第52話 失敗はEPの母
ヴィクトルの離脱宣言は、モーフェイにとって少し不意打ちだった。
「また戻ってくるのか?」
「状況次第だ。」
「家賃は返さないぞ。」
「好きにしろ。」
ヴィクトルは敷居をまたいだところで足を止め、淡々と一言を投げた。
「最近は少し気をつけろ。生命に執着しすぎた連中が、不穏な動きをしている。」
モーフェイは一瞬ぽかんとした。「どんな連中だ?」
「砕けた肉体を継ぎ合わせれば神を作れると思い込んでいる異端どもだ。やつらは『完全な生命』に、病的なほど飢えている。」ヴィクトルは冷たく鼻を鳴らした。その声は下城区の湿った空気の中で、ひどく冷たく響いた。「金と権力は人を屈服させる。だが、連中が求めるものはそれだけではない。」
言い終えると、彼は通りの奥へ消えていった。
モーフェイは首をすくめた。ヴィクトルが誰のことを指しているのかは分からなかったが、こういう場合、たいてい何か面倒が醸成されている。
とはいえ、その面倒が本当に扉を叩くまでは、彼はせっかくの平穏を楽しむことにした。
それから数日は、モーフェイが転移して以来、最も快適な日々だった。
フローラに要求された商品をどう作るか研究するため、彼はベッドの脚に噛ませていた『錬金基礎大全』を引っ張り出した。
読み進めるうちに、定錨陣は術式を通して錨定された物品を追跡できるのだと分かった。
モーフェイは勢いよく机を叩いた。
「くそっ! 追跡できるって知ってたら、前にあんな苦労して探さなかったのに!」
以前、自分が馬鹿みたいにあちこちを闇雲に探し、そのためにあらゆる人情まで使ったことを思い出すと、吐血しそうになった。
とはいえ、知識が脳に入ってくる感覚はやはりかなり爽快だった。これほど集中して勉強できたのは、前回以来である。
理論の支えができ、さらにフローラが約束した素材も届いたことで、モーフェイは小型浄化装置の製作に取りかかった。
彼は大量の高価な原材料を投入し、導き出せる限り最も正しい律令を刻み込んだ。
しかし、錬金術というものの最も面白いところは、理論が正しいからといって結果が正しいとは限らない点にある。
最後の段階で陣を起動した瞬間、装置は突然、耳障りな高音を発した。続いて黒煙が噴き上がり、「ぷすっ」と弾けて、何の役にも立たない焦げた鉄屑の塊になった。
「やっぱり、そう簡単にはいかないか……」モーフェイはため息をついた。
【「小型空気浄化装置」の錬成に失敗。熟練度+1。現在の熟練度:1/9997。】
突然のメッセージに、彼の目がぱっと輝いた。分母は馬鹿げるほど大きかったが、少なくとも自分の錬成の方向性が正しいことを示している。
すぐに彼は、その焦げた鉄屑の塊をシステムの投入口へ直接放り込んだ。
【宿主が自ら錬成した産物を検出。変換を開始。】
【品質判定:一般(高品質素材の残留あり)。変換値 8 EP】
【変換完了! 現在EP:22.00。】
【備考:素材に感謝しなさい。そうでなければ、このゴミに変換価値はありません。】
モーフェイは固まり、その後、深い思索に沈んだ。
つまり、たとえ製作に失敗しても、失敗作をEPに変換できる。しかも使っているのは、フローラが送ってきた公費の素材だ。
失敗が、逆に最も安定したタダ乗りEPルートになってしまった。
これはまさに天才的な発見だった!
それから二日間、モーフェイは奇妙な循環に入った。錬成を試みる→華麗に失敗する→システムが回収する→EPが激増する。
彼は自分の錬成失敗を楽しみにし始めてさえいた。完成品が爆発するたび、心の中で歓声を上げてしまうのだ。来た! 公費でポイント稼ぎ、最高!
工房で「ゴミを製造」する以外にも、モーフェイはジミーとの約束を果たし、彼を下城区のゴミ捨て場へ「掘り出し物探し」に連れていった。
ジミーは最初、モーフェイがただ廃鉄の山を見物させたいだけだと思っていた。錆びた圧力桶の隙間から、モーフェイが爪で指先ほどの灰色の結晶をほじくり出すまでは。
「よく見ておけ、ジミー。」モーフェイは結晶を光にかざした。その眼差しは鑑定の達人のように専門的だった。「これはただの廃渣じゃない。『青塩晶』の残滓だ。今はエーテルが枯れて灰土のように見えるが、弱酸で内側の霊性を呼び覚まし、触媒活性を回復させれば、二流の錬金術師どもが奪い合うだけの価値がある。」
ジミーは目を見開いた。その崇拝の視線は、モーフェイを溶かしそうなほどだった。
「モーフェイさん、あなたはまさに僕の憧れです!」
その間、マグダも厄介な重機材の運送依頼をいくつか持ち込んできたが、ジップの能力であっという間に片づき、小遣いも楽に稼げた。
そんなふうに快適な日々が数日続いた。快適すぎて、レノスの脅しとヴィクトルの忠告をほとんど忘れかけるほどだった。
やはり、好事魔多し。
モーフェイが三つ目の「失敗錬成ルート」を試そうとしていたそのとき、机の上に置かれた『逆位者』の証しが、不気味な紫の光を放った。
彼が証しをつなぐと、ロックのからかうような声が聞こえてきた。
「よう、からくり師匠。前回のあの地下城で仕事があるんだが、興味はあるか? 報酬は工房を丸ごと改装できるくらい高いぞ。」
「ない!」
モーフェイは即座に拒否し、そのまま通話を切った。
前回の地下城行きは九死に一生だった。馬鹿でもなければ行くわけがない。
彼は長く息を吐き、自分の「失敗芸術」に戻ろうとした。
コンコンコン。
工房の扉が珍しくノックされた。
モーフェイは素材を投入しようとしていた手を止めた。
彼は窓の外のすでに夜になった空を見て、それから扉へ視線を向けた。続いてヴィクトルが去る前に残した忠告を思い出し、手は無意識に作業台の下に隠してあるレンチへ伸びた。
そのとき、扉の外から低く、有無を言わせない声が響いた。
「約束を果たす時だ、モーフェイ。」
扉が押し開けられた。暗いマントをまとった男が陰の中に立ち、冷厳な目で一片の感情もなく彼を見つめている。
ヴァルクだった。
「明日の朝、出発する。」
目の前の男を見て、モーフェイの胸に強烈な安堵が湧き上がった。さっきロックを断っておいてよかった。
「どこへ行って、何をするんだ?」
「街の西外れにある旧鉱山の地下城へ行く。二層で探し物をする。」
モーフェイは突然、頬がひりひりと熱くなるのを感じた。




