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輝きの中で






私は、今日からこのお宅にお世話になるのか……と秋葉家を眺めていた。なんか……家というかホテルだな。空間はどこまでも広く、天井も見上げるほど高く、すべて家具は基本ホワイト。壁に並ぶゴールドの間接照明が長い廊下を延々と照らしており。



うわぁ……セレブ。さすが有名人の家ぇ〜!なんて、ゴージャスハイセンスさに1人でブチ上がった。友人達がこれを見たらきっと叫ぶ。そして何も説明がなければ宿泊施設だと思うだろう。



全面、白く美しいカーペットがひかれている。部屋から出る時なぜか秋葉が屋内用の靴を履きはじめて、私にも履き物をくれた理由が分かった。なるほど、ここはふつうの家じゃない。夢世界で泊まったようなラグジュアリー、最高に素敵な居住施設だ。はぁアガるぅ〜。



「今、この家は……あおいさんと共同で買った家具をリメイクしたりと、母が創生の力で好きに変更してる。元々は芸術家が使っていた別荘……それを2人で購入して、リフォームしたらしい……私も知らなかった。」



窓の外を見ると、なるほど、自然豊かだ。高校生の時に秋葉が自転車で帰っていたのはここなのか。あの駅のわりと近くに森のような場所があったのかもしれない。



秋葉とあれこれ喋っている様子を、あおいさんはにっこりとうんうん頷き、たまに「はぁ……」と謎のため息を漏らしながらこちらを見ている。

母は……?って秋葉が聞くと「あっ!葉子さんは何だかお休みされてるみたいで!私も昨日ちょっと倒れてたんですけどっ!」とか身ぶり手ぶり激しく教えてくれる。楽しいなこの人。



あの……遅くなりましたけどはじめまして、と自己紹介した。秋葉が入ると私がとんでもないエッチプロフィールになりそうだから先手を打つ。……ここあさんの通っていた高校の同級生の丹海 咲希です。ってシンプルに伝えたら「はぁ…………運命の出会い…………尊(とうと)…………」なんて言っており。えぇ……?それ以上の追加情報を自分で脳内創生してるよ絶対………



それが終わると、今度は私をしばらく見つめてから「え?あ、あの…………女優さん………です、か……?」と聞いてきたので違うと答えると「じゃあモデルさんとか……?絶対何かされてましたよね?気になりますっ」と前のめりで来る。ちょっと勢いに押されて困っていると隣で秋葉は笑いをこらえていて……おい失礼だぞ。



……いや、そういうのはやってないんです。以前、お仕事しませんか?みたいなお誘いはあったんですけど……お断りしたんですよ、はは……と言うと「うわっ……メイク薄っ、目力つよっ………………そ、そんな笑顔されたら誰だって好きになりますからっ!」って驚いたり目が泳いで忙し愛らしい。こんな妹がいたら最高だろうなぁ……なんて勝手に思ってる私も失礼だった。



「ダメですよ丹海さん?みんなの心を奪っちゃいますからっ!気をつけないと、ねぇここあさんっ?」と彼女が同意を求めても、秋葉はじっと私を見ていて少し驚いている。あ……スカウトの話、してなかったね。



「また葉子さんに言われちゃう………ああっでも丹海さん綺麗すぎて…………沼る…………神ぃ…………」



放っておけばずっとこうだと知っているのか、秋葉は静かに彼女の隣に移動して「こちら……あおいさん。」と話の進行役に転じた。



「はっ!そうですねっ!ごめんなさいはじめましてっ!絵莉戸(えりべ)あおいと申します!」



深々とお辞儀されてぱぁぁ……って笑顔を頂いた。うわ……可愛い。すぐに秋葉が「あおいさんは私達と同い年。母のとも……知り合いで、丹海と同じく合流できたから同居することになった。」という補足をする。



あおいさんはすぐさま「ちょ、ここあさんっ?」とか何か言いたげだったが「あ……髪に芋けんぴ、ついてるかも……」って秋葉が唐突に耳に触れるという明らかに怪しい動きをしたら、ひゃいっと驚き「え!?本当ですかっ?」なんて必死になって忘れてしまっている。

ふ〜ん、何だかよく分からないけど仲が良いねぇ、扱い慣れてるというか。……ん?お母様の知り合い?確か「ともだち」とか言っていたような……

 


とにかく、改めて彼女と対面する。う〜ん、端麗なお顔。話し方は元気だけど清楚で優しい雰囲気があってモテるでしょこれ。秋葉が言ってたような、そんなエッチな感じではない気がするけど……おっぱいは大っきいな。秋葉はムッツリだからきっと胸に印象が引っ張られすぎてるんだよ……と膨らみを見ていたら「丹海のエッチ……」なんて進行役さんからお咎めと共になぜか睨まれた。君が言うか?



