぱりか」


振り返る


外が見える


「マジかよ、できるもんなんだな」


足元を見る


外履きのまま中にいる


「……やば」


ドアを開ける


外はそのままある


しばらく黙る


靴を脱いで、そのまま中に上がる


「……普通にできたな」


小さく呟いて、もう一度玄関の方を見る


さっきまで外にいたはずなのに、距離の感覚が変なまま残っている


「もう一回……」


玄関の外を見て、その位置をなんとなく掴む


さっきと同じ感覚


一歩だけ踏み出す


「――対象転移」


視界が揺れる


次の瞬間、門の前に立っている


「……は?」


振り返る


家がすぐ後ろにある


少しだけ息が止まる


「……戻った?」


足元を見る


ちゃんと外にいる


そのまま玄関の方を見て、少し考える


「これ、普通に行き来できるのか……?」


もう一度だけ中を思い浮かべる


さっきよりはっきりしている


「――対象転移」


一瞬で玄関の中に戻る


「……」


しばらく動かない


さっきより迷いがない


「……慣れてきてるな」


小さく呟いて、そのまま玄関に立ったまま止まる


「じゃあ……」


今度は近くじゃなくて、もう少し先を思い浮かべる


リビングの位置

ソファの場所


距離をなんとなく掴む


「――対象転移」


一瞬だけ視界が揺れる


次の瞬間、リビングに立っている


「……おい」


思わず声が漏れる


さっきより遠いのに、ほとんど感覚が変わらない


そのまま周りを見る


「……これ、範囲とかあるのか?」


少しだけ考える


「……いや」


「あとで試せばいいか」


ソファに座る


体を預けると、ようやく力が抜ける


「……今日はもういいだろ、今日はいろいろありすぎて疲れた。」


そのまま葵はソファーで眠ってしまった

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