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せっかく転生したのに日本でスキルが通販スキルなのはさすがにひどくないですか?  作者: 色蓮
1章

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第24話 スライム

 家が届いてから数日…引っ越しも完全に終了した。

あちらの家が良ければという話もしたのだが…。

「無理よ、こんな生活知ったらもう戻れないわ」



ということで書物なんかの荷物は残すが、冷蔵庫や洗濯機などはすべて移動した。

ちなみに服はどうしたかというと、会った時に着ていた魔胴衣というらしいがそれ以外はすべて前の家に置きっぱなしである。



では服はどうしたのかというと、すべてあちらの世界から取り寄せたものを使っている。

「この感触を味わってしまったらもうあの服は着れないわ…」

魔胴衣だけは防御力などの関係で、必要らしいが普段着はもう着る事はないみたいだ。



生活自体は電気不足問題だったり、色々問題は残っているが概ね解決している。

洗剤などの科学薬品の混ざった水に関しては、エルナが見つけてきてくれたスライム達に食わせてみて実験を行った。



残念ながら一種のスライムではすべて食べる事が出来ず、全部で3種のスライムで綺麗にすることが出来た。

違うスライム同士でタンクに入れても問題ないそうなので、タンクに3種のスライムを入れて解決した。



「イマイチ何を食べるかわかってなかったんですけど…」

赤いスライムは、食性がわかっていなかったそうだ。

ちなみにこいつは油を食べるようで植物の油なんかを吸い取っていたようだ。

そして茶色のスライムは、塩を好んで食べるのだが洗剤に含まれる塩酸化ナトリウムを分解してくれた。



そしてこのスライム石油性の物も食べるようで色々と出るプラスチック性のゴミなど困っていたのだが、これも一緒に解決した。

「こいつを元の世界に売ったら革命が起きるかもしれません」



ちなみにスライムはある程度期間が経つと分裂するそうで分裂したら処分するそうだ。

「急に増えたりはしないんですね」

「無性で勝手に増えるとは言え時間はかかるからね」



「大きくなったりはしないんですか?」

「基本的にはならないわね。いくら食べても成長はしないもの」



「完全に無害そうに見えるんですけどこいつらの強い個体もいるんですよね?」

以前聞いた時に弱いスライムと言っていた。

つまり強いスライムもいることになる。

「いるわよ、強くなるのは強い魔物や人間の死骸を食べた場合ね」

おっと急にグロい話になった。



「基本的にどのスライムも魔物や人間なんかの生き物を食べるのよ」

まぁさっき言った食性も人や魔物に含まれていないかといえば否である。

油も塩も人体には含まれている。



「だから基本的には魔物を倒したらその場で焼くもしくは持ち帰るのが鉄則って感じね、死んだ人間も同じ」

「放置すると強いスライムが生まれる可能性があるってことですね」

「そういうことね」



「それってどれくらい強いスライムが生まれるんです?」

「基本的には過食した量と過食した対象の強さに依存するわね。強ければ強いほど強くなり、食べた量が多ければ多いほど強さに比例して大きくなるわ」



「じゃあ魔王なんかの死体を食べされたら…」

「実質第二の魔王並の強さだったでしょうね。まぁ爆散してしまったからその心配はないけど」

「そう考えると無限の可能性をもったモンスターですね」

「まぁ代わりに数は多いけど成長してない個体は子供でも倒せる位に弱いけどね」



人間社会と共存してるというのもその辺りが影響していそうである。

ちなみに魔王による影響は受けたそうなのだが、力が無さすぎてスライムだけは、ずっと飼われていたそうだ。



そしてこんな話をしながら何をしているかというと…。

「こんな色々な技術書を書き写してどうする?」

「えっとこの世界の発展の為に頒布しようかと」

俺が専門書の内容を読みそれをエルナがこの世界の言葉で記載している。



「良いの!?これを頒布したら四英雄達の利益になるんじゃ」

「一応この世界で再現出来るものだけですけどね…まぁあくまでも仕込みの一貫です」

この世界の文化水準はおおよそ把握出来た。