私たち……秋葉に「プリンセス」って言われてるんですよ、知ってます?って暴露したら「えっ!?そうなんですかっ?そんなそんなっ!」とか謙遜するけどふつうにドレス似合うだろうしテンション高くて楽しい。というか、さっきから声が……すごい。繊細で、高くて透き通るような……見た目もそうだけど芸能関係の人……?



そう尋ねると「ええと……以前、声のお仕事はしていましたよ?でも、少しの間ですけどね?」なんてもじもじ言う。



秋葉が珍しく前のめりで「声優だった時の芸名を教えてくれたら……動画とか見たいので」と、お願いすると恥ずかしがって拒んでいたが、顔を近づけ両手をとって「これまで葉子があおいさんのこと、一切教えてくれなかったんです。だから、今からでも知りたい……」って強く迫ったら急激にトマトみたいに熟して渋々教えてくれた。



あおいさんの芸名……『遠野恭子』とYouTubeで検索してみる。………え?このキャラ……なんか知ってる。しかも有名なアニメじゃないこれ??って2人でスマホを食い入るように見た。



「『今も根強い人気。実力共に伝説の声優。』っていう紹介動画もある…………すごい。」



「そ、そんなことないですっ!!」っていう彼女の声と、ショート動画の中の剣を振りかざすヒロインの凛々しい叫びがほぼ同じで大盛り上がり。すっご……有名人だこれ。しかもかっこいい……って、あれ?このアニメは少し前のものだけど……?



私が、ん?となったのに秋葉は気づいたのか何なのか「丹海、髪に芋けんぴついてるかも……」ってなぜか触れてくるから、付いてないわっ、耳触るなっ、なんてやりとりをしてたらあおいさんはまた興奮をしており。秋葉が何を考えてるのかは知らないけど誤解が深まるぞ。



アニメの主題歌の動画も見つけたら…………その曲、私も知ってた。これ……あの、友達がカラオケで好きでいつも歌ってましたって言ったらすごく恐縮した感じで「あ、ありがとうっ……でも恥ずかしい……あんまり見ないでいいですからっ」と、どこまでも謙虚で素敵だ。いやこの人可愛すぎ……絶対モテたよね?って本人が困るまで、は〜って見つめてたら「お金とります。」って秋葉にまた睨まれた。マネージャーさんか何か?


 

「とりあえず、葉子起きてこないのでゆっくりしましょう。何か飲んだり食べたりしますか?」



そうだ、と秋葉は2階の自室から不思議な小型冷蔵庫を抱えて降りて来た。結構重さあると思うんだけど……よく持てたな。私たちはそこからペットボトルの水やおにぎりやみそ汁の材料を取り出したり、あおいさんがぶどうジュースを所望していたので巨峰を創生し、ジューサーで搾ってみた。



炭酸も飲みたいねとなったけどイメージが湧かなくてなかなか出てこない。結局、一階のキッチンに置いてあった瓶のものを開けて、絞った果汁と混ぜる。マドラーでシュワシュワとかき混ぜて『おおーっ美味しそうっ!』とみんなで純粋な歓声を上げた。



「すごいですこれっ!何でも取り出せるんですか??」

 


結構、細かくイメージしないと正確に出てこないし、実感とか想いみたいのも必要なんです、と秋葉は説明した。向かいに座るあおいさんは、そうなんですねっ!あ!おいしい!って意識の半分以上はジュースに夢中になっている様子。

 


あれ、そういえば……なんで敬語なんだろう?同い年なのに妙だよね。あおいさんの性格的にそうなっているのかな……?みたいなことを考えていたら彼女も、じっとこちらを見ていて。なんだ?と首をかしげていると、はぁ……と不穏なため息が始まって



「いや、あの、こうして並ぶと……お二人がすごいお似合いというか…………私的に推しカプすぎるのもそうなんですけど…………えと、なんだろっ………………もう、夫婦みたいだなって!ふふっ♪」



