今まで生きた答えの終わり。また問いかける一つの神話
~拓人視点~
目を覚ましてみると、そこは目視では果てを見ることのできないただただ白い場所だった。
無論、上も下もないため残念ながら、「知らない 天井だ」 と言うことはできなかった。
てな具合に冗談を挟めるくらいには落ち着いている今日この頃です。
早くだれか現れてくれないかな。何してんだろ、女神さん。
~10分後~
「すみません部下がちょっとした失敗をしてしまったものでその後始末に翻弄され遅れてしまいました。」
現れたのは光の玉。うん、たぶんこれ(こいつ?)がしゃべっている。
「だれ?」
一応聞いてみることにした。
「私は、貴方たちの世界でいう異世界、ベポリストの世界神、つまりは管理者的なものです。名前はメルティアと言います。敬語とかはなしでいいですよ。同い年ですし。よろしくお願いします、赤本 拓人さん。」
どうやら同い年の神というのがいたらしい。
「ああ、よろしく。そっちも敬語はなしで。あと拓人って呼んでもらって構わない。それで、ただの人間になにか用か?」
「ただの人間ではないのですが...まあいいです。順を追って説明していきましょう。まず、拓人は自分がどうなったのか理解できますか?」
いや、普通わかんねーだろ。とりあえず言うしかない。あ、今更だが心読めないんだな...おそらく。
「ベポリスト?の中のどっかの国が勇者召喚的なのを行って、それに俺たちのクラスが選ばれた。けれども、俺だけ仲間はずれにされたからここに来た...と、こんなもんでいいか?」
「はい。まあ、そういう認識で十分すぎますね。それでですね、なぜこの場所、神界に来たかはわかりますか?」
俺が神だから!...そんな話あるわけないよな。勝手にしょぼくれていった俺を尻目にメルティは話を続けた。
「拓人が神だからですよ。」
微笑みながら衝撃の事実をあっさりと告げられた。いや、俺まだ人間やめてないはずだよ...うん、きっと。
「俺は人間なんだが...」
「それは違うよ!」
何かに論破されそうな気がする。
「正確には拓人、あなたは現人神です。」
「いやいやいや、ちょっとまってメルティア。俺人間と人間の間に生まれしただの人間だから。」
そう、人間やめるわけがない。人間やめれるわけがない。
「え?人間って普通に神の下位互換ですよ。生まれたときにどのくらい神っぽいかがわかるんですが、拓人は物凄く神っぽかったんです。というか、現人神レベルで神の力を持っています。事実、力の暴走が起こってしまった時なんてありますよ。
ほら、あの小4の時の事件。カレーのやつです。」
あれは忘れもしない。その当時給食当番でカレーをよそう係だったんだが、カレーの鍋がいきなりひっくりかえって、その日の帰りの会の時謝罪しろというコールがひどかった。涙を必死にクラスメイトに見せまいと耐えたつらい記憶がある。
そうか、やはり俺が神だったのがいけなかったのか...
「あの時私が見ていなかったら学校ごとひっくりかえっていた可能性が無きにしも非ずって感じですよ。
他にもあなたが不思議に思っていた現象はすべてあなたが人間ではなく神だから、で説明がつきます。他にも言ってほしいですか?」
「いえ、もういいです神界まで来て古傷をえぐるような真似はしたくないです。
それで、なんか俺にやってほしいこととかあるんじゃないのか?」
「そうでした。拓人、ここからが本題です。私ことメルティアは今から現人神としてベポリストに行くことになりました。理由は、最近私の部下であるリリシア、えっと、あなたたちに放送で説明をした人物ですね、その子がよく仕事をしてくれるようになったので、100年くらい休暇が取れるようになったのです。だから私は現人神として自由にすごそうかなぁ~と決めたわけです!!」
うん、なるほど。
「しかしながら、二つほど問題が発生しました。まず一つ目は料理がうまくできないということです。
そして二つ目はとにかく同じ現人神がいないと寂しいんです。神界では神友が何人かいますが、ベポリストには今現人神はいません。一人は...もう...怖いんです...。」
「?メルティアの事情は分かった。しかしだな...よし、二つ質問していいか?」
「はい。喜んで。」
「それじゃあ、一つ目。べポリストではどんな姿で生活をするんだ?まさかその光の玉の状態?」
「違いますよ。現人神の状態って言ったじゃないですか!この光の玉の状態は神という扱いになるんですよ。知らないんですか?」
神の世の中も理不尽なんだなということだけは今知った。
「じゃあどんな姿で生活するんだ?ニセクロホシテントウゴミムシダマシか?」
もしくはナナフシモドキか?
