第82話 知識格差
上半身裸の状態の綺麗な土下座…いやどこで覚えた?
「あのエルナさん…頭をあげて欲しいんですけどとりあえず服をですね…」
昨日、さすがに服を着せる余裕がなく服を羽織らせてはいたはずなのだが…。
「昨日は本当にごめんなさい…まさかあんな事をしてしまうなんて…」
どうやら記憶がないパターンではないようだ。
「まぁほら事故みたいなもんですし…」
実際ファーストキスを持っていかれたのを事故で片付ける事には若干の抵抗はあったが…これで責任をどうこうという話にするのはさらに抵抗があった。
「はぁ…どうしたら…あなたの子供は私が責任を持って育てるから…」
子供!?一体どういう事だろうか…もしかしてエルフはあの行為で子供が出来てしまうのだろうか…。
「あのつかぬことをお伺いするのですが…」
と尋ねるとエルナが身体を上げる。
そして見事な肢体が目に入ってしまう。
「とりあえず服を着ましょう」
といって近くにあった外套を差し出す。
そしてそれを羽織る…これはこれでエッチだな…という雑念に襲われるが振り払う。
「えっと…エルフの場合は…そのキスだけで子供が出来てしまうんですか?」
「ええ、あんなに濃密に混じり合ったんだもの…きっと出来てしまったわ…人間もそうでしょ?」
ん?人間はそれだけでは子供は出来ないのだが…。
「ええっと…生殖に関してはエルフと人間は一緒?」
「一緒よ、身体自体は些細な違いはあれどエルフから人間を作ったと言われる程には似ているもの」
精霊の類だといっていたが…なるほど人間の祖先に当たるのかもしれない。
「ええっと…人間は口と口を合わせるだけでは子供は出来ません」
「えっ!?あんなに接触したのに!?」
「はい…」
ああ、確かに一般常識を学んでもらったが性知識に関しては教えた覚えがない。
ええ…そういうのは親から子へという伝達ではないのだろうか…。
と悩んでいると…。
「ええっとごめんなさい…少しお手洗いに…」
「あっどうぞ…」
今のうちに頭を整理するか…と考え出した所でトイレから声がした。
「きゃあああ」
という声が響いたので急いで向かう。
「大丈夫ですか!?」
とりあえずノックをして無事を確認する。
慌てて飛び出してくるエルナ…そして抱きつかれる。
「もしかしたら私は死ぬのかもしれないわ…」
「一体どうしたんですか?」
「大量の血が出たのよ、どうしましょう…もしかして昨日の袋に毒も…」
チラッとエルナの後ろに目を向けると確かに便器が真っ赤になっていたが…。
もしかして…。
「あの…失礼を承知で伺うのですが…今までにこういったご経験はありますか?」
「そんな!こんな経験はないわ!何かの病気なのかしら…」
ああああああ…もしかしてもしかしてなんだが…初潮って奴!?
えっ…数百年生きてて!?
エルフの生態ってどうなってるんだ!?
「今日は母が休みだったと思うので仕事をお休みして母から話を聞いてもらってもいいですか?」
「え、ええ…そういえばカナコは医療従事者だったわね…やっぱりこれは病気なのかしら…」
「説明が難しいのですが…恐らく病気ではないと思うので安心してもらえると…」
エルフ特有の病気の可能性はあるのだが…さすがにそれは俺でもわからない。
「とりあえず朝食を食べて色々やったら家に帰りましょう」
朝食にも一応温かいスープや飲み物を出すと
「なんかこの辺りに染み渡る気がするわ…なんだか身体もだるくて」
うーん?明らかにその症状なのだが…。
「そういえばご家族ってどうされてるんですか?」
「ああ、うちの母は私を生んで少ししたら亡くなったわ。元々寿命が尽きそうと感じて人間との間に私を作ったらしいわ」
「母体がエルフだとエルフが産まれてくるのですか?」
「ええ、基本的には母体の性質を持って産まれてくるわよ。まぁ子供自体出来にくいらしくって作るのに数十年かかったらしいわ」
「お母様からは子供の作り方については…?」
「身体の粘液と粘液を交換すると出来るって…だから接吻のことよね?」
ああああああああ…ヤバイ…どういう生き方をすればこんな間違った知識で数百年も生きてこれるんだ!?
ってかこれ母親の方も勘違いしてないか!?
「出来にくいことを考えると昨日のでは出来てない可能性もあるわね…いやでもあんなに濃密に…」
それ以上食事時に言わないで欲しい…想像してしまいいけない所が反応してしまう。
「やっぱり帰って母の話を聞いてもらった方がいいかも…」
「わかったわ…」
そして食事を終えてしばらくすると…。
「ものが到着したので設置してきます」
家の側に地下シェルターを設置できたのでその中に神器を押し込む。
後はエルナに頼んで土魔法で土を被せておいてもらった。
「これでパッと見では何もわかりませんね」
「ええ、これなら大丈夫だと思うわ」
正直中を確認したかったのだが時間もないので後日だ。
という訳でそのままあちらの世界へと帰宅した。
服を来てからリビングに向かうと母が朝食をとっていた。
メイは今から出勤するようで服を着替えて色々と荷物を持っていた。
「あら帰ってきたのね」
「ただいま、ええっと…ちょっと相談があるんだけど」
あまり時間がないので手短に済ませなければいけない。
「メイさん、エルナさん体調が悪いみたいだから今日はお休みって言っといてもらえないかな?まずい?」
「ああ、分かった。多分全然大丈夫だと思う。それに最悪私が出来るし」
とのことだったなんという安心感。
時間が無かったこともあり詳しくは聞かれずそのまま転移していった。
そして今度は母へ頼む、これが難題だ。
「あのさ、エルナさんに生理とか…そのなんというか性教育をしてもらえない?」
親になんでこんな事を頼む羽目に…。
「えっ!?」
やっぱりそういう顔になるよな…そうだよな…。
「なんか…どうもそういう知識が無いみたいで後、初めて生理きたみたいだからそこもフォローしてあげて貰えない?」
親の表情が固まっている。
そりゃそうだよな!普通こんな話しねーもん!
そんな話をしているとエルナも服を来て出てきた。
「メイさんと母さんには話しといたから!それじゃ俺は学校行ってくる!」
「ちょっと!」
と呼び止められるが…これ以上の羞恥心には耐えられなかった。
帰宅後が怖い…。
◯あとがき
前話は、最悪描写を細かく書く必要はないので問題があったら修正します。
一応、今後の展開への布石というか爆弾になるのでお楽しみにして頂ければと思います。
ハヤト自体は精神年齢は高いのですが身体は正直にできているのでかなりアンバランスな状態だったりします。




