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せっかく転生したのに日本でスキルが通販スキルなのはさすがにひどくないですか?  作者: 色蓮
1章

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第32話 元凶

 その後、ご飯を食べた後にアヤネが口を開いた。

「さっき師匠が言ってた場所思い出したかも…1日で行ける距離じゃないから行くのはちょっと無理かもだけど」

「なんでこのタイミングで…」



「こっちの世界で食べた美味しい物ってあそこで食べた魚位なんだよね」

「ああ、塩のおかげか」

「まぁそれもあったんだけど、それで食べてたら思い出したって感じ」

記憶のきっかけになる程度には俺のご飯は美味しかったようだ。

何よりである。



「いいわよ、場所さえ分かれば私が行ってくるから」

「でも1人で行くのは大変じゃないです?」

「向こうに魔法陣があるなら移動先で魔法陣書いてもいけるんじゃないのか?」



「ああ、それは無理なんだ。普通の魔法陣じゃ上手くいかなくて完全に対の魔法陣にしてるから」

「へぇ~そうなのかってじゃあその前に試してたのかよ」

「そう、他の手紙の便箋にも魔法陣書いてあったでしょ?」



そう言われて手紙を確認するとどれも裏に魔法陣が書いてあった。

「気付かなかった…」

「ってな訳で今日送ったのでようやく上手くいったって訳」



「という訳で私はいけないんですけど…大丈夫ですか?あそこかなり秘境ですし危険ですよ。やっぱりあいつらを呼び出して…」

「だから、今は国の代表なんだからそんなポイポイ呼び出せないんだって」

「ふーん、私が声かければ来そうなのに」



なんかもしかしてかなりのガキ大将タイプだったのではないだろうかうちの妹は…。

「とりあえず近くに転移陣を書いて次回あなたが来た時に一緒にいけるようにしとくわ…まぁいけそうなら私1人でも行ってみるけど」

「あんまり無茶しないでくださいね」



ということで話は纏まったようだ。

「そんな危険な場所にわざわざいかなくても…」

「あの引き篭もりに会おうと思うと行くしか無いのよね」

「彼女は、そうですよね…」

とアヤネも呆れ顔だった。



「でも、前は違う住処でしたよね?引っ越したんです?」

「あ、ええっとそうね。魔王討伐後は疎遠だったから実際どこにいったかわからなくて」

「そうなんですね、今度一緒に行きましょう。それまでに転移陣だけ用意しといて貰えれば」



「じゃあ念のため、そろそろ帰るね。大丈夫とは言っても心配だし」

魔法陣が消えるのは、1日と分かっているとはいっても、異世界に転移した場合も同じだけ持つとは限らない。

念には念を入れるのは大事だ。



「じゃあ行くね」

そういって手紙の上に立つアヤネ。

「おう、またな…無理するなよ。俺は大丈夫だから」

「うん、実際に姿見れて安心した…最後に頭撫でて欲しい」

「最後にって…また来たらうやってやるよ」



そう言ってアヤネの頭を撫でる。

ほんとにこれが好きなのは小さい時から変わらないなぁと思いながら見送る。

「このまま連れ帰れればなぁ」

と呟き俺を抱きしめる。



そして光輝きアヤネの姿が消えた。

「やっぱりダメみたいですね」

アヤネの身につけていたものがその場に残っていた。



「まぁわかっただけでもいいんじゃないかしら。それに姿が消えたって事は無事に向こうについた証拠よ」

転移魔法は、基本的に向こうの魔法陣に何かあれば転移そのものが発動しないそうなので姿が消えた=無事に転移できたという証明でもあった。



「そういえばアヤネと2人で話してましたけど大丈夫でした?」

「ええ、新しい魔法を教えてもらったの本の翻訳もできるんですって!」

と新しい魔法を教えてもらい少し興奮気味だった。



「そうは言っても、もう読めるじゃないですか」

すでにほとんど読めるようになっているエルナには不要な魔法に思えたが…。

「読めるのと私のわかる言葉になるのでは全然違うのよ。あなたに意味を聞かなくてよくなるもの」

という訳で早速、本の虫になっていた。



俺は昼食の片付けをしながら、夕食の仕込みをしておく。

発電機の充電やら排水タンクの処理なんかを外で作業している。

このあたりも自動化したい。

そんな事を考えながら作業をしていると…



「って違う!メイの所にいかないと!」

と慌てて家からエルナが飛び出してきた。

「ああ、今日行くんですか?」

確かに場所は聞いていたが、今日行くとは思ってもいなかった。



「地図で教えて貰った場所遠いのよ…それこそ道中も危険がいっぱいだしすぐ向かわないと…」

「ほんとに1人で大丈夫ですか…?あんまり危険なことはしてほしくないんですけど」



「そうは言っても頼れる人もいないし…ん?ヤバイ侵入者かも」

「マジですか?」

「うん、アヤネみたいに直接転移陣でぶち破ってきたなら別だけど、この辺には結界を張ってあるからそれを通ってきたなら分かるのよ」



「偶然越えた訳じゃ無さそう…まっすぐこっちに向かってくる…」

「魔物の可能性は?」

「魔物は案外賢いからヤバい奴の縄張りには近づいてこないから」

自分でヤバイ奴という自覚があるようだ。

まぁそもそもあのサイズの熊やら蛇を、1匹なら狩れるらしいし間違ってはいないのか…怖い。



「感知用の結界を超えてそのまま防護用の結界も超えてきた。それなりに実力者みたい…。ああ、しかも結界の穴を抜けてきたみたい」

「結界の穴?」

「小さい虫とかそういうのまで防いでたらキリが無いから、一定のサイズ以上にしか反応しないのよ」



「つまりそのサイズの侵入者って事ですか?」

「いや、多分そのサイズまで小さくなったんだと思う、まぁおかげで誰かわかったけど」

さっきまで警戒ムードだったのだが、エルナは完全に気を抜いていた。



「良いんですか?」

「ええ、おかげで行く手間が省けたもの」

「それは…」



そして問題の人物が視界へと現れた。

ボロボロの服…いやあれはこの世界の普段着か最近見てないせいで忘れていた。

金色の髪に森を抜けてきたせいだろうか頭に葉っぱが付いていた。

ってか長命種はみんな胸が大きくないといけない決まりでもあるのだろうか…明らかに身長に不釣り合いなものを抱えていた。



大きなリュックを背負った女性がこちらを確認すると慌てて走ってきた。

「ごーめーんーなーさーい!!!」

と言いながらこちらに向かって走ってきた。



「あれが目的の人物だったメイよ」

「ええ…あれが…」

警戒を解いた理由も納得であったが、その後とんでも質量を抱えた彼女は俺に向かって飛び込んできた。


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