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せっかく転生したのに日本でスキルが通販スキルなのはさすがにひどくないですか?  作者: 色蓮
2章

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89/91

第89話 予選

 1日目は、基本的にはリレーのみ参加の先輩2人は特に出番はない。

じゃあなぜ連れてきたのか…2人はここの会場が初めての為、明日変に緊張しない為である。



「突破出来ると思いますか?」

と男子陸上部のマネージャーである小町先輩から声をかけられた。

「俺に聞きますか…」

「多分一番詳しいじゃないですか」

ちなみにここには先生と俺、そして先輩2人しかいないのでそう言われるとそうかもしれない。



「予選突破はギリギリってとこかなぁ例年のタイムから考えると先輩のベストタイムを出せばなんとかって位」

「やっぱりそうですかぁ…」

「残念?」

「まぁ残念な気持ちもありますけど…陸上は割と現実的なので諦めてる部分もあります」



スポーツは種目によっては、その日の調子だったり運によってひっくり返る種目も存在する。

しかし、こと陸上に限っていえばそれはほとんど起きない。

どう頑張っても練習以上のタイムが出ることはないからだ。



いくら本番に強いタイプといっても限界ぶち壊せる訳では無い。

本番に強いタイプというのは練習の成果を100%出せるタイプの人間の事を言う。



練習のタイムを超える訳では無い…。

まぁ練習でタイム調整をしているせいで本番で速い人がいるとタイムをぶち破る規格外もいるがそれは例外である。



先輩のタイムでは、恐らく予選は抜けても決勝で負ける。

もちろん、他選手が調子が悪い等あれば別だが…皆万全という話なら決勝は勝てない。



「現実は無情だからな…」

「まぁ予選を抜けられれば箔は付きますから、それで本人は満足なんじゃないですかね」

ともっと憤慨されるかと思ったが、ドライな反応が帰ってきた



「結構、ドライだな」

「まぁ兄ですから」

「マジかよ!?」

衝撃の事実だった。



「そういうの全く把握してないのはダメだぞぉ」

と叱られてしまった。

「そういうのは自己紹介とかの時に言ってくださいよ」

元々あまり関わりが無かったこともあってその辺は把握してなかった。



「2年達は皆しってるからね、わざわざ言う必要も無いからさ。それにキミ、最初の自己紹介の時はいなかったでしょ」

「ぐぅ…」

「ぐぅの音は出てるから大丈夫そうね」

ぐぅ…まぁそこを突かれると何も言えない。



そこから先輩が走る番となった。

「調子は良さそうですね。これなら突破は出来そう…」

「僕には全然わからないけどねぇ…」

と先生は答える。



真面目な先生なのだが、残念な事に指導技術はない。

まぁ真面目なのは良いことだ。

タイムなどで他と比較することは出来ても走り方などを見ての判別は出来ない。



計測結果が出たが、やはりギリギリといった所だった。

「ギリギリ突破出来るかどうかってとこですね」

「女子の方は順調みたいだね」

「まぁあっちは正直予選の心配はないので…」



アヤネとサヤ先輩の方は、先輩2人にまかせてあるので俺は待機である。

というか女子の部は俺が行くと大分目立つ。



アヤネはトップで通過。

例年よりもタイムが遅いようだ。

例年のタイムと同じ速度で走れるように調整していたので問題なかったようだ。



サヤ先輩も無事に突破したようだ。

これで先輩2人は決勝がある明日までは予定は無くなった。

だが、残念な事にアヤネはまだ2種目残っている。

うち一つは午後なので待機となる。



「とりあえず俺は家族の所に戻ってますね」

「ああ、こっちは大丈夫だ。明日は手伝って貰うことになるかと思うが」

「わかりました」

明日はリレーに加えて決勝戦があるので人手が足りなくなる可能性があるからだ。



観客席に戻ったのだが…。

ああ…まぁそういう輩が少ない場なので問題なさそうではあるが目立ってるなぁ…。



チラチラと視線を集めていた。

「どうも、ただいま」

「おかえりー、アヤネ1位だったよ」

「だろうね…」

「もう少し喜んであげなさいよ」

「練習と同じタイムを出せた事については褒めてますよ」



「エルナさんとメイさんには退屈なんじゃないですか?」

「ううん、正直こういう催しがあることに驚いてる」

「あっちだとこういうことするのは兵士の選定とかだからねぇ」

確かに…あっちの世界ではすべて戦う事につながるのでスポーツというものが存在していないそうだ。



「2人が出たらアヤネと良い勝負が出来ます?」

「「無理」」

と即答であった。



「私達とアヤネじゃ子供と大人以上の差があるからそもそも勝負にもならないわ」

「本気のアヤネの場合はスタートと同時にゴールするのでアヤネからすれば私達もあの子達と大差はありませんよ」

やはりアヤネは規格外らしい。



「ってかこの辺だけ涼しいけどなんかした?」

「風を操ってちょっとね」

とエルナが答えた。

「俺の仕事は無さそうだからこっちに居ようかな…あっちは暑くて」

「良いんじゃない?」

といってエルナの隣に座る。



少し離れて座ったはずなのだが…なんか寄ってないか?

気の所為か?

「お昼にはアヤネ来るんでしょ?」

「うん、アヤネは午後の部もあるから」

という訳で午後にアヤネが来るまでは他の競技を観戦していた訳だが…。



「なにじろじろ見てんの」

とアヤネが戻ってきて開口一番にジト目を向けられてしまった。

「いやいや、来年のためにタイムの確認だよ」

「ほんとにぃ?」

「ほんと、ほんと。それにしても少し早かったんだな」

「うん、午後もあるし少し早く解散になった」



という訳でお昼を食べる事になった。

「それにしてもめっちゃ目立ってたよ…今もだけど」

「まぁ家族ではあるけど目立つよなぁ」

恐らく家族構成からすると祖母が母で残りは兄妹姉妹に見られていることだろう。



「インターハイだったら普通に取材とか来そう」

と冗談で話していたのだが、まさか本当になるとはこの時は思ってもいなかった。



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