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せっかく転生したのに日本でスキルが通販スキルなのはさすがにひどくないですか?  作者: 色蓮
2章

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83/91

第83話 健全

 朝というか前夜のことを思い出してしまい授業への集中力がなかった自覚はある。

「ねぇ、なんかあった?」

というアヤネの問いに

「い、いや別になにも」

という返ししか出来なかった程度の判断力であった。



授業中ずっとアヤネから発せられる強烈な視線に苦しめられる羽目になった。

俺じゃなくて授業に集中しろ。



帰り際には、ようやく心が…落ち着くわけなかろう。

こちとら前世含めて女性経験のないかなり拗らせた男だぞ冷静でいられるはずもない。



これから指導をするのにこれはまずいと思い顔を洗ってからグラウンドに向かう。

グラウンドに到着すると先輩達が駆け寄ってくる。

「ねぇ!凄いタイムでたんだけど!一体何をしたの!?」

と走ってくるサヤ先輩。

今はくっつかないで欲しい。



精神年齢差を考えれば子供だとして今までは気にしていなかったというのに、今日はやけに意識してしまう。

肩を掴み身体を離す。



「日頃の成果が出ただけですよ、それにフォーム改良の影響も大きいと思いますよ」

と冷静に返す。

「それだけでこんなタイムは出ないと思うのだけど…」

と不思議そうにしていた。



「それだけフォームって大事なんですよ、ほら戻っていつもの準備運動してください」

といって解散を促す。



土日での筋肉量を調べたい所だが、今日はやめておくか…いやでも…うーん。

「ねぇ」

突然後ろからアヤネの声がした。

「ひぃっなんだびっくりしたな」



「やっぱりさなんかあったでしょ?」

「なんもねーよ」

「明らかに前までの態度と違うんだけど」

こいつ、こういうのはほんとに鋭い。



「どう違うんだよ、普通だろ」

「前はなんか普通にあしらってたのに今はなんか焦ってるように見えた」

そういって首筋を指で撫でられる。



「やめい」

「発汗量もいつもより多いし絶対なんかあったでしょ」

誤魔化せるか…?これしかし、どう疑われようとも事実を証明することは出来ないのだから誤魔化せばいいか…。



「別に、朝のシェルター設置とかでちょっと疲れてるのかもな、ちょっと用事もあるし早めに上がるから後は頼むわ」

そういって先輩達の元に向かった。

「あっちょっと!」



それ以上は追求してこなかったが明らかに疑心の目を俺に向けていた。

その後も平静を保ちながら全員の筋肉をチェックする。



やはり、この薬の効果は素晴らしいとしか言いようがなかった。

通常あまり負荷をかけすぎても回復が阻害されて効果が出ない事もあるが、この薬はその回復を促進するので大きな負荷をかけても問題がない。



特にインナーマッスルは鍛えて効果が出るまで時間がかかるのだが、骨盤などの歪みの調整をした上でインナーマッスルを重点的に鍛えたおかげで姿勢も安定しフォームがすぐに固定することが出来た。



一応、この特訓は先輩たちしか内容を知らない。

それについては誓約書にも記載してあるからだ。



他の人にも指導を頼まれても面倒という事もあるが、それ以上にちょっと後ろめたさもある。

今後の事を考えればアヤネの為にも陸上部全体のレベルアップの為にフォーム改善などは手伝うつもりだが、この飴に関しては別だ。



アヤネの為というのが大前提にはあるが、アヤネがいたから勝てた、アヤネだけ強い等で先輩達が不当に評価されるのを防ぎたい狙いもあり今回は飴を使用したが…。



「ちょっと反則臭いしな」

本人達の成長を手助けしているだけなので単純に身体能力をあげる薬という訳では無い。

その点については理解しているのだが…。



まぁ1~2年の生徒に関しては徐々にかなぁ…正直あまり目立った活躍をしていない俺が口を出すのもと思い今年は大人しくしているつもりだった。

先輩達から頼まれなければ指導するつもりもなかった。



なんせやる気がなければいくら指導しても無駄だからだ。

という訳で実績作りの為にも先輩達を利用している反面もある。

どちらにしても3年の先輩で大会に残っている先輩はこの3人のみ。



大会が終わった後は、1~2年生も申し出があれば考える。

今年の結果次第では来年度は増えるかもしれないし…。

練習メニュー等の指示を終えて今日は早めに帰宅した。



母からは一応その手の教育はしたという報告と帰宅したら状況説明を求むという文章が入っていた。

「ほんとに母には感謝だな」

ちなみにアヤネがいないのにどうやって帰るのかというとエルナと待ち合わせをしていたのである。



まぁ待ち合わせも何も家で待機しててもらっただけなのだが…。

「ただいま」

「おかえりなさ…い」

とんでもなく気まずい様子のエルナ。



「さて昨日の精算をしましょう」

という事で2人で話をすることに…。

母も同席を望んだが、それはとんでもなく気まずいので却下である。

お互いに若干気まずさを感じながらも話し合いを始めた。


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