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第38話 錬成、瓶中の幻獣!

「金貨 15 枚だ。ここは俺が丹精込めて仕込んだ場所なんだぞ。安いくらいだ。」


ロックはじっと彼を見た。

「金貨 5 枚。」低い声だった。「こんなガラクタに価値はない。せいぜい、お前とあの怪物を認めた分だと思え。」

「成立。」


ちくしょう、値切りが甘かった!

ロックは背を向けて去っていった。来たときより、足取りがいくらか速い。


モーフェイは相手が遠ざかったのを確認すると、作業台へ飛びつき、金貨を金庫にしまい込んだ。これで金貨 496 枚と銀貨 89 枚。

あと金貨 3 枚と少しで、今週の借金危機は解消だ。


床一面の残骸と使い切らなかった鉄インゴットを一瞥し、朝になったら下城区へ持っていって売り払うと決めた。


廃鉄を隅に積み上げると、モーフェイはそのまま倒れ込んで眠った。


……


朝の光が、歪んだ扉の隙間から工房へ滲み込んでいた。


モーフェイは寝返りを打って起き上がった。最初に見えたのは床一面の惨状。次に見えたのはヴィクトルだった。


彼は作業台の前にしゃがみ込み、片眼鏡をほとんど天板に貼りつけるようにしている。目の前には金庫から取り出された素材が整然と並んでいた。重壌、黒導石の残材、人造エーテル種、幻獣瓶。


「いつ戻ったんだ?」


「明け方だ。」ヴィクトルは顔も上げない。「扉の留め金が壊れていた。床一面の廃鉄を踏んで、ようやく入ってきた。」


「どうやって金庫を開けた?」


「あれを金庫と呼ぶのか?私はてっきり、無駄に造形が重い部品箱だと思っていた。」ヴィクトルはようやく顔を上げた。「ついでに取り出しておいた。」


モーフェイは扉の隙間の外に見える空の色を見た。まだ早い。


「素材はそろった。瓶中の幻獣を錬成できるか?」


ヴィクトルがノートを押してきた。モーフェイは、半分筆記体で半分殴り書き、行間も広かったり狭かったりする文字の塊をちらりと見た。


「……その字、他人に読まれるのが怖いのか?」

「読めないなら読めないと言え。重壌を底に敷く。黒導石を埋め込む。エーテル種を中央に置く。液を注入する。陣を起動する。」


モーフェイはそれ以上反論せず、作業台にヴィクトルが刻んだ錬成陣へ視線を落とした。

整然と置かれた素材を一通り確認し、頭の中で手順を一度なぞってから、ようやく手を伸ばす。


重壌は手に取るとずっしり重かった。錬成陣の溝へ注ぎ込むと、見た目をはるかに超える重量で鈍い音を立てる。モーフェイが掌の付け根で押し固めると、指先にかすかな脈動が伝わった。まるで土そのものが呼吸しているようだ。

黒導石を重壌の中央に置く。土層に触れた瞬間、斥力が音もなく広がった。周囲の重壌がわずかに盛り上がり、すぐ内側へ巻き込まれる。土でできた手が、黒導石を中心に包み込むようだった。


凝固剤を錬成陣の縁に沿って垂らすと、重壌の表面の艶がかすかに引き、土層全体が静かに締まり、固定された。


ヴィクトルが身を寄せ、片眼鏡のモードを切り替えて数秒見つめる。


「次の手順へ進め。」


人造エーテル種。暖かな光を透かす琥珀色の結晶は、掌に載せると規則正しいエーテルの脈動を感じさせた。


モーフェイはそれを逆さにし、芽点を下に向けて、石と土の境目へそっと押し込んだ。


人造エーテル液が刻まれた溝に沿って注がれ、淡い白色の液体が土層を覆っていく。錬成陣の縁に刻まれた封鎖紋が微光を放ち、液体を陣の内側にしっかり留めた。


安定剤を細管で注入する。無色の液体がエーテル液の中へゆっくり広がり、渦がわずかに鎮まり、液面は静止へ向かった。


モーフェイは深く息を吸った。

ヴィクトルは半歩下がり、腕を組む。

「エネルギーが臨界点に達する前に、指先の血を一滴落とせ。」ヴィクトルは液面を見つめ、珍しく真剣な声で言った。「人造生命には、原初の『生命設計図』が必要だ。それで性質を定める。なければ、ただの無秩序な泥の塊にしかならない。誰がその血を与えたかで、そいつはその者だけを『創造主』と認識する。」


モーフェイは一瞬固まった。何だそれ?西洋ファンタジーでも血判認証みたいなことをやるのか?

すぐ横の刻刀を取り、指先を軽く切る。鮮やかな赤い血珠が、沈黙したエーテル液の中へ正確に落ちた。


ブゥン──!