後は実地調査をしながら仕込んでいく作業だけである。

「そろそろ作戦を聞かせて欲しいのだけど…転移魔法のことを聞いてたけど城に乗り込んで暗殺とかは無理よ」

「そんな危ないことしませんよ。死にたくないですし」



「それならどうやって…」

ここ数日の俺の行動は明らかに生活基盤を整える事に集中していてそういった話を振らなかったので彼女も気になってきたようだ。



「心配しなくても大丈夫ですよ…所で確認なんですけど四英雄は全員仲が悪いんですよね?」

「ええ、それは間違いないわよ。基本的に利害関係が一致しない限りは一緒に行動しないわ」

「それなら大丈夫です。話を聞いてる限りでは問題ないです」



これから四人を直接的では無いにしろ殺そうとしているというのに、あまり心は傷まない。

妹を理由に正当化するつもりはないし盲目に殺したいと思っている訳では無い。

その辺りは実地調査をしてから判断するつもりだ。



まぁ話に聞いた通りの奴らだというのなら容赦するつもりもない。

「これが描き終わったら行きましょうかサウスローズ帝国に」

「あなたほんとに何をする気なの?」

「これが描き終わったら説明しますよ」



そして、2日後には技術書は粗方描き終わり、サウスローズ帝国へと向かった。

「ほんとにあんな作戦で上手くいくのかしら…」

「上手くいかなくても何も問題ありませんし、こちらに痛手はありませんから」



「それにしてもこのヘアカラーだったっけ?凄いわね。完全に私だってわからないわ」

エルナはこの世界では珍しいブロンドの髪をしているため非常に目立つらしく街に入るのは難しいと言っていたので…ならばよくある髪の色に変えてしまおうということで髪を茶色に染めたのだ。



ちなみに俺も茶色に染めて姉弟という事で街に入る事に成功した。

「うーん、あの服が恋しいわ…」

「さすがにあんな服来てたら目立っちゃいますから」

残念ながらあちらの服を持ち込む事は出来なかった。



おかげで麻布のあまり肌触りがよくない服を来ている。

「この服、今までなんとも思わなかったのに、あの服たちを毎日来てるとこの服の肌触りの悪さが分かってしまうわね」

「まぁまぁ数日の我慢ですから」



正直街に入った第1印象は、それほど悪くはなかった。

想像していた通りの中世時代の建物が並ぶが、公衆衛生については悪くないようで悪臭も漂ってはいなかった。

いや、正確には悪臭といっても差し支えない匂いは漂っているのだが…。



「この匂いは香油ですか?」

「ええ、よく知ってるわね」

「いろんな匂いが混じってて正直臭いです…」

「以前来た時はあまり気にならなかったのだけどさらにひどくなってるわね…」



パッと見渡しただけでも顔の良い男は、顔の悪い男を奴隷のように扱っており少し路地裏に目を向けただけで、目つきに悪い男たちが値踏みをするように人通りを観察している。



「ここは4国の中で一番貧富の差がひどい国よ、美しさ至上主義として醜い物にはまともな仕事も食事も人権も何もかもが与えられない国だもの」

「聞いてた通りの糞みたいな国ですね」

少し観察をしただけでもこの国に対する印象は聞いた通りであった。



「とりあえず宿屋だっけ?」

「ええ、よそ者は目立つので少し身を隠したいです」

「わかったわ」

俺達は近場のそれなりに高価で小綺麗な宿に入り部屋を取った。



部屋に入り外套を脱ぐ。

「顔を隠さないといけないのはめんどうね」

「仕方ないですよ、顔バレすると今後動きにくくなりますから」



「とりあえず今日1日は宿に籠って活動は明日からです」

「慎重ね…」

「さっき入ってきた時に何人かに目をつけられていたので、1日置いた方がいいと思います」



「ご飯やお風呂が恋しいわ…それにベッドも…」

とそれなりに小綺麗な宿を選んだのだが、そこまでベッドというか寝台の質は良くなかった。

「数日の我慢ですよ、明日はとりあえずそれなりに大きい商会を探しましょう」

「本当にうまくいくかしら」

「ここの四英雄なら確実に乗ってくると思いますよ」



と明日の為にというよりも色々と我慢が出来ず宿で出された食事を食べたら早々に寝ることにした。

すでに家に帰りたいというホームシックになってしまっているのだが…。

我慢…我慢である。



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