秋葉は、飲んでいた水をかなりこぼして長くむせている。こ、これが…………前にあおいさんの説明で言ってた『一撃必殺』か。さすが、攻撃力に能力値を全振りした『剣術のプリンセス』…………すごい威力だ。私も食べてたおにぎりを落としかけたし、顔に焦りが出ていると思う。いや何の焦りなんだ。



……そんな、あの私たち(親愛のキスをする程度の)ふつうの友達なんで……と彼女に完全否定をしても「はぁ………やっぱり運命っ…………姫と姫が交わした永遠の約束…………輪廻を破る愛の力…………」って……どこかの世界へ暴走して戻らず。能力値のバランスどうなってるんだこの人。



そうしてやっと1段、この世に降りてきたと思ったら今度は私をじぃっと眺めて「はぁ……神………」がまた始まり。



「どうしよう………葉子さんとここあさんを見るだけでも幸せなのに……丹海さんも美しすぎ…………はぁ奇跡ぃ…………あっ、あのっ!お二人のお写真撮ってもいいですかっ?!表紙作って飾りたいですっ!」



「いや、なんの表紙ですかっ!」……秋葉からついにツッコミが入って私はこらえきれず笑った。笑う顔も神ぃ♡……とか、いつまでも続くから面白くて楽しくてしょうがない。本当に素晴らしい人に出会えたって嬉しくなった。



  

「そ、そういえば……姫……葉子さん、大丈夫ですかね。かなりあちこち旅行をしたのでお疲れで、長くお休みされているんだと思いますけど……」  



……倒れたのは、これで2回目ですか?と秋葉が聞くと、あおいさんは「そうなんですっ!大変だったんですよっ!」と手の動きが急激に増えた。……テンションを一気に上げるねぇ、爆弾かな?



「私たち、あちこち世界を回ってたんですけど、どこかのキャンプ場にいたらいつの間にか気を失ってたみたいでっ!あ、でも周りの方も気づかなかったって感じでそのままにされたんでひどいんですよっ、起きたら首が痛いし、燻製のお肉がぜんぶ硬く焦げちゃってて悲しかったんですからっ!」


 

いや……笑うところではないんだけど想像した光景があまりにもシュールで……秋葉もくくっ……とギリギリこらえている。それを隠すように「そうですね……今、周りの方はロボットみたいなものなので、そういう過干渉な動きは自らはしないというか……ぶっ…………」って、失礼だぞ?と言いたいけど私も耐え切れなくて横を向く。



「そ、そうなんですか……!じゃあ皆さんに話しかけるとお邪魔になっちゃいますかねっ?」 


   

いや、あおいさんの声なら、彼らが自ら目覚めるためのトリガーになり得ますから……って真面目に話しながらまだ笑っている。ごましても私には分かるぞ。



「色々と……葉子が迷惑かけてすみません。あおいさんに甘えて振り回して好き放題していると思うので……私にできることや困ったことがあったら何でも言ってください。」と、秋葉は手を握った。



すると「えっ、いや、全然全然。旅行にご一緒させて頂けるなんて本当に光栄すぎるんですけど、ただ………今回はちょっと変わっていて、…………あっ!な、何でもないですよっ!気にしないで下さいっ」って何だか、あおいさんの目は泳いでいて。



「何かあったんですか?葉子のことなら我慢せず何でも私に教えてください。」と秋葉が心配そうに尋ねても、平気です平気ですって激しく手を横に振っている。秋葉は「はぁ……」と立ち上がり、不思議な冷蔵庫からブルーベリーのソフトクリームを創生して彼女に手渡す。



「あおいさん……話してくれたら、私と丹海の写真を好きなだけ撮ってもらって構いませんよ?」



そう言うと、アイスに喜んでいた彼女は「ええと……」としばらく迷いながら「言っていいんですか……?」って上目遣いで秋葉を見ている。うわっ……攻撃力高いな………って、私も釣り餌になってるけど……まあいいか。



「言ってくれないと困ります。葉子に忠告しなきゃいけないんで。」



真剣にそう伝えると、少し下を向いて話し出す。 



「あの後……………………倒れてから、首の寝違えを治して元気になった後にですね、葉子さんが……………あの、今度は『自然界に入ってみたい』って言いはじめて………………その、私たち、小人になって、ア、アリさんのお宅にお邪魔したりですね、ク、クモさんの、糸を貸してほしいってお話をし、して……葉っぱの上からバンジージャンプを何回も……………あぁっ!わたしっ、虫がダメなんですっ!!」



あおいさんはアニメのヒロインみたいに美しく叫び、秋葉は彼女を抱きしめた。えぇ……?なんか私たちの夢旅行よりもすごい世界に行ってる……ツッコミどころが多すぎるし。考え方が柔軟な人なんだろうか……お母様って。



秋葉が「すみません……あおいさんを母の迷惑事に巻き込まないよう、後からきつく言っておきます」と謝ると「そ、そんなに言わなくても大丈夫ですっ、確かに怖いこともありましたけど……楽しかったですからっ」って明るく笑っている。本当に献身的だけど、これは……どういう関係なんだろう?と少し気になった。ただの知り合い?にしては仲、深くないか?