血が池へ落ちた瞬間、死んでいた液面が激しく沸き立った。

錬成陣のエネルギーは錨を掴んだかのように、モーフェイの生命の気配を狂ったように呑み込み、秩序立てて再構成し始める。眩しい黄土色の光の輪が灯った。

作業台が激しく震え、唸りが高まっていく。広がる波紋の一つ一つが、モーフェイの魂と同期した律動を帯びていた。


黒導石の縁に走っていた銀線模様が少しずつ薄れ、輪郭も曖昧になっていく。斥力場は石芯から外へ広がり、重壌の粒の隙間一つ一つに染み込み、土層全体を目に見えない力場の網へ変えた。


金色の光紋が、力場の流れに沿って幾重にも弾ける。重壌、黒導石、エーテル液。三者の境界が曖昧になり、混ざり合い、何とも言えないものになった。


激動が過ぎた後、陣の内側には黄土色の泥の塊だけが残っていた。


光が収束し、工房の中は一瞬の死寂に包まれる。

モーフェイは息を止め、生命の気配がないように見えるその泥の塊を凝視した。


次の瞬間、泥の塊の内側から、かすかな「カラッ」という音がした。


土の表面が丸く盛り上がる。何かが内側から「生えて」きている。


ぽん!


丸い茶色の団子が泥の塊を押し破った。

短い手が一節ずつ出てきて、続いて同じくらい短く、ほとんど飾りのような脚が現れる。

生えてきた生物の身体は細かな毛に覆われ、茶色に薄褐色の模様が入っていた。ウォンバットとハムスターの折衷案みたいな姿だ。


ヴィクトルは片眼鏡を外して拭き、かけ直し、また外してもう一度拭いた。


「……もふもふだ。」声はほとんど聞こえないほど小さい。

「な──」

「黙れ。」ヴィクトルは勢いよく顔を背けた。耳の付け根が赤くなっている。


【錬成成功。】

【瓶中の幻獣:ブロックチンチラ(1階・幼体)を獲得しました。】

【瓶中の幻獣能力:体積と重量の圧縮。生物には使用不可。】

【備考:それは自分を育んだ泥の塊を、極度に嫌悪しているようです。】


茶色い毛玉のような小さなやつが、丸い目を二つ開いた。

最初にしたことは、自分の足元の泥を見ることだった。丸い顔がくるみのように皺くちゃになり、顔のパーツが全部ぎゅっと歪む。それから短い手を勢いよく上げ、身体についた欠片を狂ったように叩き落とし始めた。

挿絵(By みてみん)

ヴィクトルが幻獣瓶を差し出した。

モーフェイは身をかがめて、その塊を両手で掬い上げた。掌がずしりと沈み、毛がふわっと広がって指の隙間を埋める。ほかほかしていて、焼きたての茶色い毛玉を握っているみたいだった。


瓶の中へ落ちた瞬間、それは透き通ったガラスの壁をぐるりと見回した。短い手がすぐに動き、内壁についたわずかな水跡をこすり始める。


モーフェイは三秒固まり、それから笑った。腹の底から爆発する、抑えようのない大笑いだった。


それは物音に驚き、ぽかんと二人を見た。そして振り返り、さらに怒った様子でガラスをこすり続ける。


モーフェイは親指ほどの廃鉄片をつまみ上げ、幻獣瓶の口元へ差し出した。


それは後ろへ縮こまった。丸い目で錆びた鉄片を見つめ、表情が「嫌悪」から「極度の嫌悪」、さらに「もう我慢できない」まで完全な進化を遂げた。最後に、すさまじい白目を剥く。


力場が瓶口から広がり、鉄片は光の輪に呑まれ、それに一口で腹の中へ呑み込まれた。


モーフェイは床一面の残骸を見回し、陶片と鉄鎖の輪をひとつかみ抱えて瓶口へ近づけた。

それの嫌悪は激怒へ、激怒は心が折れる寸前へと進化し、最後には涙目で働いた。

モーフェイが瓶の壁を叩く。

それは振り向き、不本意そうな顔で尻を突き出した。短い脚で踏ん張り、腹に力を込め、なんとも気まずそうな表情をする。


ぽん。ぽん。ぽん。


立方体が瓶口から一つずつ転がり出て、作業台に落ちた。


モーフェイは小さい方をつまみ、親指で割った。光の輪が散り、廃鉄片がぴょんと跳ねて元の姿に戻る。

残りのいくつかも一つずつ開く。陶片はざらりと広がり直し、鉄鎖の輪はじゃらりと音を立てて伸びた。


鉄片は無傷。陶片も鉄鎖の輪も一つも欠けていない。

さらに気づいた。立方体の重量は、元の物よりずっと軽い。


ヴィクトルはその鉄片を見つめ、身を起こし、片眼鏡のモードを一度切り替えてから戻した。「……非破壊型か?」


「完璧。」

モーフェイは、ついさっきまで立方体だった鉄片を掌で見下ろした。体積を圧縮する。小さな容器に大きな荷を入れられる。

前に便乗したとき、荷物が狭い路地に入らないという案件を聞いた気がする。解決できそうだ。


ヴィクトルは口を開きかけ、最後に絞り出したのは一言だけだった。「……レシピは私が提案した。」


「うん。一功として記録しておく。」


彼は瓶の中でガラスを拭いている小さなやつを見下ろした。


圧縮、収納、梱包……


「ジップ(ZIP)。」口に出してから気づき、思わず小さく笑った。


「何だ?」ヴィクトルが眉をひそめる。


「何でもない。」

モーフェイは肩をすくめた。この世界で、このネタが分かるのはたぶん彼だけだ。


「ジップ。この小さなやつは、これからそう呼ぶ。」


瓶の中の茶色い毛玉は、ガラスの隙間から顔を上げた。ぽかんとして、また向きを戻し、ガラス磨きを続ける。


「よし。次は残りの金貨 3 枚を稼ぎに行くぞ!」


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