第3章 血、影、そして伝説の刻印
ローラはK11の秘密要塞の金属の回廊を歩いていた。腕には幼いララを抱き寄せ、その隣をリーが歩いている。少年の歩調が鉄の床に響いていた。
共同スペースに進むにつれ、周囲の空気が凍りついた。避難民や職員たちは話すのをやめ、一斉に振り向く。軽蔑と疑いのまなざしがこの小さな家族を追い、刺すような囁きが漏れた。
「見てみろ……暴君の王と関わった女だ」
「裏切り者だ。なぜドリアがこんな者をここに入れておくのか」
リーはうつむき、自分の靴先を見つめた。拳を強く握りしめると、顔を上げて母を見た。
「母さん……父さんはどうして狂って、僕たちを襲ったの?」
ローラは足を止めた。深く息を吐き、そっと息子の緑の髪をなでる。その無垢な瞳を見つめ、彼女は決意した。
「私の愛しい子……今日から、父さんとの絆を断ち切らなければなりません。でも真実を隠したりはしない。あなたは賢い子だから。父さんはクリザードの王なのです。彼はずっと私たちを欺いていました……エックスピアの人間として偽装していたのです。私が本来結ばれるはずだった男性は、とても優しい人でした。だが先代の王カイロンによって殺されました。敵国の王から信頼されていた将軍だった父さんが、その男に成り代わり、エックスピアへ潜入し、ヴァーロン卿を捕らえる任務を負っていたのです」
涙がこぼれ落ちるのを拭いながら、ローラは身をかがめ、リーの目線に合わせて続けた。
「父さんの正体が暴かれたとき、彼はすべてを打ち明けてくれました。王が私たちを殺すよう命じていたので、一緒に逃げようと言ってくれました。でも私は応じませんでした……女神ララへの信仰を捨てることはできない。自分の民を裏切ることもできない。それで私が拒否したから——彼は私たちを殺そうとしました……」ローラの声が震えた。「でもあなたが現れてくれた。あなたが私たちを守ってくれたのです」
リーは唾を飲み込み、胸を躍らせながら尋ねた。
「……父さんはまた僕たちを探しに来るの?」
「彼は王カイロンを倒し、王位に就きました」ローラは説明した。「今や父さんは誰もが想像する以上の力を持っています。でもここ、この要塞の中なら安全です。だから私たちは、互いを頼りに生きていきましょう。いいですか?」
「僕、強くなる!」リーは瞳を輝かせて言った。「強くなって、母さんとララを必ず守る!」
ローラは心温まる微笑みを浮かべた。
「そうね、きっとなれるわ」彼女は中央広場の方を指した。「ほら、他の子たちが遊んでいるわ。行っておいで、友達を作って」
「うん!」リーは元気に走り出した。
ローラは歩き続けた。だが突然、三人の女性職員が道を塞いだ。一人がローラを冷たい壁に突き飛ばした。
「あなたがあの暴君の妻なのね!」一人が叫んだ。「あの男は私たちの故郷を滅ぼしたのよ!あなたがここにいるだけで、みんなが危険にさらされるの!出ていって!」
「やめなさい!」ドリアの凛とした声が響いた。長官が急ぎ足で近づいてきた。「ローラに誰も触れたり、侮辱したりすることを許さない!アレスの行いに彼女に責任はない。もし彼女が彼の裏切りに加担していたのなら、とっくにクリザードの玉座の側にいたはずだ。彼女は最後まで自分の民に忠実だった!」
その女性は退かず、憎しみに震える声で言い返した。
「だからといって、あの侵略者の血を引く子供たちがいることに変わりはない!」
その瞬間、子供たちの遊ぶエリアから鋭い叫び声が響いた。テーブルのそばで、エックスピアの少年がリーを地面に突き飛ばし、怒鳴っていた。
「こっちに来るな、汚らわしい!お前はリムの子孫だ!」
その一言は、まるで鋼の拳のように周囲を打ち砕いた。
