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せっかく転生したのに日本でスキルが通販スキルなのはさすがにひどくないですか?  作者: 色蓮
1章

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第30話 アヤネside

 始業式の日の帰り道突然、兄が姿を消した。

魔法陣による攻撃という訳ではないが、私の身体は前世の力がそのまま残っている。

強力な魔法耐性のせいでその魔法陣は、私からズレて隣にいた兄へと移ってしまった。



咄嗟の事に私は、反応することができず私が掴もうとした兄の手はどこかに消えてしまった。

魔法陣の構成を思いだそうとしたのだが…一瞬だったせいでほとんど覚えていなかった。



兄が消えた後には兄の着ていた服や荷物だけが残り、私はそれを抱えて家に急いで帰った。

いつもの加減を忘れていたせいで、コンクリートの地面に穴が空いてしまったのは許して欲しい。



家に着くと…祖母が私の様子を心配して駆け寄ってくる。

「どうした?」

老化を遅らせる魔法をかけてからは、一切歳を取らないので近所でも美人と評判のおばあちゃんだ。

御年50を超えているというのに、30歳の男性が告白してきた伝説がある。



「兄さんが…消えちゃった」

兄の服や荷物を抱えて尋常ならざる状態の私を、祖母は優しく抱きしめてくれた。

「わかった、とりあえず落ち着いて母さんに連絡」

「う、うん」



焦りが少し緩和されすぐに母に連絡を取った。

入学式が終わり母は、今日の準備があるからといって先に帰ってしまっていた。

今は、買い物に行っているそうですぐに電話を入れる。



「ママ、兄さんが消えちゃった…」

「あんた、なにをいってんの?」

最初は、自体を飲み込めていなかったのだろう…。

しかし、私はいつの間にか涙が溜まりどうしようもない喪失感に襲われていた。



「ほんとなの?わかったすぐ帰る」

電話口の私の状況を察したのかすぐに帰宅すると言ってくれた母。



家に帰るとすぐに3人で話し合いをすることになった。

「それでアヤネ、一体どうしたの」

「兄さんが眼の前で消えました…」

そういって服やカバン、それにスマホや財布も出す。



「あのスマホを肌見放さず持っていたあいつがこれを残して消えるなんて一体どういう事?」

兄はずっとスマホを肌見放さず持っており、お風呂にも持ち込むほどであった。

ずっとカブ?だったか為替だったかをやっていると言っていたが、私には難しくてわからなかった。



「それで眼の前で消えたっていうのは一体どういう状況なの?誘拐とか?」

と祖母も聞いてくる。

「眼の前で光って消えちゃったの…どこにいったのかも何もわらかなくて…」



私の話からは的を得る解答がなく混乱のあまり気が動転しているのでは、とも思われていた。

しかし私はあの不思議な現象の原因を大方掴んでいた。



「今から話す事は出来れば無条件で信じて欲しい…かなり突飛な事をいうけど…兄さんの行方に関する事でもあるから」

と私は慌てて警察に連絡しようとする2人を止めてこう切り出した。



私の真剣さが伝わったのか2人も椅子に座り私の話に耳を傾けてくれた。

「私は、実は異世界の勇者でこの世界に転生してきました」

そう切り出した私に対して2人は驚きの表情を浮かべたが…。

「これがその証拠です」



空中に水の球を作り出し自由自在に操ってみせた。

「えっ何!?」

「ええ!?」

2人ともただただ驚きの声を上げる。



「手品とかじゃなくて魔法っていう技術なんだけど…こっちの世界は魔力がないからあんまり強力な魔法は使えなくて…」

この世界には魔力が一切存在しない。

だから向こうにいた時に使えたような大規模魔法などは使えないが、これくらいの軽い魔法であれば自前の魔力でなんとかなる。



体内で生み出される魔力の量はあまり大した事はないので、産まれてこの方マックスまで溜まったことが無いほどである。

まぁ私の魔力許容量の多さが問題でもあるが…。



私の異様さについて2人は納得が出来たのか母が静かに口を開いた。

「それで、あなたの異世界の勇者っていうのとハヤトがいなくなった事に関係があるの?」

「うん、消える前に見えた光で私のいた世界に飛ばされたんだと思う…」



微かに覚えていた魔法陣は、私のいた世界で使われていた魔法陣の形式と告示しており、しかも最初は私を狙ったという事は確信犯だと思われる。



「そう…それでハヤトはあなたのいた世界にいるかもって話なのね」

「うん、多分だけど…」

確信はあったといっても何か証拠を提示出来る訳でもない。

母達を納得させられるかわからなかった。



「わかった、それじゃとりあえず学校には病気で入院するってことにして休学させるって伝えてくるから」

「えっ!?」

「だって戻ってきた時に退学になってたら困るじゃない、それに警察とかに言っても無駄ってことなんでしょ」



確かに警察やなんかに話しても何の成果も得られない。

それ所か戻ってきた時に面倒な事に成りかねない。



「まぁ早い方が良いでしょうし今から言ってくるから、あなたは家で待機してなささい」

と言われて祖母と共に家で待機していた。

母はすぐに兄を休学にしてもらい、色々と根回しの為に病院にいって診断書まで偽装してきていた。



「院長に頼んで悪用をしない事を条件に作成してもらってきたわ」

これでしばらくは入院中という事で問題はなくなった。

しかし、問題はどうやって連れ戻すのかという事になる。



以前向こうの世界で使用していた魔法陣に転移しようとしても、今の私の血の登録が出来ていないので使用出来ない。

転移の魔法陣は今でも覚えているが、こっちの世界は魔力が無いせいでそもそも書くことも困難だった。



どこか魔石みたいな物はないかと色々と調べ現存する鉱石なんかも調べてみたが、その類の物は存在しなかった。

帰ってきた時の為に学校には通ったが…兄のいない学校は…空虚でとても楽しむ気にはなれなかった。



部活の特待生枠で入ったので部活にも参加する必要があったのだが…。

合わせ役の兄もおらず、お見舞いにいくからと言って帰らせてもらった。



そんな絶望の中で2日を過ごし眠った後に以前のように神様が夢の中で話しかけてきた。

兄はやはり私の世界で生きているらしい、とりあえず、すぐ死ぬ心配はないそうでそっと胸を撫で下ろした。



そして兄の伝言である番号を通販サイトで検索した所、それは魔石だった。

普通の人にはわからないかもしれないが出品されていた。

正直ここまで辿り着くのに何度か間違えていたので出品者情報を確認して兄だと確信する。

正直夢の中で言われた9桁を正確に覚えていられるのは、兄位だと自覚して欲しいものである。



兄がよく使っている名前が含まれている事を確認してその商品を購入した。

明日には到着するそうなので荷物が届くのをドキドキしながら待った。



◯あとがき

2話に分けます

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