「なんでそんな微妙すぎる虫選んだんですか!?普通に人間の現人神ですよ!人間の!じゃあもうここで姿見せますね!」
そういうと、光の玉から発される光に圧倒され、目を閉じざるを得なくなった。
―美少女がいいなぁ~
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光が弱まり、目を開けてみるとそこには女神と呼ぶに相応しい美しさを持つ人物がいた。
どこを見ても欠点など見当たらない、まさに完璧と言える姿に俺は不覚にも、
―見惚れてしまっていた。
否、美化しすぎた。
ぶっちゃけいうと美しく、また可愛げもあるその姿が、今俺の好みへと変わった。
「どうですか?私...変じゃないですか...?」
変だと思います。主に美しすぎて。まあそんなことは言わないが...。
「うん...その...なんだ...まあ、俺の意見としてはいいほうだと思うぞ...。」
そう言って、俺は赤くなってしまった顔を隠すようにそむけた。
どうやらこの美しさの前では嘘もつきにくくなるらしい。恐るべし。
「ありがとうございます!というわけでこの姿で生活をします。」
「わかった。じゃあ次行くぞ。なぜ俺を選んだ?まあ、地球にあまりいい思い出のない俺には願ったりかなったりなんだが...」
途端に顔を真っ赤に染めるメルティア。どうしたんだろ?
「あなたが良かったからです...。」
「え?え?何て?」
今聞き違いじゃなかったら、俺がいいとかなんとか...。
「拓人のことが好きだから一緒に行きたいというのは理由にはならないのですか...?」
あれ?これはなんてタイトルのエロゲ?
「俺のことが好きって本気なの?人殺しだよ?なんで?...まあ嬉しいけれど...。」
「拓人、あなたのことが大好きです。拓人は知らないと思いますが、昔、こんなことがありました。」
メルティアの話を要約するとこうだ。
俺、赤本拓人はもともと軽く世界神のレベルに達しているくらいの神の力を持っていた。しかし、人間としてはその力ははっきり言って余計であり、そこに存在しているだけで一般人から畏怖の対象として見られるとのこと。そこでどうするかを考えてみたところ、同い年で力の弱いメルティアに移せばいいんじゃないか?となった。かくして今の力を持つメルティアとなった。しかし、他人から貰った力は制御が難しいく、数年間一人で頑張る他道はなかった。その暇つぶしとして、又、力を抜かれたあとの観察役としてメルティアが俺についていたらしい。小さい頃からよく聞こえていた空耳のようなものはメルティアが俺に呼びかけていたらしい。まあ、何も疑わずに会話していたが...。そんなこんなで唯一心の拠り所となった俺を助けようとして異世界でメルティアと共に行動する選択肢が与えられたわけだ。
「わかりましたか?拓人は人殺しをしたくてしたわけじゃないというのは分かっています。そしてそれ以前に私を救ってくれた恩人です。だからあなたのことなんて嫌えません!
...嫌えるはずが...ありませんよ...。」
「わかった。」
「それではついてきてくれますか...?」
その質問に対する答えはもう出ている。
解を出してしまった問題は取り返しはつかない。もしあの時この答えにしていればというたらればの世界なんて無意味だ。だから俺はもう諦めてしまった。しかしここでどうするか?今なら自信を持って言える気がする。それはもう一度問題を作ってしまえばいいだけの簡単なお仕事である。
だから...
「やってやるよ。今日から俺とメルティアはパートナーだ。」
その答えは、ここから始まる神話が語りかける。
ありがとうございました。
神界編0章はもう少し続きます。
これからもがんばって行くので応援よろしくお願いします。
誤字脱字など含め、感想などがあれば遠慮なくくださると幸いです。
最後になりましたが読者様方に最大の感謝を!!