「それ以外にも色々面白いことあったんですよっ、葉子さんがイルカさんの背中に乗ろうってハワイの海に移動しまして、彼らとお話ししながら昼も夜もゆっくり過ごしたんです〜素敵でしたよっ♪」



すごい……ロマンチック。いいなぁ、そういうのもアガるよねぇ。動物ともお喋りできるなんて……さすがレベルが違うなぁ。



「あ、でも……楽しんだはいいんですけど、イルカさん達とお茶をしてたらずっとここにいたいって言い出しまして……どうしよう?と思ってたらまた意識が変になって来たので、倒れる前に仕方なく帰ろうとなったんです。……あっ、私たちからのおみやげがあるんですよっ!後でお渡ししますねっ!」



……そうだ、お土産といえば。秋葉と思い出して、取りに行くために私はリビングから階段の方へ向かった。すると長い廊下の奥から誰かが、大きなバスタオルを頭から被り、白いシャツのボタンをほとんど留めずに髪を拭きながら歩いてくる。



  

  

…………………え?…………誰?イケメン?


 



気だるげに長い髪をかきあげて私の横で立ち止まり、眠そうにふわぁ……とあくびをする。



え…………これは夢なのか?もしかしてあの、廊下で倒れてた…………



『あ……あ……秋葉の……双子のお姉……さん?』

と本気で言ったらすぐ後ろで「違うから。」とツッコミが入った。




「……葉子。寝起き悪すぎ。ボタンも留めて。」




え……えええっ?!お、お母様っ??あの雑誌のままなんですけどっ??若いっ!!どうなってるのっ?!


 

私が激しく動揺していたら、それに気づいたのか目をごしごししながら「ん〜……」と眺めて「あ……?かわゆい……」ってつぶやいたと思ったら手を伸ばし………………えっ?



 

「かわいい子、第一はっけ〜ん♡」


 


ぎゅう〜っとハグされる。途端に「ようこっ!!」って秋葉が厳しいスタッフみたいに私から即、お母様を引き剥がした。

 


うっわ、すっご…………なんか…………秋葉とはまた違うオトナな甘い香りがしたし、一瞬ブワって電気みたいのが来た……っていうか抱きつかれちゃったし、あのHISUI本人に。



「ん〜まぶしいよぉ、ねぇ〜ここちゃん寂しかった〜?」



まだ眠そうだけど、お母様は秋葉をハグして「うるさいっ」って嫌がられてもスリスリしながら嬉しそうにしている。えぇ……まるで双子じゃん……どうなってるの……?  



「はぁ…………久々の神姉妹…………尊(とうと)…………もう死んでもいい…………」



「死なないであおちゃんっ!好きっ!」



今度は勢いよくあおいさんに抱きついたら「ちょ、ちょっと!近すぎですって!離してください〜姫ぇっ!!」ってやってる。ん?……姫?殿様ごっこか何か?……なんか、近い〜とか、この会話のやりとりどこかで見たな……と思ったら私たちだった。はは……



お母様はキッチンの方へダッシュしていき、グビグビと水を飲んでいる。ペットボトルを飲む姿が秋葉と全く同じ、怖いくらい見分けがつかない。クローンなの??



すぐさま秋葉にひそひそ話す。『ちょっと、なんでこんな若いの??完全に同い年じゃん!』って聞くと「びっくりした?」とニヤニヤ笑っている。



「そう……これが葉子の望みだから。まだ自己再生は完璧ではないと思うけど……このままいけば一緒にいる私たちは歳をとらないし、つまり……死なない。」


 

なにそれ?……そ、そうなの?と確認したらそうだよ、と嬉しそうだ。「あおいさんもね、若返ったんだよ。」秋葉がそう言うと「はいっ、いつの間にかそうだったんですっ!」って彼女は私の手を取って握った。



「葉子さんと、2人でこうして身体が若く戻りましたが……でも丹海さんは全然呼び捨てて構いませんっ、仲良くやっていきましょう!あっ!私はですねっ居候の身ですからっ、この家の傍で暮らすメイド……みたいなものだと思って頂いて……とにかくっ、不思議な世の中ですけど楽しく暮らしましょうっ!」



私がポカーンとしてたら「あおいさんは葉子を推してるから……」とマネージャーから補足説明が入る。推し……?


