第29話 狩り
宙を舞った熊を見た後にも大きな大きなヘビやそのヘビ取りに来た怪鳥が下に叩き落とされるのは見てエルナと苦笑いを浮かべていると…。
「いやぁ~狩った狩った」
と言いながらヘビと熊、それにクソデカい鷲のようなものを3体、浮かせながら戻ってきた
「やっぱりちょっと鈍ってる」
「あれだけ暴れといてなんで服に汚れもなんも無いんだよ」
「魔力で防御してるから食らわないよ」
と笑顔を向けられた。
「相変わらずね、アリナ」
「師匠も出来るじゃないですか」
「私はオーラは纏えないしその魔物たちだと1体狩るのが精一杯よ」
「魔石は取り出しといたから」
といって渡される。
「持って帰ればいいんじゃないか?」
「多分服とかと一緒で持って帰れないと思うからいつもので送って」
「了解」
と言ってなにやら俺の眼の前で頭を突き出して、何かをねだるような仕草を取る。
「ああ、まったく…よくやったな」
そういってアヤネの頭を撫でる。
「へへへ…久しぶりだぁ…」
と嬉しそうな声をあげるアヤネ。
一通り撫でたら満足したようだったので…。
「この魔物達はどうします?」
「全員食べられるのですが…こんなにたくさんは2人で食べ切れるか…」
とエルナは苦笑いを浮かべながら山のように積み重なっている3体の死骸を見ていた。
「そういうことなら、俺のスキルで保管出来るので大丈夫ですよ」
出店機能を使って通販サイトスキルに預けておけば実質アイテムボックスのように運用が出来る。
もちろん買われる心配はあるが、買われたらその時はその時である。
とりあえず3体を通販サイトで超高額で出品登録をしておく。
よっぽど買われることはないだろう。
「とりあえず家の中で話の続きだ」
そういって3人で家に戻る。
リビングでまた3人で腰掛けて話を始める。
「魔石を取ってきたってことはまた来ることは出来るんだよな?」
「転移自体は今回成功したからまた来れるよ…ただ現状連れて変えるのは無理かなぁ…」
通常の転移魔法だったら人間も荷物も運べるのだが、やはり世界の壁を超える時に弾かれてしまうようだ。
「そうなると、やっぱり召喚魔法自体を調べてそっちで使ってもらう感じか」
結局はそこに帰結するみたいだ。
「それしかないかも」
「そこは私も協力するわ」
今後の方針が固まった。
「そういえば金の方は大丈夫か?結構高額な物を買ってもらってるが」
「金貨のおかげで全然、なんならかなりプラス」
「そっか、でも出処不明の金貨なんて大量に売れないだろ?」
「通販サイトで買った事になってるからそこは大丈夫なんだよね…不思議な事に販売元も出荷先も何か不思議な力で守られてるみたい」
ずっと気になっていた仕様でもあった。
俺が投入した物品がどこにいってどうやって配達されるのか…。
出処が不明だというのに何も気にせず宅配され、こちらが買った品も何も気にせずに集荷されてこちらに届いているという現状である。
「まぁ、そこは神様パワーなのかもな」
「そう思っとくしかないかも」
「ってかお前学校は!」
「今日と明日は土日で休みだよ」
「それなら良かった」
ちなみに俺は手紙にて聞いていたのだが、休学扱いになっている。
母の勤め先の病院に頼んで入院してることにしてもらってるそうだ。
最初から召喚魔法でどこかに飛ばされたという事が分かっていたアヤネが母と祖母に事情を説明してそのような対応にしてもらったそうだ。
「しかし、よく説得できたな」
「私は、わかりやすく魔法が使えるから」
「ああ、なるほど」
しかし、迷惑かけてしまっているのは確かなのでもし戻れたら親孝行しなければ…。
「ところで2人は兄妹なのよね」
「はい、私が妹で兄です」
「お兄さんの事は聞いていたけど2人とも転生者だなんて凄いわね…」
実際神様も想定外と言っていたのでかなり珍しいケースのようだ。
「あっ思い出した、アリナあなたあの洞窟の場所って覚えてないかしら?海に続く深い穴みたいになってた」
「ああ、ありましたね…あそこは西の方の森の中が入口になってたと思うんですけど…正確な場所までは…」
とアヤネも記憶が曖昧なようだ。
「まぁそうよね…」
「何かあったんですか?」
「召喚魔法を使った当人がいると思ってね」
その言葉にアヤネは強く反応した。
「こんな迷惑な事をした元凶ですか?」
単純に考えれば問答無用でこちらに召喚する誘拐だ。
完全に顔が激怒モードである。
「の…ええっと多分、メイの奴がやったんだと思うんだが…今連絡が取れなくてな」
「ああ、なるほどメイさんですか…確かにあの人ならあの魔法陣も書けそうですね」
三賢者の残りの一人はメイと言うらしい。
ずっとアイツとかしか言われてなかったので、初めて名前を聞いた。
「でも、なんで私を呼ぼうとしたんです?」
「バ…多分、あなたの魂が転生してることを知って戻そうとしたんじゃないかしら…ね?」
このまま話してるとボロが出そうである。
「今日は泊まってくのか?」
「なんかその言い方完全に我が家みたいね」
「まあ我が家だしな、向こうと違って土地代も無いし楽なもんよ」
実際安全な土地がどれくらいあるかわからないがこれくらいの家なら300万程度。
土地代もいらないのだから向こうと比べれば、十分の一程度で家持ちである。
「ママも心配するし一旦帰るよ。来週の土曜日にまた来るからそんときは泊まるかも」
「そっか、母さんにも伝えておいてくれ、元気にやってるって」
「了解、帰る前に師匠と2人でお話したいから昼ご飯の用意しててもらえる?久々に食べたいし」
「大したもんは作れんからな」
「オッケー」
と言うことで俺は昼メシの準備、アヤネ達は前のエルナの家に2人で向かった。
余計な事を話さないといいが…。