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二つの神の伝説
宇宙のどの世界においても、その言葉は五百年にわたる痛みの記憶を呼び起こすものだった。
今から五百余年以上昔、エックスピアは宇宙を支配していた。その圧政はクリザードの人々をあまりにも残酷に苦しめ続けていた。だがすべてが変わった——クリザードの一人の若き猟師、リムが忘れ去られた洞窟の奥底で、古き石を発見したのだ。その中にはカイロスという神の存在が封じられていた——狼男の姿に黒い翼、五つの尻尾が五つの元素(水、火、土、風、雷)を象徴する、悪夢のような神である。
解き放たれたカイロスはリムの体に宿り、人知を超えた力を授けた。リムは戦争の神となり、エックスピアの勢力を打ち倒し、宇宙の秩序を塗り替え、クリザード帝国を築き上げた。
この破壊を抑えるため、エックスピアの指導者たちは美しく気高い娘ララを差し出した。戦争の神が貢物を求めてエックスピアへ降りるたび、ララを花嫁として捧げることで和議を結んだのだ。リムはララに魅了され、その申し出を受け入れた。
だが密かに、エックスピアの指導者たちはララに命じた——どうしてもリムを暗殺せよ、と。ララはあらゆる手を試した。死んだ星から採れる猛毒、禁じられた呪術、神の加護を受けた短剣……だがリムの中のカイロスが常に彼を守り、あらゆる試みを無効にし、彼を無敵の存在としていた。
そうしてある日、何の前触れもなく、痕跡すら残さず——リムは忽然と姿を消した。
宇宙が混沌に飲み込まれようとしたとき、気高きララはエックスピアとクリザードの民を大きな祭壇のもとに集めた。憎しみを和らげ、無用な殺戮を避けるため、彼女はこう宣言した——リムは天に昇り、今もこの宇宙を見守っているのだ、と。そして二つの種族が再び戦うことのないよう、神聖な法を定めた。もし戦いが起これば、リムが天から降りて罰を下すだろう、と。その後、黄金の光の柱に包まれたララ自身も天へと昇り、何千もの人々の見守る中、その姿を消した。
その日から、クリザードの民はリムを最高神として崇め、エックスピアの民はララを守護女神として敬うようになった。ゆえに——エックスピアの者を「リムの子」と呼び、クリザードの者を「ララの子」と呼ぶことは、この宇宙で最も屈辱的で冒涜的な侮辱なのだ。
その言葉が発せられた瞬間、リーの周囲の空気が一変した。
八歳の少年の体から、純粋なクリザードの力を帯びた濃く赤いオーラが爆発的に噴き出した。衝撃波がエックスピアの少年を勢いよく弾き飛ばした。
リーの緑の髪が重力に逆らって浮かび上がる。その瞳は狼のように縦に切れ込み、緑色の瞳が血のような紅く輝き始めた。
周囲の子供たちは悲鳴を上げ、逃げ惑った。
ローラに詰め寄っていた女性職員は、恐怖に震えながら指を差し叫んだ。
「見たでしょ、ドリア!!見たでしょ!!こんな化け物をここに連れてきたなんて!」
ドリアですら思わず一歩下がった。まだ幼い子供の内側から溢れ出す、あまりにも強大で破壊的な気迫に、明らかに驚いていた。
ローラだけは混乱の中でも冷静さを保っていた。彼女は速やかに息子のもとへ歩み寄り、燃え上がるオーラのそばでひざまずき、そっと肩に手を置いた。
「リー……さあ、行きましょう。ここを離れるわ」
リーはゆっくりとまばたきをし、瞳の紅い輝きが次第に消えていくのを感じた。母を見上げ、次に周囲の人々の驚きと恐れに満ちた顔々を見回し、自分が何を起こしたのかを悟った。一言も発することなく、母の手をしっかりと握り、静かに人々の沈黙の中を歩き去った。