 

「すごいファンだから……本当は、一緒に住むのは嫌だと言う位だったんだけど……葉子と私がお願いしたら来てくれた。結構、無理矢理に近い。それもすべて葉子のせい。願望。」



そ、そうなんだ……と理解した。とにかく、つまり、この家には同い年の17歳が4人集まっているってことだね?と聞くと「そうだよ〜」と後ろから声がした。



「あ……葉子、こちら、私の同級生だった……」



秋葉が紹介する前に、お母様はくるっと回り私を簡単にひょいっと持ち上げ、


 

「はいっ♡あなたのっ♡HISUIですっ♡」



お姫様抱っこされた。ニコっと少年みたいに笑いかける顔がすっごいイケメン………え、ちょっ……かっこよすぎ。こんなことされたら顔が赤くなってしまう。



きゃ〜っ!!って、あおいさんの騒ぐ声がして。秋葉は眉間を手で押さえて呆れている。えぇ……力どうなってるの?魔法使ってるの?



あ、あの、私ここあさんの元クラスメイトで……と、抱き上げられたまま話すと「あ!知ってる知ってる!ここちゃんいつも喋ってたもん!『すんごい可愛い……めちゃくちゃ可愛い……あんな周りを惹きつけるような子、芸能界にもいないし二度と出てこない………』って言ってたし!ここちゃんあんまりそういうの話さないけど私はどんな子かな?って興味あったからっ♪会えて嬉しいよっ♪」



えええっ!?し、知ってたの!??


 

私が驚くと同時に「ようこっ!!」と、秘密主義のお方は動揺気味に怒っていて。おいおい秋葉さ〜ん、知ってたなら早くお母様とお話をしたかったよ〜、まさかお知り合いになる前にこんな有名人に知られてたなんてね……はは……とか笑ってたら「は〜ん♡笑顔すごいすき〜、あおちゃんと同じくらい美人〜かわいい〜♡」とスリスリされた。ちょ、ちょっと……!魅了魔法が凄すぎる…………この人強すぎっ!



いったんお姫様抱っこから下ろされると「え〜名前何ていうの……?」って髪を触られながら聞かれた。うわぁ……秋葉とはまた違う表情に見惚れてクラっとする。丹海 咲希です……あの、丹海って呼んでいただければ……と自己紹介すると「わかったっ!にゅ〜ちゃんよろしくねっ!私は葉子でも何でもいいからっ♪ねっ♡呼んで?今呼んで?」って美人が迫ってくる。


  

えぇ……よ、ようこさん……?って言ったら「やだやだ〜っ!ようこでいい〜っ!あと普通にともだちだからねっ?ともだちで喋ろっ?ね?にゅ〜?」 

っていう風に、なぜかものすごい顔面の圧でお願いしてくるので思わず『あ……え……?じゃあ、…………ようこ?』って呼んだら 



「は〜っ好きっ♡最高っ♡」



って私を軽く持ち上げて高い高〜いした。


 

すご……本当に魔法使いだこれ……。そのうちお母様……いや、葉子から私に向かって大量のゴールドのキラキラが放出されて前が見えない。すごいですっ!ってあおいさんの歓喜が聞こえ、見渡すと一階のフロアが金色のゴージャス夢空間へと変わっている。



そしてスッと下ろされると、キラキラの吹雪に紛れて私をそっとハグして『にゅ〜……これから……よろしくね♡』とささやかれ……


  


「親愛の……キスだよ♡」


 


チュっと、頬にされた。 

 


   

「あははっ!嬉しいねっ♪」て、雑誌とか動画で見てきた人が輝きの中で笑いかけるから、きっと私はまだ夢を見てるんだ……と、頬を軽くつねってみたけど痛いだけだった。


  

や〜ん、ここちゃんと私と同じことしてる〜♡って何回もスリスリされ、秋葉は「はぁ……」と腕を組んでため息をつき、あおいさんは写真撮影で走り回って瞳をハートにしている。え?………夢じゃないの?じゃあなんだこれ?

 




















 


 

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