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女神というのはどうにもこうにも人と性格が全く持って似ないらしい

少年は願った。


新しい自由な世界に行けることを。


少年の名は赤本(あかもと) 拓人(たくと)


彼は勉強も運動もでき、なかなかの美形だった。


しかし彼は3年前、幼馴染を救うため、一つの命を消し去った。


以来彼は同級生から、友達から、果ては兄弟、親からまで嫌われ、疎まれ、忌避され続けた。

そんな彼でも幼馴染だけが支えてくれた。


だからまだ、この世界で生きている。



ー%ー%ー%ー%ー



拓人は毎夜、星を見る。


際限なく広がっているこの宇宙の中のどこかに、彼は自分の心に空いた穴を埋めるものがあるのではという期待を込めて、毎夜星を見る。


無いとは分かっていても、そこに何かを見出そうとする。


脆弱で何も変えることができない。


そんな自分だから。


他者に力を求めてしまう。


与えられるものは何一つ本物では無いと分かっていても自分一人で変えられないと割り切っていた。


だからなのだろう、と結論づけていた。認められなかった自分。認められようと一歩を踏み出せない自分が、



彼が憎しみをもちつつも憎みきれない存在だった。




ー%ー%ー%ー%ー


〜拓人視点〜


月曜日。


こと俺に関しては突出して嫌う日だ。


どこにでもありそうな進学校に通う俺は、基本的にはクラス中から無視されている。


まあ、あの事件のせいなのだが‥‥‥。


それはさておき徹夜でゲームをした疲れと戦いながら、重い足を教室まで運んでいた。


教室に入ると大多数からのこいつきたのかという視線。しかし例外もあった。


「おはよー!」


「ん。おはよう。」


朝っぱらから無駄に元気なこの少女の名は、天野(あまの) 美咲(みさき)。クラスのアイドル的存在で、俺の幼馴染かつ唯一好意的な態度をとってくれる剣道少女である。


そして、


「おい、殺人犯!何天野さんと仲良く挨拶してんだよ!」


挨拶しただけで何故か俺が悪いという雰囲気になるこんな世の中じゃ。ポイズン。


もとい、今、理不尽なことを言ってきたのは林田(はやしだ) 将太(しょうた)だ。どんな奴かっていうと、ジャイ◯ンぽい。


俺の許せない奴ランキングにおいて常に上位ランカーであり続ける猛者だ。


めんどくさいので必然的にMU・SHI☆


するとどうなるか、


「ちょっとお前こいや」


と言ってトイレに連れて行かれる。


そしてリンチを受ける。正直、自慢じゃ無いが合気道と柔道と空手で全国を狙える位の実力は持っているので、そこらへんのいじめっ子の攻撃は雑魚同然に見える。ただしやり返さない。


間違って殺しちゃいそうだから。


うん、暴力良く無い。


ともあれ素で殴られて痛みを感じないわけでは無いので、今朝買ったジャン◯を鳩尾に忍び込ませている。


そんな朝の一連の流れが終わり、教室に戻ってチャイムがなった時、異変は起こった。


いきなり教室のすべてのドアと窓が閉まった。


突如起こった出来事にクラス中が戦慄した。


さしあたって俺は、朝ご飯を食べることにした。


う...別に食べ忘れたんじゃねーよ!


そ...そうだ!落ち着くためだよ!!


だ...大丈夫。ガンバ!俺!


きっと誰か分かってくれるはず。


お前友達いないだろう。って? 知らなきゃよかった幸せっていうものも有ったもんだな...


よし取りあえず落ち着いた。


さてとにかく不測の事態が起こった場合、誰かと情報を共有・整理するのが一番だろう。


よって取れる選択肢は一つ。


ミサキにおまかせ☆


「なあ、美咲。どう考える?今の状況?」


「よくわかんない。拓人は?」


流石は美咲こんな時でも落ち着いている。


まあこいつ基本的にスペック高いからな。


「ん~と、これは予想なんだけど、これから神様(笑)的なやつの声がながれてきて、チート貰って異世界転移...みたいな?」


ちなみにいうと、美咲はオタクではないが、そっち方面に一定の理解があるありがたい女子である。


ん?俺?友達いない人間の行きつく先って大体一緒でしょ?わかるよね?


「じゃあ待つしかないのかな?」


「うん。そうだと思う」


というわけで待つこと少々。

果たして女性の声が聞こえた。


『みなさんこんにちは。さて、突然の出来事に驚きを隠せない人間も多いでしょう。というわけで、黙れアーンド動くな!』


声の主がそう言った途端、クラス中の人が席にまるで見えない糸に吊られるように動き、席に固定された。ついでに喋れない。


『はい、それでは改めましてこんばんは。』


何故か森 ◯一っぽかった。地味に似ていて少しイライラする。


『それでは恒例の“私は誰でしょう?”のコーナーでーす♪』


女神。QED


『ねえねえ、わっかんないでしょーwwほらほら答えてみろよ〜』


単刀直入に言うとすごくうざかった。そして、オブラートに包んで言ってみるとうざかった。


『そうです。私が変じゃない女神です。』


では名状し難い女神のようなものだろうか。どちらにしてもこいつが変じゃない女神だったとしたら軽く見積もって地球は100回は無くなっているだろう。他の女神の手によって。


『というわけで、今からあなた達には殺し合いをしてもらいます。』


皆一様に引きつる頬。しかし俺だけが窓の外からこの部屋を唯一満たしてくれる光を見ていた。


『冗談です。』


そして女神様(笑)は、とても冗談が下手だった。


『さて、本題です。あなた達には異世界転移をしてもらいます。今からそっちの世界の生き物の置物を教室に召喚します。その口の中に学生手帳を入れた人は、生きる力を私の部下が加護として与えます。

さあ、10分間待ってやる!!』


目がどうにかなりそうな人みたいなセリフを皮切りに、どうやら喋れるようになったみたいだった。


「どうする〜?」


「これはもう行くしかないっしょ!」


などという会話がそこら中から聞こえてくる。


スムーズに進んだが、そこで問題が起こった。


ー何処かのガキ大将曰く、人殺しに力を持たせれば、このクラス中が犠牲になる。


失礼な!美咲だけは助けておくぞ!


まあそれはさておき、美咲と林田が口論になる。


ん?俺?目の腐った主人公のラブコメが繰り広げられるラノベを読んでたよ。

時間は有限。 可能性は無限。


「とにかくみんなの意見を聞いてみないとわかんねーだろ!!

この人殺しを仲間に入れたくないやつは手をあげろ!」


そしてクラス中に林立する手。


「というわけだ。人殺しのことは諦めろや。」


そう言われた美咲は目から雫を一滴、そしてまた一滴と溢れ出していた。


その時、床から光が出てきた。


『はい、10分経ったので終わりだよ今からみんなこっちに来てもらうからね。』


その言葉と時同じくして、光は一層強くなった。

俺の体を。そして意識をも飲み込んで行く光の中、「絶対向こうで会おうね。」そう聞こえた気がした。



ー%ー%ー%ー%ー



彼女を救うために切り捨てたことは間違っていたのだろうか?

いや、そんなことはない。


自分には何が必要で、何が不要か。


そんなことを無意識に考えた結果だ。


最期の整理は不思議と受け入れられた気がする。


そう思い、自分でまた新たに決めたことができた。

ありがとうございました。

どうでしたでしょうか?

誤字脱字など含め、感想あればお願いします。

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