第79話 魔岩
神器のエネルギーの回復時間は後々として、取ってきた水竜の魔石を確認する。
「デカすぎませんかね…」
「ほんとにそうね、恐竜?みたい」
全長にして50mを超える巨体は、圧巻の一言だった。
「学校の50mトラックと同じ長さって引くんですけど…」
ちなみに引き上げは勾玉を使用した。
重さはあまり関係ないようでそのまま釣りの容量で陸にあげてくれた。
「とりあえず解体するけど、残ったのは海かしらね…」
大型の魔物を狩った時は基本的に魔石だけ抜いて後は森に放置していれば他の魔物が勝手に処理してくれる。
「ドランが見たら大興奮だったでしょうね…魔王以上の存在って言われてたのに」
と話すエルナ。
「三賢者の1人で魔物を調べてた人でしたっけ?」
「ええ、そうよ」
牙などはあっちの世界で分析にかけてもらうと思い一部の素材を残して海に投げ捨てるとドンドンクソデカ魚や竜なんかがやってきてすべて処理していった。
「この勾玉は便利ね、リリースも出来るなんて」
解体作業を手伝おうと思ったのだが、エルナとメイがてきぱきと作業するのでほとんど仕事はなかった。
そして一番大事だった魔石なのだが…今まで見たきたどの魔石よりも大きく。
岩といっても遜色がないほどの大きさだった。
エルナとメイが2人とも取り出した時に衝撃で固まっていた。
「なにこれ…」
「とんでもない魔力量…」
実際魔物にとっての魔石が恐らく燃料庫のようなものなんだろう…あれだけの大きな身体を支え動かそうと思うとそれなりの…。
と思った所でもしかして俺が魔法を使えないのは体内に魔石がないから?
いやいや…それを言ったらアヤネにも存在しないはず…。
存在しないなんてことは…わからない。
もしかして体内にあるのか?
しかし、これについてはアヤネを調べてなにか見つかったらそれはそれでめんどうな事になる。
エルナ、メイの2人についても同様である。
まぁそもそも体内に魔石のようなものを持っていたとして俺の体内にないということはどうしようもない。
一瞬小さき魔石を飲んでみることを考えたが…どうせ体内に定着されずに排出されるだけだ…。
この検証はおいおいだな…と後回しにすることを決めた。
わかったとしても活用方法がおもいつかなかったからだ。
「その魔石っていうよりデカすぎて岩みたいですね…」
「そうね。重さは計ってみないとわからないけどかなりありそう」
1人でも持てるそうだが、大きすぎてバランスが悪いので2人で持っていた。
ざっくりと軽自動車位の大きさがあったのだが…。
「これでどれくらいの燃料に使えます?」
「燃料って言ったわね…まぁそのとおりなんだけど…そうね。濃縮された魔力を感じるから、いつも取ってる大型の魔石100個分位かしら」
「ええっ!?そんなに!?」
重さと魔力は比例しないとは聞いていたがとんでもない代物だという事がわかった。
「それなら1体狩ればしばらく転移には困らないという事ですね」
「ええ、過信はできないけど当面は狩りをしなくても大丈夫そうよ」
今日だけで5体の水棲魔物を狩ったので大小の差はあるもかなりの魔石が手に入った事になった。
「それなら本格的に発見した他の大陸への移動でも考えますか」
距離も含めて衛星で把握したので途方もない旅という訳では無い。
安全に関しては今回の八咫鏡という盾も手に入れたので安全性も向上した。
「さすがに船は無理よ…多分エネルギー切れがなければいけたかもしれないけど」
とエルナが注意を促す。
船は考えたのだが、八咫鏡があったとしても海路を進むのは危険すぎる。
途中で八咫鏡のエネルギーが消えた時点で詰みだ。
飛行機という手段も考えたが、そもそも操縦方法がわからない。
それに長距離を移動するとなると燃料問題などがでてくる。
「さすがに船は無理なんで船は船でも違う船の予定ですよ」
船がすべて海を進む訳では無い。
「もしかして前回使った気球ですか?」
とメイが質問をしてくる。
「あれはさすがに時間がかかるのと長距離移動にはあんまり向かないので…」
燃料の補給については俺のスキルや、魔法があるので無限に出来るとはいえ気球だとかなりの時間がかかってしまう。
それに天候などの影響をもろに受けるので怖い…。
「まぁどちらにしても日数がかかるので長期間の休みの時ですね…」
俺の考えている移動方法も気球ほどではないが時間がかかる。
それに作成にあたっての日数も踏まえれば結構ギリギリである。
通販サイトに売っていればよかったのだが…さすがに人が乗れるサイズのものは売っていなかった。
そうなると前回と同じ材料、設計図等を集めて出品するしかない。
金の問題はともかくとして設計に関してがかなり難問であった。
「どっかに依頼するか…」
外部委託するのが一番かもしれないが長期連休までの日数を考えると…。
こういうのは専門家に相談したほうがいいかもしれない。
解体作業を終えた頃には夕方になっていたので自宅に戻った。




