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黒き天使:敵国の王の妻として誤解され、子供たちを守るために最強の司令官となった女  作者: Leon


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第8章 神の影と勇気の選択

艦の大広間には、張り詰めた緊張感が漂っていた。赤い警報ライトが、ローラが宇宙空間へ飛び出した船体の亀裂の近くに集まる人々の恐怖に染まった顔を照らし出していた。


ドリアが一歩前へ出て、戦闘用グローブをはめ直し、外の暗闇を見据えた。


「私が行きます」


「だめだ、ドリア」


その力強く響き渡った声に、広間全体が静まり返った。ヴァロン卿の父であり、XPの最も古い参議員の一人であるヴァンダーが、廊下の奥から姿を現した。その堂々たる佇まいに、何百人もの兵士と避難民の視線が集まった。


「この場所は多くの者の避難所である」ヴァンダーは大きな声で、集まった全員に聞こえるように宣言した。「ヴァロンはここにクリザードの者、しかも宿敵の息子を連れてきたことで重大な過ちを犯した。神聖なる法により、我々の種族同士の闘いは固く禁じられている。だが、ローラを助けに行きたい者がいるのであれば——それは個人の判断によるものとする。ただし、XPの民は行くならない。ライコールと時の双子、カエルとサエルはすでに向かっている。彼らならクリザード兵に対処できる」


「ですが父上!」ヴァロンは憤りを込めて目を輝かせた。「私には対処できます! 我らの同胞の女性を死なせるわけにはいきません!」


「黙れ!」ヴァンダーは自分の息子を厳しく睨みつけ、怒鳴った。「彼女は敵王の妻だ! お前は我が種族の歴史と安全そのものを危険にさらそうとしている!」


ヴァロンは手袋がきしむほど拳を握りしめた。ドリアがさらに二歩前へ進み、怒りに満ちた面持ちで言った。


「私は彼女と約束を交わしました。私の息子と彼女の娘を結婚させると。だから私には、ローラを守る義務があります!」


「それのためにXP惑星全体を危険にさらすというのか⁉」ヴァンダーは緑色の重苦しいオーラを発しながら言い返した。「ドリア、私に逆らうな!」


ドリアは歯を食いしばり、拳を固く握り締めた。空気の重圧が増していく中、自動扉が開いた。


アリアナが幼いララを腕に抱いて歩いてきた。その隣には小さなリーが、血のように赤く輝く狼のような瞳を燃やし、濃く暗いオーラを漂わせて立っていた。


「私はXPの民です……」アリアナの落ち着いた声が場内の静けさを切り裂いた。「だけど、皆が臆病だからといって、友人を死なせたりしません!」


「お願い、アリアナ……」リーは胸を躍らせて悲痛に訴えた。「お母さんのところへ連れて行って! みんな倒してやる!」


アリアナはうつむいて恥じ入る兵士たちと参議員たちを見回した。


「戦争の苦しみを知らないのが我々だけだなんて、それで正しいのでしょうか」アリアナは言った。「他の種族が宇宙で滅びゆく中、我々だけが安穏と暮らすなんて。今日、私はその安穏を捨てます。友人が必要としているから」


ためらうことなく、アリアナは赤ん坊のララを涙ぐんで見守っていた妹に託した。続いて彼女は自分自身とリーを、黄色いエネルギーの分厚い膜で包み込んだ。ダイヤモンドのように輝く流線型のバリアが二人を守ると、そのまま猛烈な勢いで船体の亀裂から宇宙空間へ飛び出し、死の惑星K11へと一直線に飛んでいった。


ヴァンダーの命令に従うしかないドリアは、鉄の床にひざまずくと、力強く床を殴りつけた。金属がひび割れ、その音が響き渡った。艦内には恥じ入るようなささやきが広がっていった。


――――


荒廃した惑星K11の地表では、冷たい風が暗い岩の峡谷の間を吹き抜けていた。


ローラは険しい岩山を必死に走っていた。地形を利用して追跡者を振り切ろうとしたが、五人の精鋭クリザード兵のうち四人が容赦なく彼女を追い詰め、元素弾を浴びせかけた。彼女が展開する黄色いエネルギーバリアは次々と砕かれていく。


「王女様の実力というのはこの程度か⁉」一人があざ笑い、風の刃を放って彼女の肩の装甲を切り裂いた。


岩の峰の上では、残る一人——火の精霊の血を引くキム将軍——が腕を組んでその様子を見守っていた。彼の瞳には嘲りも怒りもなく、ただ物憂げな寂しさが宿っていた。


「なぜ人は争わずにいられないのだろう」将軍は、かつての帝国の野望によって滅びたこの星の大地を眺めながら思った。「無数の神々がいるというのに……我々はただ、神々の娯楽のために生まれてきたのだろうか」


将軍のすぐそばで、突然、半透明の白い光が現れた。純粋な輝きのその姿は、しばらく彼を見つめると、わずかに認めるような微笑みを浮かべた。将軍は思わずまばたきし、何か見えない存在を感じて身震いしたが、光は風に舞う塵のように消え去っていた。


眼下の戦闘を見つめながら、古い記憶が彼の心に蘇ってきた……


――――


過去の記憶


まだ若かりし頃、彼とアレスはクリザードの兵舎で腕白を繰り返す二人の天才将軍だった。ある夜、無限の野心を宿した瞳でアレスが言った。


「いつか俺が王位に就く。そして俺のやり方で国を治める」


「他の王たちと何が違うのだ、アレス?」彼は尋ねた。


「俺はどの神にも仕えない」アレスは冷ややかな笑みを浮かべて答えた。「神々は人を分断し、戦争を煽るだけだ。俺は一つの世界を作りたい。支配される側になるくらいなら、支配する側になる……それがこの世界の法則だ。俺がこの宇宙の新たな神になる」


数ヶ月後、別の記憶がよみがえった。アレスがXPへの潜入任務から戻ってきたとき、彼は宿舎でアレスを問い詰めた。


「アレス、正気か⁉ XPの女を妊娠させたなんて! カイロン王に知られたら、お前は死罪だぞ!」


「どの元素の地域にも、俺の子を残してやる」アレスは悪びれる様子もなく言った。「XPの中にも後継者を置く。いつか俺は神になるのだから」


「狂ってる! もしその子供が我々の種族の赤い髪を受け継いで生まれたらどうする⁉ 潜入作戦が台無しになるぞ!」


「何とかするさ……」アレスは一瞬だけ、硬い表情を和らげた。「だがローラは……彼女は違う。彼女といると、普通の自分でいられるんだ」


「お前は正気を失った、アレス!」


「あのXPの女のためなら、俺は死んでもいい……」アレスは恐ろしいほど真剣な眼差しで言い切った。「そして彼女のためなら、誰だって殺す」


やがてカイロン王がその事実を知り、ローラと赤ん坊たちの処刑を命じたとき、アレスは王位に逆らった。彼は思い出す——アレスがカイロン王の心臓を手に、戦闘会議の場に立ったあの日を。そしてクリザードの全軍が、新たなる王の前にひれ伏した瞬間を。


――――


現在へ


ローラは岩の上に倒れ、血を流し力尽きていた。四人のクリザード兵に囲まれ、とどめの一撃が振り下ろされようとしていた。


「やめろ!」


将軍の声が山間に響いた。彼は崖から飛び降り、四人の傭兵たちの前にどっしりと着地した。


「王アレスに、この女を傷つけたまま届けたらどうなると思う⁉ 生き皮を剥がれるのがお前たちだ!」


他の三人が反論する間もなく、黄金の閃光が空を切り裂き、隕石のように地面に叩きつけられた。


衝撃波が四人を驚かせて後ずさらせる。砂塵が晴れると、クレーターの中心にアリアナが立っていた。彼女の瞳は灼熱の黄金色に輝き、そのエネルギーがローラを優しく守り包んでいた。すぐ隣では、小さなリーが一歩前へ踏み出し、血のように赤い瞳に王家の怒りを宿らせていた。


二人は並び立ち、最終決戦の構えを取った。

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